モノ魔リスト

モノ魔リスト

必要ではない。だがよく考えてみると、たしかに必要ではないようだが愛すべきモノたち。

ミシガン 停電サブコレクション

 

前回の記事においては、筆者の独断と偏見と体感により

ミシガン 停電コレクション

を勝手に展開したが、実はこのコレクションには補足情報が不足していたと気づくに至った。従って、今回はそのサブコレクションと称して周辺知識を二、三垂れ流してみたい。

 

そもそもなぜ停電が発生するのか

日本に住む我々からすると、「なぜ」という点が一番の疑問なのではなかろうかと思うが、これには色々理由があるらしい。個人的には、下記のような理由について聞き及んだことがある。

 

 1. 悪天候で色々なものが飛来したり、電線が切れる

筆者の感覚では最も多いと感じるのが、この理由である。とにかく大雨を伴う嵐の時は停電しやすいのだ。夏の時期にやたらと大雨が続いた時期があり、その時は外で濡れる事よりも「停電にならないと良いが」と思っていたほどだ。大雨が過ぎた後に多少時間をおいて停電するパターンもあるため、本当に油断ならない。更に悪いことに冬場においては、Freezing rain (日本語では雨氷) と呼ばれる雨が発生し、倒木を誘発することにより更に停電を加速させるという。

 

2. 野生動物が電線をガジガジ

これは本当かどうかわからないが、リスなんかが色々悪さをしてしまう場合があるらしい。ちなみにリスは見かけこそとても愛らしく、なおかつ家の前にやたらといらっしゃるが、ここアメリカでは立派な害獣として認識されている。

f:id:Raretsu:20200207121831p:plain

 ※米国では害獣認定されているリス氏

 

 3. 圧倒的電力不足

 これは真偽が判りかねるが、以前同僚がこんなことを話していた。

「ミシガンの冬は寒いから、皆家でヒーターとかいろいろ使うでしょ?そうなると電力が足りなくなって、停電するの。特に雪が降った時なんか特に。」

つまり、冬場は慢性的に電力不足に陥る素養があるということか。冬になると停電が増えると言われるのは、単純にこういう事らしい。幸い今年は暖冬らしいので現状は大丈夫だが、寒い年はかなり問題だろう。というか、本当に毎年慢性的な電力不足に陥るなら、何かしら対策を施して然るべきではないかと思うのだが…

 

停電が起こっても、意外と範囲は狭い

これも驚いたことだが、仮に1日単位の停電が起こったとしても、その範囲は限定的であることが多い。どういうことかというと、例えば自分のアパートとその隣のアパートが丸ごと停電したとして、じゃあ隣の隣はどうかと見に行くと、煌々とエントランスが輝いている、なんて場合が結構普通にあるのだ。筆者の住んでいる地域のアパートはすべて同じ業者が管理しているはずなのだが。電線の系統だか担当範囲等が色々異なるのもしれないが、ともあれそういうことがままある。よって、停電が起こって暇ならばいっそ買い物に出かけるという手もある。行き先の店では普通に明かりがついていて、帰った頃にはうまいこと電力が復活しているという事は割とある。そういう意味でも、2003年に発生した北米大停電は相当に稀なケースだったと言えるのだろう。

 

長い停電が起こってしまったら?

実際に停電が起こると、当たり前だが電気を必要とする設備はすべて停止する。影響の大きいところでは、室内灯や冷蔵庫、忘れがちなところではWifiも使えなくなる。筆者のアパートの場合は電熱器のコンロなので、これも使えなくなるだろう。 が、冬の場合は暖房が使えなくなることが何より問題になってくるだろう。何せ、ミシガンの冬は寒波が来れば氷点下20度になることもあるという。長期にわたって停電が続くとすれば、命に関わる事も考えられる。そういう時に備えて非常用の電源や発電機を備えている家もあるということである。また同僚の一人は、かつて冬場の寒い日に長い停電が起こった際、近くのホテルに避難したことがあると言っていた。と言うのも、ホテルは停電が起こってもある程度は営業できるように備えてある事らしい。すぐ近くに家があるのにホテルを取るのもなんだかなと言う感じはするが、背に腹は代えられないという事か。

 

停電は基本的にどうしようもない

ここまで色々と垂れ流してきたが、停電そのものに対しては根本的な対策が無い。補助電源の確保とか対症療法的な手段はあるが、起こってしまったら起こってしまったで仕方がない。筆者の住んでいるアパートの管理業者にはメンテナンス部門も常駐していて、メールして2時間でトイレ修理を完遂してしまうほど優秀なのだが、その彼らですら

「何か困ったことがあればいつでもすぐに相談してくれ。あ、停電だけは例外ね。」

と公言するほどだ。また周りの住人と話していても、誰もかれも停電に関しては非常に寛容というか、一種の諦めの境地に至っているようにも見える。停電も文化だなどと言うつもりは毛頭ないが、もしそういう状況になってしまったなら寛容な心構えも必要かもしれない。