モノ魔リスト

モノ魔リスト

必要ではない。だがよく考えてみると、たしかに必要ではないようだが愛すべきモノたち。

店員に見間違われるための夏ファッション指南【ミシガン在住男性向け】

この記事はとても5分では読めません。

 

この題名をご覧になった諸兄姉の中に、

 

 

 

『この筆者は頭が本格的にどうかしている』

 

あるいは、

 

『このたわけは一体何を言っているんだ』

 

もしくは、

 

『このうつけが!ブログを何だと思っている!』

 

 

 

との感覚をお持ちになった方はおられるだろうか。

 

 

もしそんな諸兄姉がおられたとすれば、

 

畏れながら、

 

無礼を承知で、

 

このように申し上げたい。

 

 

 

 

 

その感覚は圧倒的に正しい。

 

 

 

何せ筆者自身、

 

自身の頭はどこかどうにかなってしまっている自覚があるし、

何を言っているのか自分自身でも全くつじつまが合わぬし、

ブログを馬鹿にしていると思われても仕方がないと覚悟はしている次第だ。

 

 

 

 

わけても胸に刺さるは、最後の指摘である。

 

 

翻って考えるに、ブログとは何かしら有用な含意を持つべきであると筆者は夢想する。

というのも筆者は普段、はてなブログのトップページからログインをするわけだが、そのトップページにはいくつかのおすすめ記事が表示されている。

 

 

 

編集時の今もふと目をやると、

 

『昨今の国際情勢に関する意見・考察』

『新書に関する辛口書評』

『そもそも、デザインとは何か?』

『タピオカミルクティーがブームです』

『虎屋の羊羹』

 

 

等々。

その題名からして、明らかに有用であると察せられる記事が揃い踏みだ。

いかに辺境ブログとはいえ、やはり筆者としてもこれらのように含蓄に富んだ何かを書き上げてみたいものである。

 

 

 

しかし実際、わが身を顧みればどうだろうか。

 

海外にいながらも国際情勢にはどうにも疎いし、

このところ新書は読んでいないし、

デザインのいろはを知らぬ愚鈍であるし、

タピオカミルクティーも滅多に飲む機会がない。

 

 

虎屋の羊羹に至っては、筆者の逼迫した懐事情がそれを断固として許さない。

 

f:id:Raretsu:20190910072555j:plain

写真は筆者に許される羊羹である。6個セットでおよそ4ドル。ミシガン在住の日本人なら誰もが知る、あのOne World (通称ワンワだそうだ) で購入可能。

 

 

含意に富む記事を書く機会も、文才もない。

その厳然たる事実にある種の絶望感を覚えつつも、しかしさらにページをスクロールした、その先には。

 

 

 

はてなブログ運営より与えられし、まさに天啓にも等しい御言葉があるではないか。

 

f:id:Raretsu:20190910072927p:plain

まさしく天啓である。

 

 

つまり、おすすめ記事にあるような有用な記事が書けないならば、はてなブログ運営のおすすめに従って書いてみよう、というアプローチが残されているという事である。

 

 

今週のお題に設定されているほどであるし、恐らくこれは求められているトピックなのだろう。

何より、ミシガンの短い夏は既に終わりを告げ、昨今は朝方に秋の冷え込みを感じるほどだ。

短い夏を振り返るには絶好の機会とすら感じる。

 

 

 

 

そうして筆者の今年の夏を振り返ってみると、

 

様々な場所で、

 

方々で、頻繁に、

 

 

 

 

店員だと勘違いされた。

 

 

 

 

 

誓って言うが、筆者は純粋に日本生まれにして日本育ちの日本人である。

よって、別に見た目がハーフのように彫りが深いわけでもない。

 

育ってきた環境も極めてドメスティックであるからして、挙動も至って日本人らしい(はずだ)

 

上背があるわけでもなく、はたまた体を鍛えているわけでも、太っているわけでもない。

 

多くの米国人からすれば、『小柄な日本人』以外の何者でもないだろうし、

あるいは日本の女子高生に喩えさせれば『おっさん』以外の何者でもないだろう。

 

 

 

実際、昨年の夏は日本で過ごしていたわけだが、店員に間違われるような事は全くなかった。

そもそも昨年に限らずとも、店員に間違われたこと自体ほぼない。

 

 

 

ところが今年、ミシガンの夏はどうか。

 

 

スーパーマーケットでも、土産物屋でも、果てはカジノ内ですらも、

 

「あなたここで働いている人?〇〇探してるんだけど。」

 

と問われたものだ。

 

 

 

特に先日記事で触れたアンティークショップなどは傑作で、1時間かそこいらの滞在時間に3回も尋ねられたほどだ。

bran-cpain.hatenablog.jp

 

それも向かいの廊下に、明らかに店員と思しきカウボーイ風の格好をした壮年男性がいるにも関わらず、である。

 

そういえばカナダのカジノでもスロットの位置を複数回聞かれた気がするが、思い返せばあれも店員だと思われていたのかもしれない。

 

 

 

 

間違われ始めた当初こそ、

「米国に住んでいる人は、店内で視界に入った人を店員認定しがちなのだろう」

 

などと根拠のない筆者お得意の憶測を立てていたものだが、先のアンティークショップ内3回店員認定事件を経て、ここにおいて愚鈍なる筆者もさすがに違和感を感じたわけである。

 

 

これはちょっと変なのではないか?と。

 

 

 

 

そこで事務所のメンバーの中で最も

 

"What can I do for you forest peanuts?"

 

といった類の科白を言い慣れていそうに見えるケニア出身のスタッフに、

 

「米国では店員に見間違えられるのはよくある事なのか?」

 

と訊けば、

 

「いや、そんなにない。少なくとも俺はないな。」

 

と。

 

つまりここにおいて、この自体が発覚したというわけである。

 

 

ダメ押しに女性陣にも同じ質問を投げると、

 

「いや、そんなことはない。」

 

と一蹴である。

 

 

 

 

そしてどうも、その話題は彼らにとって面白いものだったらしい。

 

その後、業務中にも関わらず議論が及んだ彼ら彼女らの推論を引用すると、どうも筆者がやたらと間違えられるのは、筆者の

 

『服装の問題』

 

なんではなかろうか、という結論が出たようであった。

 

 

 

しかるに、筆者のがこの夏を振り返るならば、

 

どんな服装をしたら、ミシガンで店員に見間違われることができるか?

 

これを説く以外に道はないという事である。

既に退路は断たれた。

 

 

 

 

 

 

店員に見間違われるための夏ファッション5か条

 

トップス

ボトムス

シューズ

アクセサリー

その他

 

 

 

 

トップス

店員に見間違われるためには、襟付きのシャツを着用すべきである。

筆者は偏屈なため、私服でもほぼシャツしか着用しない。そのため店員に見間違われた時も、例外なくシャツを着用していた。

ただいずれの場合も私服用の着丈短めのシャツで、タックインはしない方が良い。

腕まくりの有無は周りの気温によって調節して良い。

また、柄は強すぎない方が良い。

f:id:Raretsu:20190923054324j:plain

 

 

ボトムス

店員に見間違われるためには、カラージーンズを着用すべきである。

筆者は偏屈なため、私服でもほぼカラージーンズしか着用しない。そのため店員に見間違われた時も、例外なくカラージーンズを着用していた。

ただし色としては暗めの色、例えばネイビーやブラックが良い。

シルエットは細身の方が良い。

f:id:Raretsu:20190923054111j:plain

 


シューズ

店員に見間違われるためには、革靴を着用すべきである。

筆者は偏屈なため、私服でもほぼ革靴しか着用しない。そのため店員に見間違われた時も、例外なく革靴を着用していた。

ただし形はあまり問題ではないようで、プレーントゥでもカントリーシューズでも、ローファーでも問題ない。色は茶系あるいは黒が良い。

 f:id:Raretsu:20190923005421j:plain

 

 

アクセサリー

店員に見間違われるためには、革ストラップの腕時計を着用すべきである。

筆者は偏屈なため、私服でもほぼ革ストラップの腕時計しか着用しない。そのため店員に見間違われた時も、例外なく革ストラップの腕時計を着用していた。

ケースの形はラウンドでもレクタンギュラーでも問題ないが、アナログ文字盤である必要がある。手巻き時計であると尚良い。

f:id:Raretsu:20190914121401j:plain


例外として、質素に過ぎるかやや寂しい場合は簡素なアクセサリー程度は許されるようだ。

 



 

 

その他

店員に見間違われるためには、手ぶらを着用すべきである。

筆者は偏屈なため、私服でもほぼ手ぶらしか着用しない。そのため店員に見間違われた時も、例外なく手ぶらを着用していた。

要するにバッグの類は持ってはならない。小さなボディバッグなども不可である。

 

 

 

 

 

 

 

以上が

 

夏のミシガンで、店員に見間違われるための夏ファッション5か条

 

である。

 

 

 

 

 

最後に、実際のコーディネート例を2つほど示しておこう。

 

 

アンティークモール内で1時間に3回店員に見間違われるかもしれないコーディネート

 f:id:Raretsu:20190923004517j:plain



 

カジノで道案内を求められるかもしれないコーディネート

 f:id:Raretsu:20190923004532j:plain

 

 

 

 また経験上、店員に間違えてくれるのは壮年期以降のマダム層が多いが、初老に差し掛かったムッシュー層の場合もある。

 

よって、同じ服装でより効率的に間違えられるためには、それと思しき対象の近くを彷徨うようにすれば、単位時間当たりの見間違え率が上がる事請け合いである。

 

 

 

 

 

 

 

はて。

 

はてなブログ運営のおすすめに従って書いたはずなのだが、結局生まれ出でたのは平生に輪をかけて何の慰めにもならない記事であったとは、何ともやるせないものである。

 

 

Raretsu

 

【Great Lakes Crossing Outlet】あの全米で14番目のGDPを誇る州における最大のアウトレット

 

こと「全米」と聞くと、脊髄反射のごとく『震撼』とか『泣いた』とか『ナンバーワン』とかのワードを後ろにつけたくなるのは陰険な筆者に限った話であろうが、そんな全米において堂々14番目のGDP(2018年名目GDP)を誇るのが、かのMI、すなわちMichigan(ミシガン)州である。

 

 

このミシガン州、そのGDPもさることながら人口で見ても10番目(2015年)、面積で見たならば11番目、更に州都はあのLansingである。

かような情報を踏まえたならば、このミシガンが全米においても1,2を争うほどに重要な立ち位置にあると断言して然るべきと言うのも、強ち過言かもしれない。

 

 

 

そんなミシガンにおいて最も大きな規模を誇るアウトレットが、このGreat Lakes Crossing Outletsである。

www.greatlakescrossingoutlets.com

 

 

f:id:Raretsu:20190630023946j:plain

なお本当にミシガンで一番大きいのか否か、は今回調べていない。

 

 

f:id:Raretsu:20190630023949j:plain

入ってすぐに念押しよろしく「Largest」とあるので、恐らく間違いないだろう。

 

 何しろ自ら”Largest”と銘打つだけあって規模はかなり大きく、およそ180のショップが軒を連ねている。ひとつひとつの敷地面積もかなり広いので、一回りするだけでも相当の時間を消費すること請け合いである。

 

f:id:Raretsu:20190630025357p:plain

主要な店舗しか記入されていないが、このように1周ぐるりと回れるような構造となっている。

出典:Great Lakes Crossing Outlets

 

f:id:Raretsu:20190812134510j:plain

アウトレット内には、このような概要図も一応存在する。ただ、1周回って構造を把握するのが一番わかりやすいかもしれない。

 

これだけ大きければ週末に家族連れで訪れるもよし(ちなみに映画館も併設されている)、或いはお土産を購入する予定がある際にも有用であると言える。

 

このグレートレイクスアウトレットのみならず、一般にアウトレットモールというのは「一回りするだけでも相当の時間を消費する」という特徴があるがゆえに、特定の状況においては計り知れぬ効力を発揮する施設でもある。

 

例えば、『日本からはるばる出張にやってきたさして仲良くもない出張者を、現地駐在員がそれとなくいい塩梅でもてなす』という極めてピーキーなシーンでは、その力を遺憾なく発揮する。何せお土産を購入するという行為は、人にもよるがそれ自体にそれなりに時間を要するからである。

このアウトレットが非常に広いことを併せ考えれば、その総合力は推して知るべしといったところであろう。

 

 

 

さてそんな有用な特性をはらんだGreat Lakes Crossing Outletsであるが、更にもう1つ優秀な点として『実際に安いものが結構ある』という事が挙げられる。

今日、日本のアウトレット情勢としては、『アウトレットにはアウトレット専売品がある』という認識が広がりつつあり、実際にそういった商品が散見される。

要するに、もともと安く売るために作られたものを、さも元値が高かったように見せかけて売りつける…といった手法が常態化している、という話である。とはいえこのあたりの話については、もっと刺激的かつ含蓄に富む記事がそこここに存在するのもまた自明というものであろうし、そちらへ譲るとする。

 

 

ともあれ、そこへ比して判断するに、このアウトレットは全体的にそれなりに安くなっているのでは、と感じる。30%~40%OFFはざらにあり、70%OFFなどもちらほら見かける。また店舗にもよるが、セール価格から更に一律20%OFF、といったタイムセールも散見する。他のアウトレット、或いは他の州の事情には明るくないが、どうも聞いた話では米国は割とこういった風向きが多いとのことである。(ただし現地に移って長い住人によれば、日本で言うところのアウトレット専売品の類の概念はやはり存在するらしい。賢い消費者たりえたい方は要注意であると言えるだろう。ちょっとわき道にそれるが、有名なBlack Fridayは相当数の専売品が捌かれると聞いた)

 

 

 以上の特徴から、普通にお得な買い物をするべく訪れるもよし、週末に家族連れで訪れるもよし、現地に来た記念のお土産購入でもよし、或いはやや面倒な人物の相手のために活用するもよし、と非常に懐の深いアウトレットと言えるのではないだろうか。さすがは全米で14番目のGDPを誇るミシガンにおける最大のアウトレット、その面目躍如というほかあるまい。

 

 

さてそんな懐の深いアウトレットではあるが、再三に渡って述べている通り非常に規模が大きく、およそ180ほどの店舗が軒を連ねている。これら一つ一つを回って見るというのもまた一興ではあるものの、実際に敢行すれば相当の時間を要すること請け合いである。

であれば、実際に訪問する前に気になる店舗はチェックしておき、ある程度的を絞りながら予算を確保しつつ、見て回るというのは常套策といえよう。

わけても財布の紐を自分以外の誰かに握られている方にとって、これは死活問題である。例えば実際に日本から訪れた出張者の面々を見ていても、ある程度目星をつけて訪れた人ほど、コストパフォーマンスに優れた物品を購入して帰国される印象である。

 

 

よって本記事では、日本でも知名度がある、或いは人気の有りそうな店舗を、極めて見識の狭い筆者の独断と偏見にて、30余ほど選んてみた。最もこれは陰険な筆者によるセレクトであり、かつ多くは店舗名の羅列となってしまっている。よって参考になる期待値こそLow Fat Milkのようだが、一部の店舗についてはいくらか具体的な数値も載せるように試みた。

情報としては2019年7月頃の話にはなるが、目算をつけるという意味で多少なり役立つことがあれば、この上ない至福である。

 

 

さて、およそ2000文字にもおよぶこの世に並び立つものも少ないであろうほど冗長な導入はこのあたりで終えることにして、先述した30余の店舗についていくらか記載していきたい。

ここでは便宜上、アパレル(靴含む)→鞄や時計→その他→番外 の項目順としている。またアメリカ発ブランドは他よりも値引きが大きめな傾向があるため、太青字としている。なお、項目内は完全に順不同である。

 

 

 

アパレル編(靴含む)

1. Brooks Brothers (ブルックス・ブラザーズ)

アメトラの代表格であり、米国を象徴する有名ブランド。値引きはやや辛め(20%オフやその前後くらいか)な印象を受けたが、元の設定が高いので購入額によっては値引き額は当然大きくなる。

 

2. POLO RALPH LOREN (ポロ・ラルフ・ローレン)

ブルックス・ブラザーズと同じく、アメトラで有名なRALPH LOREN、そのセカンドライン。セカンドと言いつつ本家よりも幅を利かせている感は否めないが。値引きについても同様。

 

3. J. Crew (ジェイ・クルー)

もうひとつのアメトラ代表格…と思いきやそっちではない。ただジェイ・クルーも米国ではかなりの店舗数を誇っている。

 

4. COACH (コーチ)

説明不要なほど有名であろう。突出して人気なようで、店内は大体混んでいる。40%オフや半額程度の値引きも見かけた。ただし専売品かどうかは区別がつかなかった。

 

5. BANANA REPUBLIC (バナナ・リパブリック)
6. TOMMY HILFIGER (トミー・フィルフィガー)
7. AMERICAN EAGLE OUTFITTERS (アメリカン・イーグルアウト・フィッターズ)
8. CALVIN KLEIN (カルバン・クライン)
9. Donna Karan New York, DKNY (ダナキャランニューヨーク)
10. UNDER ARMOR (アンダーアーマー)

いずれも米国の有名どころの衣料品ブランド。

 

11. Micheal Kors (マイケル・コース)
12. Kate Spade New York (ケイト・スペードニューヨーク)
13. Victoria's Secret (ヴィクトリアズ・シークレット)

同じくいずれも米国発で、女性に人気のあるであろうブランド群。2年ほど前にコーチに買収されたケイトスぺードとコーチとが同じ施設内にアウトレットを展開しているわけだが、ブランド戦略的に大丈夫なのだろうか。

 

14. HUGO BOSS (ヒューゴ・ボス)
15. PUMA (プーマ)

ドイツ勢。アメリカ勢に比べるとやや値引きは辛いと思われる。

 

16. COLE HAAN (コール・ハーン)
17. Johnston Murphy (ジョンストン・マーフィー)
18. Naturalizer (ナチュラライザー)

アメリカで有名な靴メーカー群。コールハーンはイタリア靴が存在したり、ナチュラライザーはそもそもリーガルの持ち物だったりと微妙にややこしいが、とりあえず米国発としている。

 

時計・アクセサリー・鞄編

19. SHINOLA (シャイノラ、シャイノーラ)

f:id:Raretsu:20190812134149j:plain

SHINOLAはデトロイト発の時計メーカーである。なお、別ラインであるGOMELSKYは取り扱っていないようである。

以前も言及した通り、SHINOLAは新興のメーカーとしてはもともとの価格が大分強気であり、更に日本での入手となるとなおのこと高くつく。よってアウトレットでの購入は値引きがされていればかなりお得であるが、現状アウトレット価格で入手が可能なのは現状この店舗のみ(Webのアウトレットセールを除く)のようであるからして、ここの店舗の果たす役割は大きいといえるかもしれない。

値引き率はものによっては結構高く、下記のような例が存在した。

The Muldowneyシリーズ(レディース):$650→$300。

The Guardianシリーズ(レディース):$675→$300。

The Cassシリーズ(レディースのダイヤモンドセッティング):$2100→$1200。

その他レディース:大体$300~$350で販売。

多くのメンズクォーツモデル:$700のものは$550程度に、それよりやや高いものは$750程度。

The Runwell Automaticシリーズ(メンズ・レディース):定価のまま。値引きはしていないようだった。

 自動巻きモデルはあまり数も置いておらず、値引きも行われていないのであくまでクォーツ狙いで訪れるのが良いかもしれない。レディースについてはクォーツモデルなら半額以下で購入できるものも多い。額だけで言えば、The Cassのダイヤモンドセッティングモデルは$900という驚異的な値引きである。もっとも、SHINOLAを求める層がダイヤモンドのモデルを欲しがるかというと疑問が残る…などと邪推するのは陰険な筆者だけだろう。

敢えて付け加えるならば、陰険な筆者としてはむしろこの値引き後の価格こそSHINOLAの適正価格とするべきでは、と感じなくはない。

$300程度であればデザインウォッチとして購入するのも吝かではないだろう。モダンなデザインも小気味よいし、デトロイト発という希少性も感じられるならば有用な選択肢となりえるのではないか。と言うよりも、この価格で”高い”と思ってしまったならば、今後一切SHINOLAにかかわる必要はないかもしれない。

ちなみに重箱の隅をつつき倒すようだが、このアウトレット店舗の値札、いくつか不可解な値引きをされているものがある。例えばレディースのMuldowneyやGuardianなどは、上記の通りもともとの価格は大体$650くらいであり、そこから値引きされて$300くらいになっている。ところが値札を見てみると、$900→$300と書いてあったりする。恐らく値引き率を大きく見せてお得感を演出しているのだろうが、いささか安易に過ぎる感は否めない。どこの店も似たようなことはやっているとは思うが、時計の場合は割とわかりやすいため、陰険な筆者としてはやや気になった。

ともあれグレートレイクスアウトレットに訪れる際には、立ち寄ってみることをおすすめする。陰険で知られる筆者も、出張者が訪れた時には一応、一言紹介するようにしている。

 

20. MOVADO (モバード)

スイス発だが、現在はアメリカ資本の時計メーカー。某国の偉い人がつけていると噂になったりもする。かつては高い技術で知られたが、現在は安価なクォーツ時計がメインになっている。その安さが米国人にウケているのか、現地では結構多くの人が身に着けているのを見かける。

所謂ミュージアムウォッチのデザインは極めてシンプルだが、逆にここまでシンプルな時計も少ないためか、意外と目立つのである。

f:id:Raretsu:20190813075936p:plain

ミュージアムウォッチ。この潔いデザインは存外に目立つものだ。

出典:MOVADO

 

ところでこのMOVADO、日本で買おうと思うと意外に高い。

例えばこちらで拝見すると、クォーツのミュージアムウォッチでも6, 7万円程度はするようだ。Chrono24で探してみても、$400~+送料と、クォーツとしてはやや高い。デザインと価格とを考えると、TICTACで取り扱いのあるDUFAのグロピウスツーハンド(3万円前後)等がかなり強力な対抗馬になりそうである。

ところがここのMOVADOアウトレット店舗では、ミュージアムのクォーツモデルが$229で陳列されていた。しかもその時はタイムセールで更に40%オフで、つまるとこそ日本円で2万円を大きく切る程度で購入可能ということだった(ただし、完全に同じモデルかどうかは不明)。いずれにせよデザインさえ気に入れば、かなりお得な買い物になるのではないかと考える。陰険な筆者ですら、帰任時に再度立ち寄ろうかと考えているほどだ。

 

21. FOSSIL (フォッシル)

ファッションウォッチがメイン。1万円以下の商品もそれなりに見かけた。

 

22. Swarovski (スワロフスキー)
23. OAKLEY VAULT (オークリー・ボルト)

 

24. Samsonite (サムソナイト)
25. TUMI (トゥミ)

いずれも米国を代表するスーツケース・バッグのブランド。サムソナイトの方が値引き率が高い印象。もともと狙いの品があったようで、タイムセール等をうまく活用し、実質55%オフ程度で買われて帰国された方もいた。

f:id:Raretsu:20190812134215j:plain

 

その他

26. BOSE (ボーズ)

説明不要の音響機器メーカー。基本的にあまり値引きされていない印象だが、極一部だけ何故か半額になっていたりと油断も隙もない。半額時に運よく遭遇できれば、最もお得な買い物になる可能性もある。ある意味一番アウトレットらしいかもしれない。

 

27. LE CREUSET (ル・クルーゼ)

カラフルなホーローで大人気のキッチンウェアメーカー。フランス発だけあって、ザッと見た限りではかなり値引きは辛い印象。

 

28. UGG (アグ) 

ムートンブーツで有名な同社だが、ここではホームウェアのUGGである。BED&BATH BEYOND(ベッドバスビヨンド)の店内にあるUGGブースに、ラグや枕などが展開されている。

f:id:Raretsu:20190813061615j:plain

UGGに寝具類があるとは寡聞にして存じ上げなかった。なお割引率はそれほどでもなかった記憶である。

 

29. Bath&Body Works (バスボディワークス)

日本未上陸のボディケア用品店。若い女性向けといった印象。印象はやや異なるものの、商品の傾向としてはLUSHに近いかもしれない。そういった事情もあって、お土産に人気との事である。

 

30. Marshalls (マーシャルズ)
31. TJ Maxx (ティージェイマックス)

様々な有名ブランドの廃番品や過剰在庫等々を値引きしてまとめて捌く、アメリカでは有名なオフプライスショップ。服を中心に靴、鞄、化粧品、キッチン用品、家具、食品などなど幅広く取り扱っている。グレイトレイクスアウトレットに限らず、様々な施設に店舗を構えている。どちらも同じ会社が経営しているようで、言われてみれば店の雰囲気も似通っている。

f:id:Raretsu:20190813061735j:plain

ブランド別には分かれておらず、ジャンルごとに大雑把に分けて陳列されている。無差別でお得に宝探しをしたい方にはおすすめである。そもそも日系駐在者には人気だとの噂も聞く。

グレイトレイクスアウトレットで少々注意したいのが、サムソナイト、ケイトスペード、マイケルコース、カルバンクラインあたりの商品である。というのは、このあたりのブランドはマーシャルズやTJマックスでもよく見かけるので、どちらも似たような製品を置いている可能性がある。そしてどっちが安いかは確認しなければわからないのである。

f:id:Raretsu:20190813062104j:plain

やはり国土が広いこともあってか、スーツケースの品揃えは妙に良いところが多い印象。サムソナイトも結構置いている。店舗や時期にもよるが、一番小さいだと$40代から買えるようだ。

 

ちなみにこれはあらゆる店舗において言える事ではあるが、アメリカ本国のアウトレットのため、日本のライセンス品の品揃えは存在しないはずである。一方で米国にもライセンス品の考え方は存在する(例えばFOSSILなどはかなり精力的に行っている)ため、そのあたりの絡みでラインナップがかなり変わる可能性がある事には注意したい。

例えば日本で展開されているライセンス品のデザインが気に入っているなどといった場合は、それは当然日本で購入した方が良いということになる。

 

番外編

32. レゴランド

f:id:Raretsu:20190812120454j:plain

ちなみに筆者はレゴランドではなく、その隣のポートメッセ名古屋しか行ったことがない。

ここは説明不要であろう。中は見ていないが、Indoor Play Groundとあるので何かはあるのだろう。ひょっとすると、アメリカ限定モデルなどもあるのかもしれない。もしお子さんが好き、或いはご自身がお好きだったりするのであれば、一見の価値はあるだろうと推測する。

 
33. ラウンドワン

f:id:Raretsu:20190812121629j:plain

まさかミシガン州にまで進出していようとは、まったくもって恐れ入る。

こちらも説明不要であろうが、日本で良く見知った施設も入っていた。

 

34. TEAMENSION (ティーメンション)

f:id:Raretsu:20190813064139j:plain

入口左手に見えるキャラクターについては何も言うまい。

こちらはタピオカティーの店舗だそうだ。日本でも流行っていると聞くが、こちらでも流行っているのかもしれない。

 

 

 

以上が極めて見識の狭い筆者の独断と偏見で選ばれた店舗たちである。無論、これ以外にも数多くショップが軒を連ねている。日本ではあまり知られていないショップも多いため、時間があるのであればまずは1周ぐるりと回ってみることをおすすめしたい。

 

 

 

f:id:Raretsu:20190813074316j:plain

ちなみに散々意見を垂れ流しておきながら、筆者が購入したのはビアレッティのミルクピッチャー唯一つである。値引き額は驚愕の50¢であった。

 

Raretsu

 

セルフ靴底補修(踵部分)のススメ 前編【サンスター技研 くつ底補修材】

人生におけるピンチとは、往々にして、突然訪れる。

 

たとえ入念にして十全たる準備をしていようとも、それは時として非情なほどに、我々を襲い来る。

 

 

 

 

 

あれはそう、外出を控えた休日のある朝。

 

何とはなしに、自宅の靴箱の扉を開けた時のこと。

 

もちろん筆者は知っている。

そこには見慣れた、茶靴黒靴の並びが見える筈………

f:id:Raretsu:20190310183444j:plain

そう、このいつも通りの姿が……いやしかし…何か、違和感が……

 

 

f:id:Raretsu:20190310221520j:plain

くっ、靴底がっ!

 いや!靴底が、削れているでは、ないかっ…!

 

 

 

 左側の茶靴は問題ない。

f:id:Raretsu:20190310184106j:plain

すぐにでも着用に耐えうるコンディションである事が察せられる。

 

 

 

問題はこちらだ。

f:id:Raretsu:20190310184311j:plain

これはまさしく、危険という他に形容しかねる様相だ。

 

その靴底、踵部分。

これが極めて危険なレベルにまで、削れてしまっている。

靴底というのは、いかに頑強な素材を使おうともいずれは摩耗してしまう。それ自体は致し方がないことだ。

 

 

通常であれば、懇意にしている修理店へ前もって修理を依頼しておくところだ。

しかしことここに差し迫ってこの黒靴をこそ着用したい、というまさに今となってはその選択は不可能である。

さりとて、このままこの黒靴を着用して外出するという事を、そうそう安易に選択してよいものか…。

 

 

いや、冷静になって、まずは左を見てみよう。

f:id:Raretsu:20190310185117j:plain

頑強で知られるダイナイトソールといえど、複数回にわたる使用により、なかなかどうして摩耗が進行している。

これであればぎりぎり外出に耐えうるレベルかもしれないが、悪路を歩けば最悪の結果も考えられ、予断を許さない状況と言えるだろう。

 

 次に右を見てみよう。

f:id:Raretsu:20190310185358j:plain

既に慧眼なる諸兄姉であればお気づきであろう。この右足の踵部分、その削れ具合は既に常軌を逸している。

これほどに摩耗が進んでいるのであれば、たとえ悪路でなかろうと、外出に用いるのは憚られる。

無理を押してこれを使用したならば、普段通りの歩行が困難なことは言うに及ばず、バランスを崩して転倒、或いは転倒せずとも衆目に恥ずべきその醜態を晒してしまうことは目に見えている。

 

 

 

 

しかし、外出は午後。

そして着用すべきはこの黒靴。残された時間はあまりに少ない。

ならば、どうすべきか?

 

 

 

 

もはや、彼に任せるほかあるまい。

 

 

 

 

 

ここで満を持して姿を現すは、気鋭の技術集団たるサンスター技研が誇る『くつ底補修材』である。

f:id:Raretsu:20190310222823j:plain

透明な薄い板は、クリアファイルを細長く切ったものである。

 

靴底の明日を憂う靴底フリークの諸兄姉に今さら説くまでもないだろうが、このくつ底補修材、使用方法は実に簡単である。

 

すり減っている部分に樹脂を盛り、熱で硬化させる。これのみである。

 

 

今回の場合、靴底はこのように斜めに摩耗している。

f:id:Raretsu:20190310223818p:plain

 

この部分に対して、クリアファイルを細長く切ったものを外周にあてがってやり、テープで接着する。

樹脂を盛らなくてよい部分も同様に、テープで養生してやる。

 

f:id:Raretsu:20190310224256j:plain

 

養生が済んだならば、そこへ向けて樹脂を盛っていく。

 

f:id:Raretsu:20190310224538j:plain

 

なお樹脂を盛る際は、できるだけ気泡や空洞を生じさせぬように行うと吉である。後から修正するのは至難の業であるからだ。

 

 

f:id:Raretsu:20190310225245j:plain

盛った直後は、光沢のある性状を呈している。

樹脂を持った後、ヘラ等で表面をならしてやると上記のようになる。

 

 

あとは熱を加えて硬化させるだけである。

 

 

公式HPや説明書によると、ドライヤーあるいは熱湯での硬化が推奨されているため、おそらくそれらの手法が最も安全であろうが、筆者の場合はこれを長年の相棒としている。

f:id:Raretsu:20190310225827j:plain

筆者はドライヤーよりもこちらを愛用している。説明書に記載されていない方法のため、使用は自己責任の範疇にて行うべきであることは言うまでもないが。

 

この補修材、カタログスペックとしては『5分で固まる』とあるが、この手のヒーターを用いた場合、1分とかからず硬化が完了するようだ。

 

f:id:Raretsu:20190310230347j:plain

光沢がなくなったのがお分かりいただけるだろうか。

硬化が完了すると、このようにマットな性状へと変貌を遂げる。

 

 

あとは養生テープを剥がしてやり、はみ出た樹脂部分をカットしてやれば、補修完了である。

f:id:Raretsu:20190310230521j:plain

見た目には多少の違和感こそあれ、大した問題ではないだろう。

 

 

 

 

 

これら一連の作業を両足とも実施してやるだけだ。

さすれば、このように成果を得ることができるであろう。

f:id:Raretsu:20190310231325j:plain

f:id:Raretsu:20190310231340j:plain

元の部分とは質感が多少異なるが、大した問題ではないだろう。

 

f:id:Raretsu:20190310231419j:plain

どうしても質感の差異が気になる場合は、コバインキなどで処理してやると殆ど支障はなくなる。

 

 

おわかりいただけただろうか。

筆者はこのようにして、去る休日の唯一にして最大のピンチを乗り切ったのである。

f:id:Raretsu:20190317221146j:plain

減りに遜色のない2足と相成った。これであれば、醜態を衆目に晒すこともなかろう。



 

 

 

しかし靴底の明日を憂う靴底フリークの諸兄姉であれば当然ご存知であるだろうが、このような靴底補修材というのは、いくつかのメーカーから商品展開がなされている。

 

シューグー(SHOE GOO)シューズドクターはその代表格であり、まさに競合商品といったところだろう。むしろ、この『くつ底補修材』はこれら二者に比べると知名度は低いというのが正直な感想である。

更に悪いことに、単純な価格勝負を行った場合、正味の量も加味すれば『くつ底補修材』かなり割高に感じられる。

 

しかしそれら欠点を考慮したとしてもこの『くつ底補修材』。

類似商品に比して明らかに秀でている。

 

 

 

その真因とは、一体何なのであろうか。

 

靴底の明日を憂う靴底フリークの諸兄姉であればご存知であろう。

しかし分かりきった事実を敢えて確認のために記すという行為も、たまには必要とされるであろう。故にこそ後編にて、秀逸であると賞賛すべき点を今一度、確認していこうではないか、と思いはしたのだが。