数日前に筆者は、隣の席の女性がレイオフ(という名の解雇)される様を目の当たりにしてしまった。
しかし昨日の記事でも触れている通り、
米国でこういった解雇劇が繰り広げられている事それ自体は、この情報化社会においては普通に知りえる事実である。
いかにそれを目の当たりにしてしまったからとはいえ、
「べいこくのかいこは、はなしにはきいていたが、とてもすぴーでぃだ。」
と言うためだけに3000文字も使ってしまうとは、まさに愚鈍の極みと言わざるを得ない。
ところで。
その日の朝に解雇が実施されたその時点から、文字通り頭数が減るわけである。
筆者の事務所で言えば、単純に5名→4名に減った。
仮に全員が100%のパフォーマンスで業務にあたっていたとすると、一人が解雇されたその瞬間から、他のメンバーはそれぞれ125%のパフォーマンスで業務にあたる必要がある。
しかもある日突然いなくなるのだから、いわゆる『引継ぎ』なんてものは存在しない。
ひとたび解雇が発生すると、まずはその光景の強烈さだったり本人のその後が気になったりするものであるだが、
一方で、解雇が実施された後の職場はどうなるのだろうか?
意外とこれについては知られていないのではないだろうか、と愚考するに至ったわけである。
というわけで、解雇劇後の数日間に起こったことについて垂れ流してみることにする。
解雇当日
・およそ1時間で、営業職の女性に対して解雇が執行される
・同僚は思いのほか気にしていない模様
解雇翌日
・労働力低下に伴う今後の業務振り分け、との名目でミーティングを実施
他のメンバーへ割当が淡々と発表され、特に文句もなく30分ほどで会議は終了
・本社でも、社長直々に今後の説明があったとの情報あり
解雇翌々日
・解雇女性の使っていた社有車がマサチューセッツの本社へ移送
・隣のテナントに入っている別会社のスタッフと雑談中、「そういえば人が減ったんだって?たまにあるよね」と一言
・同僚の一人が、自分のPCのモニタの調子が悪いとぼやく
・本人デスク上の一部書類と、グルテンフリーの間食がいつの間にか片付けられる
解雇3日後
・デスクの上が更に片付く
・マネージャー、「今週はなんか皆、静かな気がするな?気のせいか?」とコメント
・昨日ぼやいていた同僚、閃いた!とばかりに解雇女性のモニタ計2個を自分のデスクへ持ってきて、3個並べて(勝手に)運用開始
それを見たマネージャー、「ああ~それ使うの?別に良いよ」と一言
・もう一人の女性スタッフが、ヒョウ柄のインナーを着用
解雇後3日でこの進みようである。
今のところ業務上の支障もないようだ。
恐らくあと数日もすれば、何事もなかったかのようになるのだろう。
いやそもそも、ここ数日の同僚の様子を見たならば
筆者の隣のデスクは、元々空席だったのかもしれない。
そうだとすれば、もはや何ということもない。
日本へ帰任した暁には、以前よりも更に磨きのかかった
「職場において冷たい人間」
と評される気がしてならないが、それはまた別の話である。
Raretsu