モノ魔リスト

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必要ではない。だがよく考えてみると、たしかに必要ではないようだが愛すべきモノたち。

アメリカの有名百貨店とアウトレット店舗一覧を垂れ流してみる

 

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日本でもそうであるように、米国にもやはり数多くの百貨店が存在し、日々しのぎを削っている。そして景気の動向や消費傾向の変化に伴い、業界全体としてやや苦境に立たされている状況も共通している。

例えば高級百貨店として高名な米バーニーズニューヨークが破綻したというニュースは、人によっては記憶に新しいかもしれない。

 

そんな共通点もある中、米国における百貨店事情を漠然と眺めると、日本と少し異なる様相を呈している側面もある。

そのひとつとして、『オフプライスストア』が公然と存在している事がある。

c-fine.jp

 

そのオフプライスストアの形態にも、

1. 百貨店が直々に運営しているタイプ

2. 百貨店とは別の会社が運営しているタイプ

の2つに大別されるようである。

 

1のタイプで有名なのはTJXカンパニーが手掛けるマーシャルズTJマックスであり、2のタイプとして有名なものにはノードストロームが経営するノードストロームラックがある。この辺りについては、既に以前の記事で垂れ流した通りである。

bran-cpain.hatenablog.jp

 

この手のストアは季節に関係なく、年がら年中セール価格で販売している。そして、そのセール価格販売から生み出される売上というのも決して無視できないレベルだそうである。

ノードストロームで言えば、売上全体の約20%ノードストロームラックによるものらしく、決して無視できない割合である。実際、仕事終わりや週末に訪れると結構な混み具合で繁盛しているように見える。老舗百貨店のノードストロームでこの状況なのだから、他の百貨店においても同様の事情だったとしてもおかしくない。

 

 

となると、

どの百貨店が、

それぞれどういった店舗を、

どの程度の規模で展開しているのか、

ということが気になって仕方がないのが偏屈な筆者というものである。

 

よって、本体となる百貨店を黒字

そのアウトレット店舗(オフプライス店舗)を赤字

 

で表記して垂れ流していく事にする。

※なおあくまで『垂れ流す』であって、断じて『まとめる』などという大層なものでは無い。この程度の情報は今の時代、ググればすぐに出てくるような代物なことは筆者とて重々承知である。

 

 

Macy's (メイシーズ)

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創業:1851年、ニューヨーク

店舗数:636 (2019年)

備考:親会社としてMacy's, Inc.が存在する。全体的に手ごろな価格帯のブランドを扱っている、一般庶民向けの百貨店。イメージとしてはスーパーマーケットの延長線上、と言った方が正しいかもしれない。Thanksgiving DayにNYで行われるパレードは非常に有名。

 

Macy's Backstage (メイシーズ バックステージ)

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店舗数:120 (2019年)

備考:Macy'sのオフプライスストア。そもそもMacy'sが高級デパートと言う感じではないので、今回紹介する中ではもっとも安価なものが揃う。値引き額も大きいイメージ。所謂高級ブランド品はあまりない。どのオフプライス店舗よりも展示が大雑把。ワゴンに放りこんでそのまま、といったような様相も珍しくないため、本当に在庫処分と言う感じに見える。

 

Bloomingdale's (ブルーミングデールズ)

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創業:1860年、ニューヨーク

店舗数:38 (2019年)

備考:親会社はMacy's, Inc.で、Macy'sと同じである。Macy'sよりはやや高級な、所謂百貨店らしい百貨店といったところ。立ち位置は恐らくNordstromと似たようなライン。

 

Bloomingdale's Outlet (ブルーミングデールズ アウトレット)

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店舗数:19 (2019年)

備考:残念ながらミシガンにはないため、筆者は未来訪。

 

Nordstrom (ノードストローム)

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創業:1901年、シアトル

店舗数:119 (2019年)

備考:元々はシアトルで創業した靴屋が起源。米国有数の規模の百貨店で、立ち位置はサックスフィフスアヴェニューよりやや下の高級百貨店、といったイメージ。米国の百貨店なのだが、何故か日本語のWikipediaの記述が充実しているのが興味深い。

 

Nordstrom Rack (ノードストローム ラック)

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店舗数:251 (2019年)

備考:百貨店が直接運営するオフプライスストアとしては、最多の出店かつ最も著名と思われる。オフプライスストアは通常ワンフロアなので、出店しやすいという事もあるのかもしれない。もともと靴屋として創業しただけあってか、マグナーニとかフェラガモ、ルブタン等も格安で見られる以前も垂れ流した。

ECサイトにも力を入れている模様で、Nordsrom Rackはウェブサイトも充実している。更にそれとは別にHauteLookというECサイトも持っているが、UIもかなり似ているので、たまにどっちがどっちかわからなくなる。

 

Saks Fifth Avenue (サックスフィフスアベニュー)

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創業:1867年、ニューヨーク

店舗数:46 (2015年)

備考:老舗高級百貨店として有名。立ち位置としてはNordstromよりもう少し上で、Neiman Marcusと競合関係にある模様。筆者の感覚としては、フロアの雰囲気やラインナップも含めて日本の伊勢丹に近いイメージ。

 

Saks Off 5th (サックスオフフィフス)

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店舗数:110 (2015年)

備考:お買い得なブランドももちろん多く置かれているが、いわゆるハイブランドの製品が結構ある。さすがに値引き率はやや辛いものの、プラダの鞄なんかも普通にアウトレット価格で売られている。サングラスの品揃えも多い印象で、定番のレイバンはもちろん、クロエやバルマンといったあまり見かけないものも。また、冬場はカシミヤ製品が結構放出されており、珍しいところではピアチェンツァのマフラーなども見かけた。Nordstrom Rackと同じく、ECサイトにも力を入れている印象。

 

Neiman Marcus (ニーマンマーカス)

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創業:1907年、テキサス

店舗数:43 (2019年)

備考:こちらも高級百貨店として有名で、サックスフィフスアベニューとはライバル関係にあるようだ。Neiman Marcus Group Inc.を親会社としている。サックスがやや重厚感のあるフロアスタイルだとしたら、ニーマンはそれをややお洒落に振った感じ、というのが筆者の安直なイメージ。

 

Neiman Marcus Last Call (ニーマンマーカス ラストコール)

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店舗数:30

備考:ハイエンド性を保つためか、最近になってオフプライス形態の店舗を閉店している模様。競合のSaks同様、ECサイトは充実している。

 

Barneys New York (バーニーズ ニューヨーク)

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創業:1923年、ニューヨーク

店舗数:経営破綻につき閉鎖

備考:こちらも米国を代表する高級百貨店で、サックスやニーマンが主な競合。1996年に一度経営破綻し、2019年にふたたびチャプター11の適用を申請。

経営破綻後も紆余曲折あったが、最終的にはかつての競合相手であるサックスフィフスアヴェニュー内に、ショップインショップとして生まれ変わることになったようである。2019年12月現在、バーニーズニューヨークのURLは自動的にBARNEYS at SAKSというページに転送されるようになっている。

なお日本のバーニーズ・ニューヨークとの間に、直接的な資本関係はない。 

 

Barneys New York Warehouse (バーニーズ ニューヨーク ウェアハウス)

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店舗数:経営破綻につき閉鎖

備考:こちらも2019年12月現在、Barneys WarehouseのページはSaks Off 5thへ転送されるようになっている。

 

Lord & Taylor (ロード&テイラー)

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創業:1826年、ニューヨーク

店舗数:38 (2019年)

備考:米国最古ともいわれる老舗の百貨店。こちらも苦境に立たされており、2019年1月にはNYの旗艦店を閉店し、同年8月にはサンフランシスコの新興企業Le Tote(ル・トート)へ売却されることとなった。このル・トートはアパレルや雑貨のレンタルを手掛ける企業で、アパレル版ネットフリックスとも呼ばれているようである。

ちなみにあのウォルマートでオリジナルブランドが販売されていたりもするが、アウトレット店舗らしい店舗は見当たらなかった。

 

Bergdorf Goodman (バーグドーフ グッドマン)

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創業:1899年、ニューヨーク

店舗数:2 (2019年)

備考:NYに2店舗だけ存在しており、Neiman Marcus Group Inc.の傘下。超高級百貨店として知られ、もはや伊勢丹に似ている似てないとかそういったレベルですらない。フロアは一般的な百貨店より大分狭く、限られた一定の空間の中に高級品が凝縮されているイメージ。客層も見るからに富裕層と思しき諸兄姉ばかり。その店舗数と性質上によるものか、アウトレット店舗は見つけられなかった。

 

 

 

というところで、筆者が立地的にアクセス/認知できた範囲でいっても、これだけの種類・展開数が存在していた。

くどいようだが、これらのアウトレット店舗では年中セール価格で商品が捌かれている。店舗あたりの敷地面積もさすがアメリカサイズであるし、たいがいネットショップも完備している。そして言うまでもないが、これ以外にも米国にはまだまだ百貨店が有り、それに紐づくアウトレット店舗も同じようにあるだろう。

 

 

この状況は、例えるなら伊勢丹や阪急が

伊勢丹格安販売

阪急舞台裏

とかいった類の店舗を都内に建設し、公然と割引商品を捌いているようなものだろうか。

無論、日本でもファミリーセールが行われたりすることはあるが、それは概して『ひっそり』かつ『限定的に』行われるのが普通であって、捌かれる物量を考えれば比較にすらならない。

商売のスタイルが国や地域によって異なる事は想像に難くはないが、ともあれ同じ百貨店ですらここまで違うのは、なかなか興味深いものである。

 

 

世にも奇特な靴専門の博物館【バータ靴博物館】

 

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世の中に数多くの博物館があることは浅学なる筆者も重々承知しており、そしてその多くは特色があり、それぞれ固有の価値を秘めていることも容易に予想がつく。が、筆者は浅学にして愚昧でもあるため、どうにも『特色が強そうに見える博物館』に安易に吸い寄せられる傾向がある。

 

そして今回吸引されてしまったのは、カナダはトロントに存在する『バータ靴博物館』である。

batashoemuseum.ca

 

この博物館、その名の通り靴だけ展示をしているという、やや珍妙な展示形態でそこそこ有名らしい。

ちなみに事務所の同僚に尋ねたところ、

「知らない」

「何だそれ」

と大の評判であった。

 

それはそれとして『バータ』というのは、Bata Limitedなる企業の名である。同社は20か国余りに跨って展開し、従業員数3万人超のグローバル企業として知られる。

www.bata.com

そしてここのオーナー夫人が、スイス系カナダ人にして無類の靴コレクターであり、その個人コレクションが増えすぎて家に入らないので公開しよう、となったそうである。

コレクション総数は13,000点を超えるそうだが、その中から1,000点ほどをコンセプトに合わせて展示しているようだ。展示していない残りの12,000足余はどこにあるのだろうか。

 

筆者も多少の革靴好きであるからして、いかんせんこのような珍物には食指を伸ばさずにはおられない。

ついては既に寒風吹きすさぶ11月のトロントにお伺いした次第である。

 

外観

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やや現代的と言うか、前衛的な形である。イメージは靴箱だとか。

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入口の靴アート。カナダの州花を表現しているとか。

 

エントランス

入場料は大人一人$14。博物館自体はさほど大きくないため、やや高額な印象はある。一方、毎週木曜日17時~20時は$5程度の寄付スタイルをとっているようだ。実質的に無料…とはいかないものの、お得な事には間違いないだろう。

休館日は殆どなく、わずかにクリスマス(12/25)とグッド・フライデー(4/10)のみである。また受付では展示に関するパンフレットがもらえる。

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筆者来訪時には、

地下1階:All About Shoes (常設展) 、クローク

地上1階:受付とギフトショップ、All About Shoesの一部、イベントスペース

地上2階:Art and Innovation および The Gold Standard (いずれも2019年のテーマ展示)

地上3階:WANT (特別展)

となっていた。受付のナイスガイ曰く、地下から上へ巡っていくのが推奨ルートとのこと。期間限定だがイベントも種々行われているようであるから、ご所望の諸兄姉は事前にご検討してみてはいかがだろうか。

 

 

地下1階:All About Shoes

この博物館における常設展示にあたり、古今東西、世界各国の靴が展示されている。文化や宗教や地域、時代もまるで異なる靴が展示されており、4500年の時間を跨ぐ展示だという触れ込みである。

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ヒンディー。

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イスラム。

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インディア。

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こんなこと言っている芸人を前に見たように思う。

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仮にこれが道端に落ちていたとしたら、靴だと思わない気もする。

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道具の展示も。革加工には変わりないので、現代の革加工道具と酷似している。

なるほどなるほど個人のコレクションと言うには明らかに常軌を逸したカバー量である事が伺える。

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ビッグサイズ。

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スモールサイズ。

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お馴染みのアレである。

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こちらはルブタン。

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こっちはブラニク。

ちなみに筆者は利用していないが、地下1階にはクロークが備え付けられている。

完全に無人で鍵もなにもないのが多少気になったが、他の諸兄姉は皆気にせず使っていたようだ。あるいは入場料を高めに設定している分、治安が良いということなのかもしれない。

 

それと、クローク横には靴を試着できるエリアがある。娘さんを連れて来訪された諸兄姉にあっては、滞在時間を通常より長く見ておくと吉かもしれない。

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見たところ女性向けのみである。まあそれもそうか、といったところ。

 

地下1階からは中央から階段が伸びていて、そこから地上1階へ戻れる。

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中央の階段も非常にアートである。

ちなみにその上にも、もう少し展示スペースがある。

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筆者はスニーカーは専門外だが、人気のモデルのようで何人か穴が開くほど見つめていた。

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冷静に観察するとヒールの積み上げがなかなか凄い。

 

地上2階:Art and InnovationおよびThe Gold Standard

いずれも2019年の企画展。

Art and Innovationは主に寒冷地に住まう諸兄姉の、機能的ながらデザイン性のあるシューズが展示されている。シューズだけでなく他の装いも一緒に展示されているので、これはこれでなかなか小気味よい。

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こちらはシベリアらしい。

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一口に寒冷地と言っても、色々とバリエーションがあるようだ。

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アラスカ。

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この辺はEpisode no. あたりが出してきそうな柄だな、とぼんやり思う。

iroquois.jp

The Gold Standardは、その名の通りゴールドつまり金をテーマにした展示らしい。

金塊で造られた靴、みたいなものもあるのかと下世話な想像をしていたが、歴史的あるいは宗教的に金がどのような位置づけだったのか、という解説があったりして、どちらかというここも学術的な側面が強い。

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ゴールドなアディダス。

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地面に直接触れてはいけないとされていたほど高貴な諸兄姉の履物らしい。

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少なくとも二つの意味で、とっても刺激的である。

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日本のぽっくり(下駄の一種)も展示されていた。

 

地上3階:WANT

こちらも2019年の企画展で、人々の欲求(WANT)がもたらした新たな靴時代の到来というコンセプトのようである。所謂不況の時代(世界恐慌)の話であり、20世紀のデザインを眺めることができる。

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現代でも普通に履けそうな靴が増えてくる。

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こちらもかなり現代的。

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ちょっと時代を感じるローラースケート。

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展示品の中で、最もデザイン的にグッときた一足。

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ちなみに吹き抜け構造になっていて、3階から眺めるとこんな感じ。

 

その他雑記

靴のみにフォーカスしたという点ではかなり奇特な博物館のように思えるが、やはり博物館らしく学術的な側面が強い。また収集したのがオーナー夫人であるため、全体的に女性の靴に関する展示が多いように感じた(特にWANT)。

もちろんそれはそれで大変有意義である。が、例えば単に靴の博物館と聞いて

グッドイヤーウェルトの成り立ちや構造が…

木型の作り方が…

マシンメイドの勃興期の逸話が…

等々の話が見られるのかな?と思われる諸兄姉に対しては、残念ながらNOと言わざるを得ない。そのあたりの事柄に関しては、この博物館はあまり適任ではないのである。

また、所謂ラグジュアリーブランドの靴がずらりと並んでいるわけでもないため、その手の眼福を求められている諸兄姉についても、それほどお勧めできるわけではない。ただ昨年はWANTの代わりにマノロ・ブラニク展をやっていたようなので、企画展の内容によっては高価な靴も見られるかもしれない。

 

ちなみにバータ『靴』博物館ではあるが、靴の購入はできないようだ。

1階受付の脇にこじんまりとしたギフトショップはあるものの、靴に関連したアート的な作品が殆どで靴そのものは置いていないのである。

ただ、STOLEN RICHES(ストーレンリッチズ)というカナダ企業の靴紐は置いてあった。

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出展:Stolen Riches

 

これがなかなかどうして非常に色鮮やかなもので、筆者も1本欲しくなった。ただ残念ながら手持ちの靴とは長さが大分合わず、すんでのところで踏みとどまってしまった。

 

【ノードストロームラック】トリーバーチやマグナーニもお手頃な格安ブランドストア

この全米堂々第14位のGDPを誇るミシガンに限らず、米国ではオフプライスストアと言うものをよく見かける。

 

このオフプライスストア、いわゆる一般的なアウトレットとは異なり、様々なジャンル・ブランドの商品の中から、恐らく廃番商品過剰在庫、はたまた返品されたもの等を大量に仕入れ、常時安値で捌いていくスタイルの店舗である。

 

日本においてもファミリーセール等で似たような試みがあるが、オフプライスストアは常設で、誰でも入場可能で、しかも値引き率もかなり高い。

例えば日本でオンワードグループファミリーセールに足を運んだ事があるが、全体的な値引き率に関しては、米国のオフプライスストアの方が高かった印象である。

 

 

そんなオフプライスストアだが、基本的にあちこちどこへでも出店している。

以前紹介した通りアウトレットの中にあることもあれば、普通に車道の脇にあったりする。

 

 

この手のオフプライスストアでもとりわけ米国で有名なのが、

 

Marshalls (マーシャルズ)

T.J.Maxx (ティージェイマックス)

 

の2つである。

 

いずれの店舗も同じTJX Companiesによって展開されており、例えばミシガン近郊で見てみれば両業種合わせて結構な店舗数である。

 

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Marshallsはデトロイト近郊で13店舗。

 

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T.J.Maxxは似たような範囲で16店舗。

実際のところ、筆者のアパートのほど近くにもマーシャルズがあるため、たまに何か良いものがないかと眺めることがあるほどである。

 

 

 

ところでこの2つ、いずれも服や靴や鞄、家具に化粧品にキッチン用品、あるいは玩具や食品といったもの展開しているのだが、元の会社が同じだからか展開ブランドには結構被りがある。

 

例えば男性物の服であれば、Calvin Klein (カルバンクライン) とかTommy Filfiger (トミーフィルフィガー) 等をよく見かけるし、

女性物の鞄ゾーンに大量に吊るされたものを見れば、Michael Kors (マイケルコース)Marc Jacobs (マークジェイコブス) といったあたりを散見する。

あるいは旅行鞄であれば、Samsonite (サムソナイト) はどの店舗でも必ずおいてある印象である。

 

この手のブランドがお値打ちで手に入る、ということであるからそれなりに人気があり、わけても日本人駐在員などからはよく勧められる。

しかし最近になって現地のスタッフにそれとなく尋ねたところ、

 

「うぬは行くのか。我はあまり行かぬ。」

 

という回答が返ってきた。

して、それは何故かと問えば、

 

「何やら小粋でない」

 

という事らしい。

 

では何やら小粋なオフプライスストアとは?と問えば、

 

「Nordstrom Rack (ノードストロームラック) ではないか。」

 

との回答があり、ここにおいて本題のノードストロームラックが飛び込んできたわけである。

 

 

NordStrom Rack

www.nordstromrack.com

このノードストロームラック、名前の通りNordstrom (全米有数の百貨店チェーン) によって運営されており、そのうちの売り上げの5分の1ほどを占めているというから、結構な存在感があるのだろう。

 

 

して、焦点はどこが何やらなのかという事であるが、

端的に言えば恐らく、それは取り扱いブランドの差である。

更に詳らかに表現すれば、

 

ちょっぴりリッチなブランドがおいてある

 

ということであろう。

 

 

 

例えば男性物の服であれば、カルバンクラインやトミーフィルフィガー等に加えて、

 

TED BAKER (テッドベイカー)

Original Penguin (オリジナルペンギン)

7 for All Mankind (セブンフォーオールマンカインド)

HUGO BOSS (ヒューゴボス)

Woolrich (ウールリッチ)

Peter Millar (ピーターミラー)

Burberry (バーバリー)

 

といった面々を見ることができる。また、百貨店ベースだからかスーツ等の比較的かっちりした衣類も結構そろっているようである。

 

 

更に靴で言うならば、コールハーンなどはマーシャルズでもよく見るが、それらに加えて

 

UGG (アグ)

Dr. Martens (ドクターマーチン)

Allen Edmonds (アレンエドモンズ)

Florsheim (フローシャイム)

MAGNANNI (マグナーニ)

 

あたりが所狭しと並んでいる。

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ちょっと驚いたのが、スペインのマグナーニが普通に沢山置いてある事である。

このマグナーニ、日本で普通に買うと5, 6万円ほどすることは見識の筆者ですら知っているが、しかしここではゆうに2万円を切いる。

 

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靴の並びの中に無造作に放り込まれており、サイズにもよるが結構数もある。

 

更に現地スタッフによれば、SANTONI (サントーニ) も普通に置いてあるらしい。

マグナーニと同じく、値段は200ドルを切るということであるからして、サイズさえ合えばまさしく適品と言えるだろう。

 

ところでマグナーニサントーニのアウトレット言えば、お台場はVenusFort

LESPACE de SHOES STOCK

www.venusfort.co.jp

の名前がよく挙がるように思うが、あちらが日本価格から〇〇%オフなのに対し、こちらは米国価格から〇〇%オフという考え方である。

関税の関係もあって元々の価格は日本の方がひとまわり高いので、同じ割引率だったとしてもこちらの方が安い上、その値引き率自体も全体的にこちらの方が高いので、最終的な価格はNordstrom Rackに軍配が上がる。

 

 

 

ただ靴の注意点としては、

 

・やたらサイズが大きい (レギュラーサイズとしてUS9~US14、数は少ないが最大でUS20くらいまであるらしい) こと

・ガンガン試着していいシステムなので、完品ではない場合が多い (履き皴等)

・革底が殆ど置いていないこと (ノードストロームラックに限って話ではないが)

 

といったところであろうか。

 

どのブランドもざらに50%オフはされているので、たとえばもともとが安いマーチン等は余裕をもって1万円を切ってくる。

 

 

ちなみにレディースの方に関しては、更にもうちょっとリッチな物、例えば

 

Salvatore Ferragamo (サルヴァトーレフェラガモ)

Dolce&Gabbana (ドルチェアンドガッバーナ)

Christian Louboutin (クリスチャンルブタン)

 

と言った面々が出ている事もあるようだ。

 

 

一方で鞄は

 

Tory Burch (トリーバーチ)

Kate Spade (ケイトスペード)

Marc Jacobs (マークジェイコブス)

 

といったいわゆる大衆ブランドが殆どの模様である。

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レディースの鞄コーナー。常時ワゴンセールと言った風体だろうか。

筆者の見た限りでは特にトリーバーチが所狭しと並べられており、どれもこれも半値以下になっていた。$200以上の物は見なかったので、日本の価格と比べるとかなりお値打ちなのではと思う。

 

 

マーシャルズ等と同様、トランクケースのコーナーもしっかりとある。

あちらでよく見かけるサムソナイトに加えて、こちらではTUMIもラインナップされているようである。

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ネイビーの色味が独特で小気味よい。渡米時にトランクを破損してしまったので、帰任の際にはひとつ見繕う予定である。

 

 



また、このNordStrom Rackがもう一つ何やら小粋な点として、店舗数が少なめということがあるだろう。

先ほどのマーシャルズやTJマックスと同じ範囲で見ると、下記のようである。

 

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SomersetはNordstrom "Rack"ではないので、この範囲で2つしかRack店舗はない。

 

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Troyの店舗。オフプライスストアとはいえ、マーシャルズ等と比べるとやや小綺麗な印象。

 

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Noviの店舗。品揃えはTroyとあまり変わらない印象。Noviは日本人居住区なので、日本の御仁を散見する。

 

 

 

ともあれマーシャルズやTJマックスに比べ、ややプレミア感のある品揃え&店舗数。

値引き率も全体的に結構高く、50%~70%オフはざらにある。

 

質やデザインの良いブランド物を安く手に入れたいが、マーシャルズは何となく物足りないし、他人と被ってしまう確率が高いから避けたい。

 

といったような意向の諸兄姉に支持され、今後もちょっと小粋なオフプライスストアとして君臨していくのだろうか、と愚考した次第である。

 

Raretsu

 

ビジネスカジュアルとは一体何か? - 米国赴任準備に潜む恐るべき伏兵

 

アメリカはミシガンへ赴任する少し前、現地の営業&人事マネージャーと電話会議による面接をしたことを思い出す。

 

 

そこでは仕事に関する内容はもとより、カジュアルな内容もやり取りされたわけであるが、その中で『服装に関する規定』について話が及んだのをよく覚えている。

 

筆者が

 

「米国の服装規定はどうなっているのか?」

 

と尋ねると、

 

「こっちには制服みたいなものはないから、Business Casualでよろしく。それと、客先用にスーツは必要だから何着か持ってきたほうがいいね。」

 

「あと金曜日はJeans Dayといって、ジーンズで出勤してOKだ。まあ変えるのが面倒だったら、いつも通りBusiness Casualでもいいけどね。」

 

との回答を得たわけである。

 

 

 

つまるところ、筆者は渡米にあたり

Business Casualな格好

を最低限用意する必要が出てきたわけである。

 

 

 

 

では、Business Casualとは一体どんなものか。

『敵を知り己を知れば百戦殆うからず』という語句は今時未就学児でも諳んじるほどだそうだし、であればまずは敵情視察としゃれこむべきだ、と筆者は愚考するに至った。

 

 

まずはいつも通りDr. Google

『ビジネスカジュアル』

と検索してみると、このような有用な画像が見つかった。

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出典:Collection

 

多少幅はあるが、基本的にはジャケパンスタイルを指すもののようだ。

 

 

 

ところで筆者が赴く地はアメリカであるが、アメリカと一口に言っても地域性が色々とあるらしい。

なんでも『東海岸から西海岸へ行くにつれてスーツを着る人が減る』という噂もあるとかいう話である。

 

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筆者が赴任するのはミシガン、即ちどちらかというと東海岸に近い方である。

ならば『ややコンサバ気味なビジネスカジュアル』が好ましいという事だろうか。

 

 

 これを踏まえ、赴任に揃えていくつかの対策アイテムを持っていくことに決めたわけである。

 

 

 

 

赴任前の対策

 

まずはシャツだが、無難にセミスプレッドからセミワイドくらいのカラーの、ソリッドあるいは柄の主張の強くないものを選択。

アイロンを丹念にかけるのも面倒なので、適当にイージーケアのものをまとめて購入した。

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パンツに関しては、ひとまず無難にグレーベージュ、それにネイビーを選択。

これに加えてスーツのパンツもあるからして、最悪現地で困ったとしても、ある程度の誤魔化しは効くだろうと踏んだわけである。

ベルトはスーツ用にセリエを1本だけ持参し、残りは現地調達とした。

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次にジャケットだが、ひとまずネイビーブラウンを持参。

最悪スーツのジャケットでお茶を濁してもいいし、これも現地調達が可能だ。

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加えて客先訪問用のスーツが必要である。

赴任時期に合わせ、新たにチャコールグレーで仕立ててもらうことにし、既に持っているネイビーと合わせて都合2着を持っていくことに決めた。

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ネクタイも柄がそれほど強くないものを3本。

ネクタイピンは元々使っている衣飾屋のもの。レンチが特にお気に入りである。

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は多少迷ったものの、最終的に「米国だし多少は遊んでも許されるだろう」根拠不明の持論が鎌首をもたげ、最も数の多い茶系をメインに持参。

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以前の記事でも言及したが、筆者は私服でも基本革靴オンリー(運動する時はもちろん運動用のシューズを履くが)のため色々混ざっているが、何とかなるだろうと憶測。折角なので米国発祥とされるタッセルローファーも持っていくことにした。

 

 

 

セーターはややきわどいが、ネクタイさえ締めていれば一応ビジネスカジュアルの範疇に収まるらしい。

よって、柄を控えたソリッドなものをいくつか持参。

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時計に関しては、とりあえず左の2つなら大丈夫だろう。右端は週末に着用すれば良い。

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はこの記事で垂れ流している通り、ずぼらの救世主たるこれで解決である。

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これらを組み合わせ、下記のようなスタイルでの通勤を想定。

少なくとも週5日着回せれば、当面のところはなんとかなる。

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とはいえこのスタイルをもってしても、

「なんだそれは?どこがBusiness Casualだ!出直してこい!」

と言われてしまう可能性もないではない。

だがその場合は、当座スーツ通勤でやり過ごさせてもらおうという魂胆である。

 

完璧とは言えないまでも、渡米前対策としては上々ではなかろうか。

 

そんな感慨を胸に抱きながら、この筆者はデルタ航空の直行便に飛び乗ったわけである。

 

 

 

 

 

赴任後の状況

 

デルタ航空の直行便から米国の地に降り立ち、現地に初出社した筆者。

 

その筆者が月曜日の朝に目の当たりにしたのは、

 

 

 

ピンクの柄シャツを着用するマネージャーであり、

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アリ?





ビビッドなカモフラ柄セーター白スニーカーを合わせた男性スタッフであり、

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まずいのでは?





 

ライダースジャケットヒョウ柄のインナー着こなす女性スタッフであった。

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ええー…。



 

 

 

原因と反省

筆者はどこで道を違えていたのか。

まず最初のしくじりポイントは、『ビジネスカジュアル』と検索してしまったことである。

というのも、現地のマネージャーは『ビジネスカジュアル』とは一言も言葉を発していないのだ。

彼は、『Business Casual』と言ったのである。

 

 

ということで今一度『Business Casual』と検索してみると、このような有用な画像を発見した。

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出典:Business Insider

 

この時点でジャケパンではなく、ネクタイも必須ではなく、ついでに柄物のニットもOKという事がわかる。

また更に調べていくと、そもそも個々の定義にもかなり幅がある事がわかる。

いずれにせよ、『ビジネスカジュアル』と検索した時よりも、よりカジュアルよりな印象を受ける。

 

 

 

次のしくじりポイントは、『そこは日本ではない』という認識が足りなかったことだ。

そもそもが曖昧な定義である『Business Casual』であるわけだが、

その概念を日本で適用した場合米国で適用した場合とで、

導き出される結果が大きく変わってくる。

 

つまり、

 

客先訪問時にはスーツを着てネクタイをきちんと締めるのが当たり前の日本と、

客先訪問時でもネクタイどころかジャケットすら着ないのが普通なアメリカでは、

 

『曖昧が許す範囲』すら変わってくるということである。

 

スーツに関して言うにしても、顧客によっては『スーツを嫌う』ところもあるので、着ること自体滅多にない。仮に着る場合でも、ネクタイはまず締めない。これは日本においてはあまりないと言えるだろう。

 

 

こうして、

 

現地の状況に全く合わない服装をしこたま携えた筆者

 

がここミシガンに推参するに至ったわけである。

 

 

 

正しい『傾向と対策』の立て方

では本来、こういった自体を避けるために何を為すべきであったのか。

まず取れる対策として、マネージャーが『Business Casual』だと言った時、

具体的には?

例えば今日はどんな格好してる?

色は?

形は?

といったことを訊ねておくべきだったのだろう。

ときには物事の仔細に立ち入ることによって、悲しい勘違いを避けることができる。

 

あるいは

「アメリカ的な服装に溶け込みたいから、参考にスタッフの格好か何か見せてもらえないか?」

とでも聞けば良かったかもしれない。

 

写真というやつは結構雄弁で、一瞥しただけで何となく感覚というのが掴めたりする。

最近聞いた例としては、スケール付きの空撮写真で人数を把握するという方法があるらしい。例えばデモ等の参加人数に関して、主催者側と警察側の発表値が著しくかけ離れている事が往々にしてあるそうだが、そういう時に使えばどちらが嘘をついているかが凡そわかるという方法があるらしい。

初めて聞いた時はなるほどと思ったものだが、そういう意味で一枚でも写真を見せてもらったならば、現地の感覚が分かったかもしれない。

 

 

ちなみに金曜日=Jeans Dayについて、筆者は単純にジーンズを穿いてきてOKな日という認識でいたが、これもどうも違ったらしく、実際には

『何でもOKな日』ということらしい。

 

いかなジーンズデイとはいえ、事務所のマネージャーが

 

明らかに特定の野球チームを意味するウェア(しっかり野球帽も着用)

 

で出勤してきたときは流石に仰天したものだが、

 

「どうしたんだ?落ち着けよ!今日は金曜日だろ?」

 

当の本人に冷静に言われてしまったのだから、もはや何も言うことはない。

 

 

 

 

結局のところ、『Business Casual』を事前に正しく捉えるには

 

・定義が極めて曖昧なことを知っておく

・現地の状況を具体的に確認しておく

 

この2つを押さえておく必要があるかもしれない。

 

 

 

 

ちなみに、『私服』のつもりで持ってきたこの辺のアイテムたちだが、今では『Business Casual』として平日に大活躍している。

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ちなみにこのセーター、何故か最も評判が良い。

 

Raretsu

 

【バーチ・ラン・プレミアムアウトレット】あの全米14位GDPのミシガンで最大疑惑のアウトレット

 

こと「全米」と聞くと、脊髄反射のごとく『震撼』とか『泣いた』とか『ナンバーワン』とかのワードを後ろにつけたくなるのは陰険な筆者に限った話であろうが、そんな全米において堂々14番目のGDP(2018年名目GDP)を誇るのが、かのMI、すなわちMichigan(ミシガン)州である。

 

 

このミシガン州、そのGDPもさることながら人口で見ても10番目(2015年)、面積で見たならば11番目、更に州都はあのLansingである。

かような情報を踏まえたならば、このミシガンが全米においても1,2を争うほどに重要な立ち位置にあると断言して然るべきと言うのも、強ち過言かもしれない。

 

 

 

そんなミシガンにおいて最も大きな規模を誇るアウトレットが—

 …などと供述した導入にて、先日ミシガン最大のアウトレットたるグレートレイクスアウトレットを生意気にも紹介した。

bran-cpain.hatenablog.jp

 

  

 

ところが。

とある日の帰りがけ、この地に20年以上住む事務所のマネージャーに

 

”グレートレイクスって、ミシガンで一番でかいアウトレットだよね?”

 

と訊けば、

 

”大きさで言ったらバーチランじゃないか?”

 

即答したではないか。

 

 

 

 

 

 

なんとしたことか。

ブログに、虚偽の記載をしてしまった。

 

 

↓↓↓虚偽の内容を含んだ疑いのある記事↓↓↓

bran-cpain.hatenablog.jp↑↑↑偽りを孕んだ可能性のある記事↑↑↑

 

 

仮にもブログを書くものとして、このような初歩的な誤りを犯すとは。

意図したものではなかったとはいえその所業、まさに万死に値する。

深くお詫びするとともに、今後二度と過ちを犯さぬよう、ここに一切の筆を投げ捨てることにする。

 

Raretsu

 

 

 

 

 

 

 

 

といった逡巡を多少は抱いたのだが、実際赴いてみると今回のバーチランアウトレット

「Largest」

「Biggest」

といった表現が見られなかったのである。

隙あらば「Largest」と書くグレートレイクスを先に訪れてしまったならば、あれを最大と認識しても仕方がないのではないか、と自己弁明に暇がない筆者がここにいるわけだ。

 

そもそも思い返せば、ここはただのブログではない。

史上稀にみるほどの辺境ブログである。

よってどこが最大とかいった情報は、他の信用に足るブログ様に任せることにしたい。

 

 

 

 

そんなわけで、ミシガン最大とされる

Birch Run Premium Outlet (バーチ・ラン・プレミアムアウトレット)

について垂れ流していきたい次第である。

www.premiumoutlets.com

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当然であるがこのバーチランアウトレット、されるだけあってかなり大きい。

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どうやら、おおよそ120程度のショップが軒を連ねているようだ。

ちなみにどちらが大きいかで揉めているかもしれない、あのグレートレイクスアウトレットとの最大の違いは、あちらは屋内、こちらは屋外アウトレットということである。

 

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例によって巨大なので、その全容は収められない。

 

日本でも屋外のアウトレットは存在するが、米国の場合はそのサイズがやたらと大きいためか、店舗間を車で移動するのが主流のようだ。

よって、どの店舗の前にも広大すぎるほどの駐車スペースが完備されている。

 

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とはいえ、歩いてまわるのが絶対に不可能というわけではない。

 

実際、気になる店舗をいくつか見て回りながらざっと回ったところ、2時間ほどで一応回る事が出来た。

筆者がそもそもアウトレットに興味がないという事もあるかもしれないが、何にせよ距離的には不可能ではないということである。

ただ現地人であると思わしき諸兄姉はいずれも、基本的に車でそれぞれの店舗をはしごしているように見受けられた。

察するに筆者のように何となく全体を見るというわけではなく、もともと目当ての物が決まっているのだろう。

 

 

 

目当ての物と言えば、前回のグレートレイクスでも極めて見識の狭い筆者の独断と偏見によっていくらかの店舗を取り上げた記憶がある。

このバーチランアウトレットも十分以上に多くの店舗を持っているからして、この度も同様の形式に進んで甘んじたいと考えるが、今回は更に筆者の偏執的な趣向を凝らしたセレクトになっていることを、事前にお詫び申し上げる。

 

筆者の偏執的な趣向を凝らした考察の垂れ流し

アパレル編

靴・鞄編

その他

結局どちらが大きいのか編

 

 

 

アパレル編

基本的な傾向として、米国のアウトレットでは衣料品がかなり安くなるようだ。

これはグレートレイクスバーチランも、その他のアウトレットでも同様である。

どこも体感で50%~60%くらいになっている印象で、更にクリアランスセールのゾーンが置かれている場合もあり、その手のゾーンは70%超の値引きがされている事もしばしばである。

日本でも有名なところでいえば、アメリカンイーグルトミーフィルフィガー等さまざま存在するが、これらはグレートレイクスアウトレットにも存在する。

よって衣料品に関しては、グレートレイクスにはなかった2店舗だけにとどめておきたい。

  

THE NORTH FACE (ザ ノースフェイス)

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アメリカ合衆国発のアウトドア衣料品を扱うショップである。

おおよそのものが60%オフ、一部はそれよりもさらに安くなるようである。グレートレイクスには同店舗がないため、これを目当てに来る諸兄姉もいると聞く。

 

 

OLD NAVY (オールドネイビー)

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GAPの傘下に位置するOLD NAVY。どこか既視感があるような気がしたものだが、どうやら2016年を最後に日本からは撤退しているようである。米国へ訪れた記念として購入意欲を狩られる諸兄姉もおられるだろうか。

 

 

 

靴・鞄編

 

G.H. Bass (ジーエイチバス)

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G.H. Bassのペニーローファーと言っても泣く子は黙らず泣き続けるかもしれないが、所謂ローファーの元祖としてその名を轟かせているのもまた事実ではないだろうか。

陰険な筆者は米国の靴にさしたる共感は覚えないのでさほど詳しくはないが、しかし日本に比べると安価であることはかろうじて理解できた。

 

所謂代表的なペニーローファーを日本で買った場合、概ね\20,000ほどするようである。

対してこのアウトレットでは、$145から更に40%オフ(カラーによっては50%オフ)といった様相であった。為替相場にもよるが、大体日本の半値になるようだ。

ただしサイズだけは要注意で、USサイズでいうと10以上が大半である。89といったものは殆ど残っていないようだった。恐らく女性用についても同様の値引きが為されており、サイズが大きめなのも同様だろう。

 

 

Samsonite (サムソナイト)

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グレートレイクスにもある、人気の鞄ブランド。値引きの仕方もほぼあちらと同じで、基本的には40%オフ~60%オフが主流のようだ。一部ワゴンセール(といってもサイズ的にワゴンには入らないが)のようなものあり、その場合は70%近く値引きされるものもあるようである。

ちなみにバーチランにはTUMIはないため、そちらが目当ての場合はグレートレイクスアウトレットがおすすめである。

 

 

COACH (コーチ) ・ COACH MEN (コーチ メン)

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こちらもアメリカ合衆国発の人気皮革製品メーカーである。

実はこれまではアウトレットを訪れても、コーチには全く気を払っていなかったのだが、今回何となく拝見したところ、その値引き率の高さに驚愕した。

 

確認した限りでは、店内の殆どの製品が表示価格から70%オフというものだった。

例えば$600のレザーリュックであれば$180となるわけである。更に一部の製品はそこから更にタイムセールで20%オフ、すなわち最終的に86%オフという有様であった。

 

ところがこの現実は、筆者には俄かには受け入れがたいものであった。

仮にも皮革製品であるならば、そんな大きな値下げはできない

というのが愚昧なる筆者の見立てであるからである。

 

そんな筆者であるから、

 

”ははあ。これはこれは。これらの値札から更に70%オフということではなく、この値札自体が、既に70%の値引きが実行された価格、という意味であるかな?”

 

したり顔でスタッフに探りを入れたわけだが、

 

”その方、除算もできぬ愚昧か。値札を読み取り、7割引きを自ずから実行せよ。さすれば最終値を得られん。”

 

即答されてしまった。

愚昧であることも見抜かれたのだから、これはもう素直に退散するほかない。

 

 

しかしそれだけ安いとあれば、筆者がこの手のややこしい鞄偏愛する者でなかったならば購入に踏み切っていたであろうに。

つくづく自らの偏屈さが口惜しいと言わざるをえない。

 

 

 

その他

 

BOSE (ボーズ)

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こちらもグレートレイクスと被るが、人気のBOSEである。

あちらの記事でも触れたが、BOSEは最もアウトレット感のある店舗といっても良いかもしれない。

服や靴等に比べると値引き率はやや辛いものの、$300$250になっていたり、あるいは$250$150になっていたり、と思いきや完全に定価だったりと様々である。

 

そしてこのからくりをスタッフに尋ねたところによれば、値引きされているのは所謂

『リファービッシュ品』

ということらしい。性能・保証期間は普通の物と同じだという触れ込みである。

リファービッシュ品の在庫があるものは値引きし、そうでないものは定価販売という様式のようで、したがって例えば同じ製品でも、リファービッシュされているブラックは安く、普通の新品であるオレンジは定価、といった事が起こり得るのである。

 

 

LE CREUSET (ル クルーゼ)

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グレートレイクスにも店舗のあった、フランス発のお洒落なキッチンウェアブランドである。

グレートレイクスで拝見した時にはあまり値引きがされていない印象だったが、こちらではテーブルごとに30%オフ50%オフといった形で展開されているようだった。

売り場面積があちらよりも広いので、品数が単純に多い事もプラスに働いているのかもしれない。

ルクルーゼといえばカラフルなホーロー鍋が人気だが、ちらほら30%オフや50%オフのテーブルにもあったことから、それなりに値引きはされているのだろう。

 

しかし陰険な筆者の目を引いたのはそれらの鍋ではなく、同社のシェフナイフである。

調べた限り、日本の価格ではどうやら\15,000ほどの価格のようである。 

 

が、バーチランの店舗では$70ほどまで落ちていた。

見たところ鋼材は武生特殊鋼材のV金10のようであるから実用に支障はないであろうし、そのお洒落さも相まってか、陰険な筆者ですら多少購買欲を掻き立てられたほどである。

 

”ルクルーゼに行ったならホーロー鍋の値段を見て来いよ役立たずが”

とご指摘の諸兄姉がおられたならば、素直に謝罪するほかにあるまいが。

 

 

 WILLIAMS-SONOMA (ウィリアムスソノマ)

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浅学なる筆者は寡聞にして存じ上げなかったが、このウィリアムスソノマ、キッチン用品などを扱うアメリカの小売店という事である。

 

初めて訪れたわけであるが、比較的ハイレンジの品揃えのようである。

例えば先述のルクルーゼも扱っていたため、同社のホーロー鍋が欲しい諸兄姉はどちらもチェック対象となりえるかもしれない。

衣料品ほどではないが結構値引き率の高いものも多く、分布は20%オフ~70%オフといった具合である。

ちなみにネスプレッソがかなり置かれていたが、一律で20%オフのようだった。

 

他にもやたらとお洒落なものが多いので、眺めているだけでも何やらこそばゆく感じられてしまうのは偏屈な筆者だけであろう。

 

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クリアランスの棚もある。もともとはハイレンジの品なのだろうが、埃をかぶっているのだから本当にクリアランスなのだろう。

 

 

 

とはいえ陰険かつ偏屈な筆者としては、こちらが気になった。

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日本ではあまり聞かないように思うが、SMEG (スメッグ) なるイタリアの家電メーカーという。

なんとなくデロンギデディカに似たような風貌だが、こちらの方がやや丸みがあって可憐なようで、意外や意外に視線を奪われたものである。

 

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とはいえ、デディカも決して悪いデザインではない。

 

ちなみにこちらのSMEG、日本で買うと10万の大台を超えてしまう事もあるようだ。

一方で、このウィリアムズソノマならば$449から更に20%オフである。

何ともお得ではないか。買う必要があるかどうかは全く別ではあるが。

 

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ちなみにSMEGの隣には、どこかで見た事のある杖が$12でひっそりと売りに出されていた。

 

 

結局どちらが大きいのか編

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意外とあまり目立たない目印。

 

冒頭でもソフトに触れたが、結局どちらが大きいのかという事については

偏屈な筆者のいい加減な体感として、

 

店舗数で見れば

グレートレイクス>バーチラン

 

敷地総面積で見れば

バーチラン>グレートレイクス

 

という認識でよいのではなかろうか、と憶測する。

個人的には店舗数が多く、何よりLargestを前面に推しているグレートレイクスの方が適任のように思えるが、捉え方は人それぞれなのでこのあたりで匙を投げておく。

 

その証拠として、今回の題名を

 

ミシガン最大「疑惑」のアウトレット

 

とすることで、丸く収めたつもりでいたい筆者である。

 

 

 Raretsu