モノ魔リスト

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必要ではない。だがよく考えてみると、たしかに必要ではないようだが愛すべきモノたち。

【Great Lakes Crossing Outlet】あの全米で14番目のGDPを誇る州における最大のアウトレット

 

こと「全米」と聞くと、脊髄反射のごとく『震撼』とか『泣いた』とか『ナンバーワン』とかのワードを後ろにつけたくなるのは陰険な筆者に限った話であろうが、そんな全米において堂々14番目のGDP(2018年名目GDP)を誇るのが、かのMI、すなわちMichigan(ミシガン)州である。

 

 

このミシガン州、そのGDPもさることながら人口で見ても10番目(2015年)、面積で見たならば11番目、更に州都はあのLansingである。

かような情報を踏まえたならば、このミシガンが全米においても1,2を争うほどに重要な立ち位置にあると断言して然るべきと言うのも、強ち過言かもしれない。

 

 

 

そんなミシガンにおいて最も大きな規模を誇るアウトレットが、このGreat Lakes Crossing Outletsである。

www.greatlakescrossingoutlets.com

 

 

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なお本当にミシガンで一番大きいのか否か、は今回調べていない。

 

 

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入ってすぐに念押しよろしく「Largest」とあるので、恐らく間違いないだろう。

 

 何しろ自ら”Largest”と銘打つだけあって規模はかなり大きく、およそ180のショップが軒を連ねている。ひとつひとつの敷地面積もかなり広いので、一回りするだけでも相当の時間を消費すること請け合いである。

 

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主要な店舗しか記入されていないが、このように1周ぐるりと回れるような構造となっている。

出典:Great Lakes Crossing Outlets

 

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アウトレット内には、このような概要図も一応存在する。ただ、1周回って構造を把握するのが一番わかりやすいかもしれない。

 

これだけ大きければ週末に家族連れで訪れるもよし(ちなみに映画館も併設されている)、或いはお土産を購入する予定がある際にも有用であると言える。

 

このグレートレイクスアウトレットのみならず、一般にアウトレットモールというのは「一回りするだけでも相当の時間を消費する」という特徴があるがゆえに、特定の状況においては計り知れぬ効力を発揮する施設でもある。

 

例えば、『日本からはるばる出張にやってきたさして仲良くもない出張者を、現地駐在員がそれとなくいい塩梅でもてなす』という極めてピーキーなシーンでは、その力を遺憾なく発揮する。何せお土産を購入するという行為は、人にもよるがそれ自体にそれなりに時間を要するからである。

このアウトレットが非常に広いことを併せ考えれば、その総合力は推して知るべしといったところであろう。

 

 

 

さてそんな有用な特性をはらんだGreat Lakes Crossing Outletsであるが、更にもう1つ優秀な点として『実際に安いものが結構ある』という事が挙げられる。

今日、日本のアウトレット情勢としては、『アウトレットにはアウトレット専売品がある』という認識が広がりつつあり、実際にそういった商品が散見される。

要するに、もともと安く売るために作られたものを、さも元値が高かったように見せかけて売りつける…といった手法が常態化している、という話である。とはいえこのあたりの話については、もっと刺激的かつ含蓄に富む記事がそこここに存在するのもまた自明というものであろうし、そちらへ譲るとする。

 

 

ともあれ、そこへ比して判断するに、このアウトレットは全体的にそれなりに安くなっているのでは、と感じる。30%~40%OFFはざらにあり、70%OFFなどもちらほら見かける。また店舗にもよるが、セール価格から更に一律20%OFF、といったタイムセールも散見する。他のアウトレット、或いは他の州の事情には明るくないが、どうも聞いた話では米国は割とこういった風向きが多いとのことである。(ただし現地に移って長い住人によれば、日本で言うところのアウトレット専売品の類の概念はやはり存在するらしい。賢い消費者たりえたい方は要注意であると言えるだろう。ちょっとわき道にそれるが、有名なBlack Fridayは相当数の専売品が捌かれると聞いた)

 

 

 以上の特徴から、普通にお得な買い物をするべく訪れるもよし、週末に家族連れで訪れるもよし、現地に来た記念のお土産購入でもよし、或いはやや面倒な人物の相手のために活用するもよし、と非常に懐の深いアウトレットと言えるのではないだろうか。さすがは全米で14番目のGDPを誇るミシガンにおける最大のアウトレット、その面目躍如というほかあるまい。

 

 

さてそんな懐の深いアウトレットではあるが、再三に渡って述べている通り非常に規模が大きく、およそ180ほどの店舗が軒を連ねている。これら一つ一つを回って見るというのもまた一興ではあるものの、実際に敢行すれば相当の時間を要すること請け合いである。

であれば、実際に訪問する前に気になる店舗はチェックしておき、ある程度的を絞りながら予算を確保しつつ、見て回るというのは常套策といえよう。

わけても財布の紐を自分以外の誰かに握られている方にとって、これは死活問題である。例えば実際に日本から訪れた出張者の面々を見ていても、ある程度目星をつけて訪れた人ほど、コストパフォーマンスに優れた物品を購入して帰国される印象である。

 

 

よって本記事では、日本でも知名度がある、或いは人気の有りそうな店舗を、極めて見識の狭い筆者の独断と偏見にて、30余ほど選んてみた。最もこれは陰険な筆者によるセレクトであり、かつ多くは店舗名の羅列となってしまっている。よって参考になる期待値こそLow Fat Milkのようだが、一部の店舗についてはいくらか具体的な数値も載せるように試みた。

情報としては2019年7月頃の話にはなるが、目算をつけるという意味で多少なり役立つことがあれば、この上ない至福である。

 

 

さて、およそ2000文字にもおよぶこの世に並び立つものも少ないであろうほど冗長な導入はこのあたりで終えることにして、先述した30余の店舗についていくらか記載していきたい。

ここでは便宜上、アパレル(靴含む)→鞄や時計→その他→番外 の項目順としている。またアメリカ発ブランドは他よりも値引きが大きめな傾向があるため、太青字としている。なお、項目内は完全に順不同である。

 

 

 

アパレル編(靴含む)

1. Brooks Brothers (ブルックス・ブラザーズ)

アメトラの代表格であり、米国を象徴する有名ブランド。値引きはやや辛め(20%オフやその前後くらいか)な印象を受けたが、元の設定が高いので購入額によっては値引き額は当然大きくなる。

 

2. POLO RALPH LOREN (ポロ・ラルフ・ローレン)

ブルックス・ブラザーズと同じく、アメトラで有名なRALPH LOREN、そのセカンドライン。セカンドと言いつつ本家よりも幅を利かせている感は否めないが。値引きについても同様。

 

3. J. Crew (ジェイ・クルー)

もうひとつのアメトラ代表格…と思いきやそっちではない。ただジェイ・クルーも米国ではかなりの店舗数を誇っている。

 

4. COACH (コーチ)

説明不要なほど有名であろう。突出して人気なようで、店内は大体混んでいる。40%オフや半額程度の値引きも見かけた。ただし専売品かどうかは区別がつかなかった。

 

5. BANANA REPUBLIC (バナナ・リパブリック)
6. TOMMY HILFIGER (トミー・フィルフィガー)
7. AMERICAN EAGLE OUTFITTERS (アメリカン・イーグルアウト・フィッターズ)
8. CALVIN KLEIN (カルバン・クライン)
9. Donna Karan New York, DKNY (ダナキャランニューヨーク)
10. UNDER ARMOR (アンダーアーマー)

いずれも米国の有名どころの衣料品ブランド。

 

11. Micheal Kors (マイケル・コース)
12. Kate Spade New York (ケイト・スペードニューヨーク)
13. Victoria's Secret (ヴィクトリアズ・シークレット)

同じくいずれも米国発で、女性に人気のあるであろうブランド群。2年ほど前にコーチに買収されたケイトスぺードとコーチとが同じ施設内にアウトレットを展開しているわけだが、ブランド戦略的に大丈夫なのだろうか。

 

14. HUGO BOSS (ヒューゴ・ボス)
15. PUMA (プーマ)

ドイツ勢。アメリカ勢に比べるとやや値引きは辛いと思われる。

 

16. COLE HAAN (コール・ハーン)
17. Johnston Murphy (ジョンストン・マーフィー)
18. Naturalizer (ナチュラライザー)

アメリカで有名な靴メーカー群。コールハーンはイタリア靴が存在したり、ナチュラライザーはそもそもリーガルの持ち物だったりと微妙にややこしいが、とりあえず米国発としている。

 

時計・アクセサリー・鞄編

19. SHINOLA (シャイノラ、シャイノーラ)

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SHINOLAはデトロイト発の時計メーカーである。なお、別ラインであるGOMELSKYは取り扱っていないようである。

以前も言及した通り、SHINOLAは新興のメーカーとしてはもともとの価格が大分強気であり、更に日本での入手となるとなおのこと高くつく。よってアウトレットでの購入は値引きがされていればかなりお得であるが、現状アウトレット価格で入手が可能なのは現状この店舗のみ(Webのアウトレットセールを除く)のようであるからして、ここの店舗の果たす役割は大きいといえるかもしれない。

値引き率はものによっては結構高く、下記のような例が存在した。

The Muldowneyシリーズ(レディース):$650→$300。

The Guardianシリーズ(レディース):$675→$300。

The Cassシリーズ(レディースのダイヤモンドセッティング):$2100→$1200。

その他レディース:大体$300~$350で販売。

多くのメンズクォーツモデル:$700のものは$550程度に、それよりやや高いものは$750程度。

The Runwell Automaticシリーズ(メンズ・レディース):定価のまま。値引きはしていないようだった。

 自動巻きモデルはあまり数も置いておらず、値引きも行われていないのであくまでクォーツ狙いで訪れるのが良いかもしれない。レディースについてはクォーツモデルなら半額以下で購入できるものも多い。額だけで言えば、The Cassのダイヤモンドセッティングモデルは$900という驚異的な値引きである。もっとも、SHINOLAを求める層がダイヤモンドのモデルを欲しがるかというと疑問が残る…などと邪推するのは陰険な筆者だけだろう。

敢えて付け加えるならば、陰険な筆者としてはむしろこの値引き後の価格こそSHINOLAの適正価格とするべきでは、と感じなくはない。

$300程度であればデザインウォッチとして購入するのも吝かではないだろう。モダンなデザインも小気味よいし、デトロイト発という希少性も感じられるならば有用な選択肢となりえるのではないか。と言うよりも、この価格で”高い”と思ってしまったならば、今後一切SHINOLAにかかわる必要はないかもしれない。

ちなみに重箱の隅をつつき倒すようだが、このアウトレット店舗の値札、いくつか不可解な値引きをされているものがある。例えばレディースのMuldowneyやGuardianなどは、上記の通りもともとの価格は大体$650くらいであり、そこから値引きされて$300くらいになっている。ところが値札を見てみると、$900→$300と書いてあったりする。恐らく値引き率を大きく見せてお得感を演出しているのだろうが、いささか安易に過ぎる感は否めない。どこの店も似たようなことはやっているとは思うが、時計の場合は割とわかりやすいため、陰険な筆者としてはやや気になった。

ともあれグレートレイクスアウトレットに訪れる際には、立ち寄ってみることをおすすめする。陰険で知られる筆者も、出張者が訪れた時には一応、一言紹介するようにしている。

 

20. MOVADO (モバード)

スイス発だが、現在はアメリカ資本の時計メーカー。某国の偉い人がつけていると噂になったりもする。かつては高い技術で知られたが、現在は安価なクォーツ時計がメインになっている。その安さが米国人にウケているのか、現地では結構多くの人が身に着けているのを見かける。

所謂ミュージアムウォッチのデザインは極めてシンプルだが、逆にここまでシンプルな時計も少ないためか、意外と目立つのである。

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ミュージアムウォッチ。この潔いデザインは存外に目立つものだ。

出典:MOVADO

 

ところでこのMOVADO、日本で買おうと思うと意外に高い。

例えばこちらで拝見すると、クォーツのミュージアムウォッチでも6, 7万円程度はするようだ。Chrono24で探してみても、$400~+送料と、クォーツとしてはやや高い。デザインと価格とを考えると、TICTACで取り扱いのあるDUFAのグロピウスツーハンド(3万円前後)等がかなり強力な対抗馬になりそうである。

ところがここのMOVADOアウトレット店舗では、ミュージアムのクォーツモデルが$229で陳列されていた。しかもその時はタイムセールで更に40%オフで、つまるとこそ日本円で2万円を大きく切る程度で購入可能ということだった(ただし、完全に同じモデルかどうかは不明)。いずれにせよデザインさえ気に入れば、かなりお得な買い物になるのではないかと考える。陰険な筆者ですら、帰任時に再度立ち寄ろうかと考えているほどだ。

 

21. FOSSIL (フォッシル)

ファッションウォッチがメイン。1万円以下の商品もそれなりに見かけた。

 

22. Swarovski (スワロフスキー)
23. OAKLEY VAULT (オークリー・ボルト)

 

24. Samsonite (サムソナイト)
25. TUMI (トゥミ)

いずれも米国を代表するスーツケース・バッグのブランド。サムソナイトの方が値引き率が高い印象。もともと狙いの品があったようで、タイムセール等をうまく活用し、実質55%オフ程度で買われて帰国された方もいた。

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その他

26. BOSE (ボーズ)

説明不要の音響機器メーカー。基本的にあまり値引きされていない印象だが、極一部だけ何故か半額になっていたりと油断も隙もない。半額時に運よく遭遇できれば、最もお得な買い物になる可能性もある。ある意味一番アウトレットらしいかもしれない。

 

27. LE CREUSET (ル・クルーゼ)

カラフルなホーローで大人気のキッチンウェアメーカー。フランス発だけあって、ザッと見た限りではかなり値引きは辛い印象。

 

28. UGG (アグ) 

ムートンブーツで有名な同社だが、ここではホームウェアのUGGである。BED&BATH BEYOND(ベッドバスビヨンド)の店内にあるUGGブースに、ラグや枕などが展開されている。

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UGGに寝具類があるとは寡聞にして存じ上げなかった。なお割引率はそれほどでもなかった記憶である。

 

29. Bath&Body Works (バスボディワークス)

日本未上陸のボディケア用品店。若い女性向けといった印象。印象はやや異なるものの、商品の傾向としてはLUSHに近いかもしれない。そういった事情もあって、お土産に人気との事である。

 

30. Marshalls (マーシャルズ)
31. TJ Maxx (ティージェイマックス)

様々な有名ブランドの廃番品や過剰在庫等々を値引きしてまとめて捌く、アメリカでは有名なオフプライスショップ。服を中心に靴、鞄、化粧品、キッチン用品、家具、食品などなど幅広く取り扱っている。グレイトレイクスアウトレットに限らず、様々な施設に店舗を構えている。どちらも同じ会社が経営しているようで、言われてみれば店の雰囲気も似通っている。

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ブランド別には分かれておらず、ジャンルごとに大雑把に分けて陳列されている。無差別でお得に宝探しをしたい方にはおすすめである。そもそも日系駐在者には人気だとの噂も聞く。

グレイトレイクスアウトレットで少々注意したいのが、サムソナイト、ケイトスペード、マイケルコース、カルバンクラインあたりの商品である。というのは、このあたりのブランドはマーシャルズやTJマックスでもよく見かけるので、どちらも似たような製品を置いている可能性がある。そしてどっちが安いかは確認しなければわからないのである。

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やはり国土が広いこともあってか、スーツケースの品揃えは妙に良いところが多い印象。サムソナイトも結構置いている。店舗や時期にもよるが、一番小さいだと$40代から買えるようだ。

 

ちなみにこれはあらゆる店舗において言える事ではあるが、アメリカ本国のアウトレットのため、日本のライセンス品の品揃えは存在しないはずである。一方で米国にもライセンス品の考え方は存在する(例えばFOSSILなどはかなり精力的に行っている)ため、そのあたりの絡みでラインナップがかなり変わる可能性がある事には注意したい。

例えば日本で展開されているライセンス品のデザインが気に入っているなどといった場合は、それは当然日本で購入した方が良いということになる。

 

番外編

32. レゴランド

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ちなみに筆者はレゴランドではなく、その隣のポートメッセ名古屋しか行ったことがない。

ここは説明不要であろう。中は見ていないが、Indoor Play Groundとあるので何かはあるのだろう。ひょっとすると、アメリカ限定モデルなどもあるのかもしれない。もしお子さんが好き、或いはご自身がお好きだったりするのであれば、一見の価値はあるだろうと推測する。

 
33. ラウンドワン

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まさかミシガン州にまで進出していようとは、まったくもって恐れ入る。

こちらも説明不要であろうが、日本で良く見知った施設も入っていた。

 

34. TEAMENSION (ティーメンション)

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入口左手に見えるキャラクターについては何も言うまい。

こちらはタピオカティーの店舗だそうだ。日本でも流行っていると聞くが、こちらでも流行っているのかもしれない。

 

 

 

以上が極めて見識の狭い筆者の独断と偏見で選ばれた店舗たちである。無論、これ以外にも数多くショップが軒を連ねている。日本ではあまり知られていないショップも多いため、時間があるのであればまずは1周ぐるりと回ってみることをおすすめしたい。

 

 

 

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ちなみに散々意見を垂れ流しておきながら、筆者が購入したのはビアレッティのミルクピッチャー唯一つである。値引き額は驚愕の50¢であった。

 

Raretsu