世の中には多くの高価なブランド品が存在するが、それらのうちいくらかは定価より安く手に入る事もある(代表例はセール)、というのは他の有益なブログや情報媒体にて語られる通りである。
これは日本においてももちろんそうだが、アメリカでは更にこの機会が多いように感じている。
その要因の一つとして、百貨店が直々に運営しているオフプライスストア(百貨店のアウトレットみたいなもの)の存在がある。
前回の記事では、どの百貨店がどの店舗を運営しているかについて垂れ流した。
だが、
百貨店のオフプライスストアがある=ブランド品が安く入手できる!
と即断して良いものだろうか。
というのも、陰険な筆者からすれば、下記のような邪な疑念が想起され得るからである。
邪な疑念その1:オフプライス専売品・専用品なんじゃないの?
あたかも『百貨店で売っていた商品』を値下げしたように演出しつつ、実際には『もとから安値で売る事を前提に企画・製造された商品』を売っているだけなのでは?という疑念である。
これは日本のアウトレットパークなんかでよく見る『アウトレット専売品』と非常に似通った手法で、これが理由で「日本のアウトレットに本当に安いものは殆どない」などと言われたりもする。
最近ではそれも広く市井に知られることとなり、例えば「アウトレット専売品」とでもGoogle検索しようものなら、
節子、それドロップやない…アウトレット専売品や
アウトレット専売品の倒し方、知ってますよ
といった類の記事がすぐにヒットするくらいにはポピュラーだ。その手の有益なサイト様によれば、9割以上がアウトレット専売品という店もザラにあるらしい。
オフプライスストアはアウトレットとは少し違うとはいえ、似たようなことが起きていてもおかしくはないだろう、と思うわけだ。
邪な疑念その2:安くしたよ詐欺なのでは?
例えばもともと百貨店で100ドルで売れ残ったものがあったとして、それをオフプライス店舗に移して、150ドル→100ドルに下げました!みたいな値札を付けて売っているのでは?という疑念である。
売っている店を変えりゃ誰も元値なんてわかりゃしないよね、といった理屈があるのではないかと邪推してしまうわけだ。
いずれも我ながら極めて度量の狭い疑念だとは思うが、しかし気になって仕方がないのだから文字通り仕方がない。
というわけでここではかような筆者の邪な疑念に則り、実際にオフプライスストアで並んでいた商品に着目し、その流れをややしつこく追い回してみたい。
今回は全米最大規模でオフプライスストアを展開している、ノードストローム系列で追い回しを敢行してみた。
Nordstrom Rackでセール品をストーキングしてみる
前回の記事でも言及したが、老舗百貨店のNordstromは精力的にオフプライスストアを展開している百貨店の一つである。オフプライスストアの名前はNordstrom Rack。
筆者は先日、欠食児童の如くカシミヤのマフラーを捜索していた。その探索結果としてNordstrom Rackにてひとつのマフラーを見つけた。
こちらのページの紹介によれば、
・ブランドはNordstrom
・ベージュだけ在庫がある模様
・もともとは120ドルだったところ、61%オフの49.97ドル
ということが読み取れる。
しかしこのページだけでは、先述の疑念1および疑念2のどちらも払拭はできない。本当に百貨店で売られていた(専売品ではない)かどうかは不明だし、元値が120ドルだったかなんて事ももちろんわからない。
というわけで、親元のNordstromのサイトで同じ商品があるかどうかを探してみた。
このページを見ると、下記の事実が伺える。
○ ブランドはNordstrom
○ 商品名は完全に同じ
○ 商品画像も 使い回し 同じ
○ 百貨店側では既に売り切れ扱いになっている
× 値段は不明
ということがわかる。
加えてNordstrom Rackの実店舗に確認のため訪れたところ、実物についているタグもどうやらNordstromのものがついており、その上から覆うようにNordstrom Rackの値引きシールがぺたっと貼られているような状態であった。
商品名、画像が完全に同一で、かつ実店舗のタグの様相も百貨店のものと変わらないのであれば、
この商品自体はNordstromで売られていたものと同一
と考えてもいいのではないだろうか。
従って筆者の邪な疑念1については払拭できる、つまりこの商品はオフプライスストア専売品ではないと判断するに至った。
一方、はっきりした値段の記載がないため価格の推移については未だ不明である。
従って、筆者の邪な疑念2を詳らかにするには材料が足りない。その後もいくらか調べてみたが、どうやらNordstromでは売り切れ後の商品の値段が見られないようである。
よって次回より、別系列の百貨店にて新たなストーキングを試み、筆者の邪な疑念2について詳らかにしていきたい。