モノ魔リスト

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必要ではない。だがよく考えてみると、たしかに必要ではないようだが愛すべきモノたち。

あのサザビーズで腕時計を落札した話 後編

前編では支払いまでの流れを垂れ流したが、後編では落札後の物品受領までを記載したい。

bran-cpain.hatenablog.jp

料金支払い後の流れ

クレジットカード決済で落札代金と手数料、送料を払い終えると、4,5日ほどで発送の連絡がメールで届いた。配達業者はFedex

発送連絡から数日後、見慣れない成田の番号から着信があったので受け取ると、成田税関からの電話であった。腕時計は関税こそかからないが、消費税は発生するためその支払い依頼である。

個人使用の場合、税関申告価格の6割に日本の消費税が加算される。これで今回の落札に係るクレジットカード利用は3回目である。

物品受け取り

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無事に受け取る事が出来た。

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梱包はマトリョーシカ式だった。

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サザビーズのロゴ入り袋(合皮製)がお出迎え。

腕時計を落札したというのに、何故こんなに袋が小さいのか。

答えは単純で、腕時計本体尾錠しか入っていないからである。

 

サザビーズオークションの各ページを見ると、Restricted Speciesとの表示のある出品がある。ワシントン条約(CITES)に引っかかるため、米国外およびCA州には送付ができない旨を示す但し書きである。

革ストラップの腕時計の場合、基本的にベルトはついてこないと考えた方がいいだろう。サザビーズで出るような時計はある程度高級である場合が多く、となると大方はアリゲーターかクロコダイル製であるからだ。個人の時計店などだと、しれっと冊子に挟んだりしてベルトも送ってくる店などもあるが、そこは老舗のオークションハウス。きっちりとCITESを遵守している。

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どんな梱包をしてくるのか少し興味があったが、パケ袋にプチプチを小さく切ったもので包む、という極めて一般的なスタイルだった。NYから発送されているはずなのに、パケ袋に『プラ』の日本語があるのが少し面白い。 

支払総額シミュレート:1万ドルで腕時計を落札した場合

無事商品を受け取ったところで、やはり振り返ると手数料が印象的な取引だった。

そこで今後利用するかどうかは何とも言えないが、一応備忘録として支払総額シミュレートを書き残しておきたい。

 

わかりやすい例として、10,000 USDで時計を落札した場合を考えてみると、落札額とその他の費用は以下のようにまとめられる。

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*送料は一律で200 USDとした。

**税関申告額の60%に対し、日本国の消費税10%を適用。


この時点で支払総額は13,556 USDとなる。腕時計の品目の場合、関税は無税だが消費税は発生することに留意したい。クレジットカード決済の場合はここに、外貨取扱手数料が乗る。

カードの外貨取扱手数料を1.6%、為替レートを1 USD = 110 JPYと仮定して試算すると、日本円での最終的な支払総額は151万5019円となる。

支払総額は、落札額の概ね1.4倍弱程度と考えるのが妥当だろうか。

プレミアムだが、意外と大雑把なオークション体験

これまではサザビーズと聞くと、富裕層にしか参加し得ないイベントに聞こえて仕方が無かったの事は前回にも述べた。しかし今回実際に参加してみると、確かにプレミアムではあるものの、思った以上にカジュアルに取引できた。

手数料以外に注意点があるとすれば、サザビーズは時計店ではないという点だろう。前編で述べた通り、今回はCondition Reportに割と初歩的な誤りがあった。内容も思いのほか大雑把な場合もあるので、入札前にCondition Reportをよく読み、必要であれば質疑して様子を見たほうが良い場合もあるだろう。また購入後の保証も特になく現品現状渡しとなるため、周辺知識があるに越した事は無い。

 

とはいえ、ずらりと並ぶ出品の中には珍しい出物もある。お目当てが見つかった暁には、高額な手数料に気を付けつつ参加してみては如何であろうか。

 

あのサザビーズで腕時計を落札した話 前編

サザビーズといえば、クリスティーズと並んで著名なオークションハウスとして有名である。落札額が高額になったりすると、日本でもたまにニュースになったりもする。

そういうニュースを聞くと、荘厳な会場の中で何億円とするアートを囲み、リアルタイムで札束のインファイトを繰り広げる富裕層…という安直なイメージと共に、自分には縁遠い世界だと思っていた。やれバンクシーがどうとか、バスキアがこうとか、そういう次元のイメージである。

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出典:Sotheby's

 

…思っていたが、よくよく見てみれば腕時計もそれなりに出品されている。

そしてそれらの多くは数十万円~数百万円程度で、尚且つインターネットでの参加が可能だったりする。

実際、筆者が今回見つけたのはそういう品であった。 

サザビーズで入札するまで

筆者はややマニアックな、特定の年代に製作された時計を好む傾向にある。その手の時計は個体数も少ないため、日ごろから世界中の時計在庫をチェックする習性がある。

大体は2年か3年くらい巡回していればひょっこり出てきたりするのだが、今回探していたものは探し始めて5年ほど経っており、サザビーズで見つけると同時に参戦を決意した。

入札にあたっては、まずは会員登録が必要になる。サザビーズの会員登録、というとやや剣呑なイメージも無くはないが、別に審査などはない。登録用のメールアドレスと住所、クレジットカード情報があれば問題なく、登録が終わればすぐ入札が可能になる。

初回の入札時は、身分証の提示なども必要ないようだ。 

出品情報の誤りを指摘する試み

いきなり余談だが、同じ時計を4年も5年も探し続けていれば、そのモデルについて詳しくなることは想像に難くない。筆者もその典型であり、ついては初めてHPで情報を確認した際、記載された内容に一部誤りを発見してしまった。

サザビーズほどの老舗が間違えるものか?と少し訝しむ気持ちはあったが、一応Client Careにコンタクトを取り、その真偽を確認してみた。

数日待った結果として、記載の誤りが修正された。具体的には"Saleroom Notice"なる形で訂正・追記がなされていた。数日かかったのは、製造元の時計ブランドに問い合わせていたかららしい。ついでとばかりに、筆者が質問した以外の情報についても一部加筆されていた。

誤り自体は、筆者のような素人が気付くくらいであるから、割と初歩的なものであった気もした。が、サザビーズが手掛ける商品は多岐にわたるため、よほどの高額品でない限りは存外に緩めの掲載基準なのかもしれない。

とはいえ、まだ会員登録したばかりで入札もしていないような筆者の質問についても、情報を訂正する点は割と好感が持てるところだ。

流石は著名なオークションハウスの面目躍如といったところか。

かなり強気な手数料

サザビーズを一度でも利用した事がある諸兄姉は、その高額な手数料に覚えがあるだろう。日本で有名なヤフオクでは、出品者が落札額の10%程度の手数料を払うことで知られているが、サザビーズにおいては落札者も"Buyer's Premium"なる手数料を払う必要があるのだ。

 

そして、このバイヤーズプレミアムが強気である。

2021年6月現在、NYでは落札額の13.9%~25%となっているが、下記のチャートで確認できる通り、400,000 USD以下の落札はすべて25%が適用される。

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出典: Sotheby's

商品が時計であるならば、極一部の超高額品を除いて基本は25%の手数料がかかると把握した方が良さそうだ。

ちなみにこの手数料、年々上昇している。

 

直近では、昨今のコロナ情勢に絡んで"Overhead Premium"という手数料が追加された。

このオーバーヘッドプレミアムは、バイヤーズプレミアムとは別に落札額の1%に課される手数料だが、実質的にはバイヤーズプレミアムが26%へ上昇したとも捉えられる。 

en.thevalue.com

まとめると、落札金額に加えて手数料が26%発生し、そこへ更に送料を乗せた金額が最終請求額となる。 

現在価格だけを眺めていると、最終的な支払額を見て腰を抜かすことになるのは自明である。一見相場以下に見えても、最終的にはそうでもなかった、というのが頻繁に起こるだろうから、入札時には留意したい。

"Estimate"の影響力

サザビーズには"Estimate"という指標がある。これは、オークションハウス側が「これくらいの価格になるだろう」と目論む想定落札額のことで、出品される前に提示されている。幅は価格によるが、例えば10,000 - 15,000 USDなど幅をもって示される。

一見するとただの指標のように見えるが、これがなかなかどうして影響力が強い。

例として、直近2021年6月中旬に終了したオークション群"Fine Watches"を眺めてみる。

122点ある腕時計の落札データのうち、Estimate以下での落札は14点、Estimate以内は56点、Estimate以上は52点であった。実に全体の半数近くがEstimate以内で落札されている事になる。また、Estimate以下の落札は少ないのに、Estimate以上の落札は4割程度とかなり多い。

 

何故このようになるかといえば、やはり手数料の影響が大きいだろう。

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出典: Sotheby's

例えば上の例だと、Estimateは6,000 - 9,000 USDとなっている。落札時の価格は8,000 USDだったのだろう。8,000 USDでの落札となればEstimate以内じゃないか、となりそうなものだが、先述の通りここに手数料が乗る。

8,000 USDに26%を加算すると最終的に10,080 USDとなる。入札した時にはEstimate以内で落札できた感覚だったものが、最終価格で見るとEstimateを大きく超えている、という事態が往々にして発生するわけだ。手数料の重さがよくわかる例だと思う。

裏を返せば、Estimate以下で落札するのはなかなか難しいといえる。

サザビーズへの支払い

晴れて商品を落札すると、数時間後にInvoiceがメールで送付されてくる。

商品そのもののInvoiceと、送料のInvoiceとに分かれているが、合算して一度に払うこともできる。

また支払いの前には、公的な身分証明書の提示が必要となる。アプリ経由で免許証を撮影するなどが一般的なようだ。日本語の免許証にも問題なく対応している。

 

肝心の決済方法だが、日本在住の場合は基本的にクレジットカード支払いとなるだろう。となるともちろん外貨決済の手数料、それと為替が絡んでくることにも留意したい。

バイヤーズプレミアムも含め、手数料でいくら取られているかを考えると眩暈がしそうであるが…あと2年くらい早く出品されていれば、米国の銀行から支払いできたものだが、こればかりは致し方ない。

なお送料については200 USDを超える。そもそも国際便だし、補償もついているので仕方なかろうが、やはり額面を見るにプレミアム感がある。

 

後編へ続く

アメリカのスーパーマーケット ランク早見表(含む偏見 in MI)

 

前回の記事では、日本とアメリカのスーパーマーケットの違いについて勝手に触れた。

bran-cpain.hatenablog.jp

一言で言えばランク観が違うということだが、ランクランクと言っていたにも拘らず、その一覧表を作るのをすっかり失念していた。

 

ということで、筆者がミシガン在住時に日常的に使っていたスーパー群を、独断と偏見によってランク分けし、格付け表にしてみた。

ミシガン スーパーマーケットランク早見表

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単純に価格だけで羅列していっても良いのだが、そうするとTrader Joe'sあたりがよくわからない立ち位置になってしまうため、お洒落度なるふわっとした横軸をデコレートしてみた。

都合4象限に分けられるため、どうでもいいコメントと共に解説してみよう。

 

激安×実用性(第3象限)のスーパー群

1. Walmartウォルマート

説明不要の売上高世界最大の企業。筆者の居住していた地域では最安のスーパーと言える。接客はいかにもな米国風。

一方で品質には疑問符が付く場合もある。またパック包装のものを買うときは、他の人によって開封されていないか確認した方が良い。(ここに限った事ではないが、特にウォルマート開封済みの物が多いので)

また客層に関しては特筆すべきレベルで、実際にPeople of Walmartなるミームが存在するほど。

筆者はトマト(個人的に大量消費するため)や、大鍋でカレーを大量に作る時の具などをよく購入していた。

なお、ここで売っている牛乳には何故か賞味期限が2カ月くらいのものがある。怖い。

2. Target(ターゲット)

上位版Walmartという印象のスーパー。つまるところザ・中層というイメージだが、個人的にはいまいち印象が薄い。良くも悪くも中途半端なのか、近年は売り上げも振るわないようだ。イチゴが安かったので何度か買ったな、くらいしか記憶がなかったりする。

3. H Mart(エイチマート)

米国で広く展開する韓国系のスーパー。いわゆるアジア系の食材が多く揃っており、韓国だけでなく中国、日本のものもある。ただし日本の商品は基本的に高く、そのためお洒落度の割にランクはやや高め。

以前別の記事で紹介したが、アメリカン和牛を初めて見たスーパーでもある。日本のものに近いキャベツ(米国のスーパーにあるキャベツは異常なほど硬い)や、チンゲンサイなどが安く買える。

あとは妙に鮭が美味かったので、よくホイル焼きにしていた。

 

激安×お洒落(第4象限)のスーパー群

4. Trader Joe's(トレーダージョーズ、トレジョ)

お洒落でコスパが良いということで、若者を中心に大人気のスーパー。ちなみに日本人駐在員の奥様達の間では、狂信ともいえるほど圧倒的な支持を得ている。店員がフレンドリーなのも特徴だろう。

反面、店舗面積も駐車場も人気の割に狭く、品揃えの絶対数も少なめな印象。広い米国に来てまで混雑したところに行きたくなかった筆者としては、この混雑は明確なマイナスであった。またお洒落な割に、ワインのセレクトがローレンジばかりなのも少々辛い。

オリジナルブランドが好評で、特に冷凍餃子は日本の味に近いし高コスパのため、行ったときはまとめて買っていた。というかそれしか買っていなかった気もする。

 

富裕×実用性(第2象限)のスーパー群

5. Kroger(クローガー)

Targetの強化版スーパーというイメージであるが、Whole Foodsには色々と及ばない。ここもTargetと同じく、筆者としてはあまり印象に残っていない。

筆者が赴任してすぐの頃に商品回収騒ぎを起こしていたため、そもそもイメージがあまりよくなかったのもあるかもしれない。

6. One World Market(ワンワールドマーケット、ワンワ)

ミシガンに住む日本人なら知らない人はいないであろう、日本系のスーパー。日本の食材や調味料なら独壇場。米のラインナップも素晴らしく、日本の米に肉薄する品質のものが買える。

当たり前と言えば当たり前だが、輸送費もあってか日本の食品はおしなべて非常に高い。そういう意味で、お洒落さと値段は比例していない。

高いとはいえ、ヒガシマルのうどんスープや、まともな干しシイタケが買えるのは非常にありがたかった。あとは冷凍の薄切り肉(米国では薄切り肉という文化がない)も地味に役立った。鮭だけはエイチマートの勝ちだが。

富裕×お洒落(第1象限)のスーパー群

7. Nino Salvaggio(ニノサルヴァッジョ?)

シチリア女子から教えてもらった、イタリア系のスーパー。個人的には、トレーダージョーズとホールフーズとの中間に位置するイメージ。

トレーダージョーズに比べて広かったのと、ワインのセレクトがかなりまともなので、その点で優位にある感があった。コーヒーの量り売りも結構充実していたイメージ。

8. Whole Foods(ホールフーズ)

高級スーパーの代名詞。Krogerの上位互換と言う意味では、ある意味ウォルマート最終形態と言ってもいいかもしれない。

店舗のお洒落さ(トレジョとは方向性が異なるが)、スタッフのレベル、客層、品揃えどれをとっても一流と言えるスーパーだろう。値札さえ受け入れられれば、だが。

ワインのセレクトもなかなか良い。またミシガンローカルの牛乳が売られていたのだが、これが圧倒的に美味だった。高いとはいえ牛乳だけは必ずここで買っていたし、今でも恋しいほどだ。

普段はウォルマートのトマトばかり買っていた筆者が、一度ホールフーズのトマトを買って食した時には、そのあまりの旨さに震えた。その後レシートを見て冷静になったが。

9. Plum Market(プラムマーケット)

ミシガンを中心にローカルに展開する、超高級スーパー。先述の通りホールフーズの時点で十分に高級なのだが、ここは更にその上を行く。客層にも富裕層感が漂っており、冬場に行こうものなら上品なカシミヤコートを着こなす老夫婦を発見できたりする。ウォルマートと比較すると、来訪客の体型および肌の色の傾向がかなり違う。

実は色々な範囲でホールフーズと商品が丸被りしてたりもする。実はホールフーズで売っている例のミシガンローカルの牛乳もダダ被りしていたのだが、値付けはホールフーズより高いのだから驚かされる。

またワインのセレクトは異次元と言っていいレベルで、ローレンジから超ハイレンジまで不必要なほど充実している。普通にオーパスワンをワゴンで売っているので、お土産に衝動買いをしたのは今や良い思い出である。

あまりに高級すぎて、体に悪そうなものは置いておらず、代わりにオーガニック製品率が非常に高い。無性にドリトスが食べたくなってポテトチップスコーナーを見てみた際、体に良さそうなポテトチップスしか並んでおらず、絶望した記憶がある。

 

 

思いのほか長くなってしまったが、以上の9つが筆者のよく通っていたスーパーたちである。

後の方になればなるほど解説文が長くなるのはご愛敬である。

日本とアメリカのスーパーマーケット その決定的な違い(含む偏見)

 

中国の武漢に端を発した新型コロナウィルスに押され、米国ミシガン州より帰国してからはや1年近くが経過した。

米国駐在はもはや過去の話と言っていいほどかもしれないが、それでも駐在時の話を訊いてくる御仁がちらほらとある。

 

よく訊かれる質問として、「一番衝撃を受けた事は?」なるものがあるが、これに対する返答はこの記事とかこの記事が相当する。アレはそうそう忘れられるものではない。

 

一方、「一番面白いと思った事は?」と訊かれるとやや逡巡するが、筆者はこれに「スーパーマーケットのランク分けが露骨な事」と答えている。

 

アメリカのスーパーマーケットの紹介記事への違和感

アメリカ スーパーマーケット」などと検索すると、やれおすすめはここだとか、人気ランキングはこうだ、などといった記事がヒットする。

これらの記事そのものは有用ではあるのだろう。しかし在米時にミシガン州内の数多くのスーパーに足繁く通った、自称スーパーフリークの筆者からすると、どうにもこれらは奥歯に物が挟まったような気がしてならない。

というのも大体の記事において、実際にスーパーに行けば誰しも感じられる、決定的とも言っていい、とある違いに対する説明が抜け落ちているからである。

 

日本とアメリカのスーパーマーケットにおける決定的な違い

日本とアメリカのスーパーにおける決定的な違いとは、アメリカには露骨といっていいほどスーパーの『ランク分け』が存在することだ、と筆者は考える。

要するに、経済的に豊かな人が行くためのスーパーと、中流層が行くスーパー、そしてあまり裕福でない層が行くスーパーがはっきり分かれているということだ。

 

こういうと、「日本にも激安スーパーとか高級スーパーとかがあるではないか」と反論をされそうなものである。

確かにそれはそうだが、しかし筆者の経験ベースでは、アメリカのランク分けは日本のそれより遥かに露骨に「見て取れる」のだ。

 

『ランク分け』の興味深い点

このランク分けについて興味深い点は、「スーパーは沢山あるが、日常的に使う店は人によってほぼ決まっている」ということだ。

例えば普段Walmartに行く人はWhole Foodsには行かないし、逆にいつもWhole Foodsに行く人はWalmartには縁がない。

そしてどこに行くかは、ほぼその人のお財布事情に依存する。

 

例えば筆者の勤務していた事務所では、筆者以外全員が現地スタッフであった。マネージャーが1名、スタッフレベルが3名。同じ会社の同じ事務所ではあるが、マネージャーとスタッフとの間で、普段どこのスーパーに行くか?と聞くとやはり明確に分かれるのだ。

無論、マネージャーとスタッフとで給与レベルに開きがあるから、である。

 

これは筆者の事務所に限ったことではなく、現地に住む人であればほぼ似たような傾向があった(筆者の知りえる限り)。

そういう意味では、日常的に10近いスーパーを使い分けていた筆者はやや異質な存在であったろう。

筆者としては単に「トマトはここが安い」「牛乳はここが旨い」という感じで通い分けていたのだが、これは筆者が異邦人だったから故の奇行だったかもしれない。

 

感じ取れる『ランク』の違い

更にこのランクについて興味深い点は、先述の通りそのランクが「見て取れる」ことだ。

つまりそのスーパーに一歩足を踏み入れれば、その雰囲気からランクがそれとなくわかってくる。

外観や内観、商品の陳列、客層やスタッフ、そして駐車場の様子など。これらはある意味、商品の値札よりも声高にそこのランクを語りかけてくるのだ。

特に客層駐車場はかなり雄弁である。客層については、多くの場合体型や服装および言動がランクを反映する。駐車場は車種がどうこうというより、駐車場にダメージビークルがあるのかないのかでおおよその検討がつく。

 

あとは以前記事にしたが、レジ袋にもその片鱗が見受けられる。これも非常に興味深い。

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人気≠高ランク、お洒落≠高ランク

よく日本人駐在員が好むスーパーとして出てくるTrader Joe's(通称トレジョ)は、実際にお洒落で現地の若者からも支持されている。実際、消費者による満足度ランキングなどでも上位に位置している場合が多い。筆者も時たま利用していた。

しかし筆者の感覚によれば、ここのランクとしては中程度のイメージだった。お洒落で人気であっても、高ランクと言うわけではないということだ。

 

なお、この人気ランキングというのもなかなか興味深い。というのもこの手のランキングには、低ランクなスーパーや、逆に極端に高ランクのスーパーはあまり出てこない。上位に位置するのは大体、中程度のランクのスーパーばかりな印象だ。

 

理由はいくつか考えられるが、要するに食べログの星などとは大分異なるスコアということだ。あちらは評価が高ければ高いほど往々にして超高級店になっていくが、アメリカの高ランクのスーパーはランキングに載りすらしないのだから。

 

海外駐在経験が転職活動に効くであろう理由

 

先日の記事にて

「弊社駐在員の大多数は英語が理解できていない」

TOEICを受けてみると、揃ってみすぼらしい点数を叩き出す」

という事実に触れ、

「中にはできている人もいたが、全員転職してしまった」

という文言を垂れ流した。

 

会社としては結構由々しき事態と感じなくもない。何せここにまた一人、転職をする元駐在員が増えたのだから。

 

 

実際に転職活動を開始したのは7月の終盤からだったが、結局おおよそ2カ月で外資大手からの内定を得るに至った。実際に応募したのは4社(すべて外資)で、1つは景気動向注視による採用フリーズ、残る2社はいずれも最終面接時(選考要素は殆ど無し)を辞退したため、実質的にお見送りをされたケースはなかったとの判断もできる。最終的にサインした書面には現職に比べ、200万円に迫る待遇の向上が記載されていた。これが中国は武漢に端を発したコロナウィルスにかき乱された情勢の中での転職活動であったと考えれば、それなりに上々の転職活動だったのでは、と振り返っている。

 

来週には現職へ退職の連絡を入れる予定であり、恐らくはそこでひと悶着あるとは思うが、次の会社への初出社日は1月頭と余裕を取っているため、大方はどうにかなるだろうと予想している。

 

しかし振り返って考えるに、やはり駐在経験は転職において有利に働くという事は間違いなさそうである。というのも、単純に書類・面接の通過率が上がるのである。転職が書類応募→面接というプロセスを踏む以上は、この通過率を上げる事は内定に直結するだろう、ということだ。

 

 

書類通過率が高くなる

書類審査で重視されるポイントは色々あるだろうが、新卒の場合は大学名・大学院名が重視される傾向が根強い。となると中途採用の場合は、これが現職の企業名になるわけだが、新卒と異なり職歴書を作成する必要がある。これは新卒時に提出する自己PRなどに比べると割と細かく書く必要があり、その経験が稀有で目を引くほど、つまり差別化できているほどプラスに働くわけである。昨今、海外勤務経験のある社会人など珍しくもないと思えるが、それでも就労人口全体に比べれば1%に満たないわけで、絶対数として単純に少ないのである。

転職において、平均的な書類通過率は10%~50%だという。何が”平均”だ、随分と幅があるじゃないか、と感じなくもないが、エージェントによっていう事が違うので仕方がない。ただ筆者の場合、結果だけを見れば外資4社に応募してすべて通過しているわけであり、これは全体から見れば恐らく高い方だ。

 

面接通過率が高くなる

面接は正直、得手不得手が如実に出るプロセスと思うが、新卒・中途を問わず、就職において避けては通れない。筆者は幸いにしてそれほど苦手ではないが、どうしても苦手という御仁もおられるのも事実だろう。ただ、基本的に話す内容と言うのは現職の経験についてが大半なわけである。よって面接と言うプロセスの得手不得手を抜きにしても、話せるネタが多いというのは単純に強い。時たま来るトリッキーな質問も、海外勤務中のトリッキーな経験に比べれば物の数ではないということだ。特に筆者の場合、自分以外は全員ローカルのメンバーであり、訪問していたお客さんもゴリゴリの現地企業で尚且つ新規であったことから、とにかくネタには事欠かなかった。それも虚飾ではなくすべて実際に起こった生々しいイベントであるから、それをいくら深堀りされようが大した問題ではない。

加えて、海外勤務中は日本にいた時よりも権限が大きくなる。日本で勤務していた時よりも環境が整っていない場合も多く、その場合は自分でやる事の幅も(否応なく)広がる。また社長や役員等のクラスの高い役職と如実に距離が近くなった。例えば日本であれば、役員や社長から直電が来ることなど滅多にないが、海外子会社にいるとそういうわけにもいかなくなる。

また、外資系企業の場合は2時面接あたりで海外のFunction Managerあたりとの英語面接があることがしばしばである。もちろん企業にもよるが2時間近い面接になることもあり、当然ここでは一定のレベルの語学力が求められ、それが無ければ全うすることは難しい。面接官が英語圏出身とは限らず、その点でも幅が求められるのである。プレゼンを求められる場合もよくあり、その場で質問に対応する柔軟性も求められるため、中途半端な語学力だと現実的には厳しい。

英語ができたとしても仕事ができることに直結はしないが、

英語ができない=そもそも業務が遂行できない となるケースは現実ではよくある。中途の面接ではそこを見て、採用する価値があるかどうかを判断しているのだろう。

 

 

実際にはもっと多くの側面で海外駐在経験が転職に有利に働くのかもしれないが、筆者が1回目の転職で感じたメリットはこういったところであった。いずれ2回目、3回目の転職で新たに見えてくるところもあるだろうが、それはまたその時に振り返る事ができれば本望である。