モノ魔リスト

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必要ではない。だがよく考えてみると、たしかに必要ではないようだが愛すべきモノたち。

百貨店のアウトレットは本当にお得なのか 3/3【再びノードストローム編】

 

前回、前々回と2記事にもわたって、百貨店のアウトレット(オフプライスストア)についてああでもないこうでもないと述べてきた中で、どうやら一応お得な商品はあるらしい事が分かってきた。

 

あとはオフプライスストア専売品、つまりあんまりお得じゃない商品の有無を確認するだけである。

 

この専売品の有無については、1回目の記事で用いたノードストロームラックにて、大変わかりやすい事象を発見したので掲載してみたい。

 

 

オフプライスストア専売品の有無

まずこちらはノードストロームラック、つまりオフプライスストアのページ。

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ここで"Nordstrom"と検索してみると、

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画像のように、1266件のアイテムがヒットする。

 

更にこのヒットしたアイテムの、ブランド内訳を舐めるように見ていくと、

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本命のNordstrom以外に、容疑者が5名も出てきた。
彼らが専売品か否かは、本家Nordstromのサイトで検索すれば一目瞭然である。専売品であれば、百貨店本体では売られていないはずだからだ。

ということで、Nordstromのサイトで一人一人尋問を実行した。

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その結果、5名中4名は身の潔白を証明できた。これらはいずれもNordstrom本体で取り扱いがあるようだ。個数から見ても恐らく通常ラインとして存在するのだろう。

 

一方、名前が見るからに怪しいNordstrom Rack容疑者はというと、Nordstromのページで”Nordstrom Rack”と検索した瞬間、

自動的にNordstrom Rackの公式ページに遷移した。

以上からこのブランドは百貨店本体で取り扱いのない、オフプライスストア専売品と判断できる。探せばこれ以外にも専売品ブランドがあるのかもしれないが、いずれにしても間違いなくオフプライスストアにもやっぱり専売品はあると言える。

 

 

それでも相対的にお得なのではという推量

一見お得そうなオフプライスストアにもやはり専売品が存在しているとわかってしまった。となると結局米国のオフプライスストアも、日本のアウトレットモールと同じく大してお得ではない商品ばかりであまり見る価値は無いのだろうか、と思われるかもしれない。

が、筆者個人としては見る価値は割とあると愚考している。

 

というのは、これはブランドやセレクトショップのアウトレットではなく、百貨店のオフプライスストアであるからである。

例えば日本で有名セレクトショップのBEAMSのアウトレットへ行くと、商品の多くがBEAMSHEARTというアウトレット専売品で占められている。一説によれば9割方が専売品で占拠されている店舗もあるという。お得な商品が欲しい諸兄姉からすれば、この状況は身もだえするだろう。

一方で今回のノードストロームラックで言えば、筆者の検索で検挙された専売品は600点余り。対して、ノードストロームラック全体の商品数は少なくとも10万点超である。単純な計算でいえば0.6%しか専売品が存在しないということだ。そもそもが百貨店なので、全体の取扱点数が膨大すぎるのだろう。

それともうひとつ、米国は(日本人からすると)異常なほど返品規定が緩い。

そのため『売り切れそうだからとりあえず買っておいて、気に入らなかったら返品しよう』という行為が日常的に行われている。オフプライスストアにはそうやって返品された商品も並んでいると聞くから、専売品など作らなくとも商品供給には困らない、という背景もあるのだろう。ギフトレシートなどという狂った仕組みすらあるし、米国の返品文化についてはまたどこかで垂れ流したくもある。

 

いつも通り冗長になってしまったが、

米国のオフプライスストアは…それなりにお得

というのが筆者なりの曖昧な答えである。

 

 

余談

3記事にもわたってああだこうだと述べてきたが、前回記事で検証に使ったサックスオフフィフスのマフラーについては、本当にお得そうなので実際に購入してみた。

というのもこのマフラー、Webの説明には何故か記載がないがピアチェンツァとのダブルネームなのである。

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店頭で確認するまで、全く気付かなかった。

市場に出回っているカシミア半分以上は偽物で、かのUnited Arrowsで売っていたとしても安心できないとすら言われている。ただ、さすがにあのアザミ好き好きPIACENZAの生地とあらば信用してしまおうかという算段である。実物の肌触りもなかなか小気味よく、光沢も非常に美しいしなかなか暖かい。

日本で同社の似たような商品を買うとやはり2万円するようなので、それが60ドルになると言うならもうけものだろう。