モノ魔リスト

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必要ではない。だがよく考えてみると、たしかに必要ではないようだが愛すべきモノたち。

百貨店のアウトレットは本当にお得なのか 2/3【サックスフィフスアベニュー編】

 

前回の記事においては、百貨店のアウトレット(オフプライスストア)が本当にお得なのかどうかについて検証するため、老舗百貨店のノードストローム系列を例に挙げて愚考を重ねてみた。

 

その検証の過程で2つの邪な疑念、即ち

1.オフプライス専売品・専用品なんじゃないのか

2.安くしたした詐欺なんじゃないのか

という半ば言いがかりに近い案を勝手にぶち上げたわけだが、このうちの1.についてはどうにか疑念が晴れるところまでどうにか漕ぎ着けることができた。

ただしノードストローム系列による検証だけでは限界を感じたため、今回は高級百貨店として名高いSaks Fifth Avenue系列に舞台を移し、例の疑念について引き続きに取り組んでいきたい。

 

 

Saks Fifth Avenueでセール品をストーキングしてみる

というわけで今度は、高級老舗百貨店のサックスフィフスアベニューでストーキングを開始する。こちらには、サックスオフフィフスというオフプライスストアがある。

例によって筆者は血眼になってカシミヤのマフラーを捜索しており、Saks Off Fifthにてこれを発見した。 

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このページによれば、

・ブランドはSaks Fifth Avenue

・Berry Navyの1色だけの模様

・もともとは198ドルだったものが、49%オフで99.99ドル

・クーポンコードを適用すれば99.99ドルから更に40%オフ

ということが見て取れる。

これは最初の価格からすると約70%オフということを意味し、相当な値引き率である。しかしここまで値引き率が高いと、逆に疑念も強まるというのが人の情というものであったりするんではないだろうか。

 

というわけで例によって、親元の百貨店であるSaks Fifth Avenueで同じ商品を探してみた。

 

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このページからは、下記が読み取れる。

○ ブランドはSaks Fifth Avenue

○ 商品名は完全に同じ

○ 商品画像もやはり 使い回し 同じ

○ Berry Navyのみ売り切れ

○ もともと198ドルで、現在セール中で138.60ドル

 

まずは同じブランド名、商品名、画像であることから、恐らくは同じ商品であることが判る。前回のNordstromと同じく、疑念1は解決されたと言っていいだろう。

 

また、今回は親元のサイトで198ドルと元値が確認できた。サックスオフフィフスで元値は198ドルと主張しているので、それと全く同じ金額であることが判る。

疑り深い筆者ゆえ、近隣のSaks Fifth Avenueで直接確認も行った。当該マフラーの値札にはしっかり198ドルと記載があり、それが30%セールの棚に置かれていた。これはネットショップにある内容と完全に同期している。

これにより、

安くした詐欺ではなく、実際に安くなっている

と考えてもいいのではないだろうか。

従って筆者の邪な疑念2についても払拭されたと判断するに至った。

 

 

また今回のサックスの例からは、下記のような値下げフローも伺える。

1. まずは百貨店で定価で販売する

2. 一定期間がたったら百貨店内でセールを行う

3. その後オフプライス店舗に送って、更に価格を下げて売る

4. クーポンコード発行などで更にでもっと価格を下げる

 

時期が過ぎたと百貨店側で判断された物から、恐らく在庫まるごとオフプライス店舗へ送り、百貨店ではその空いた容積を使ってガンガン新作を流動させる、という寸法なのではないかと憶測する。

オフプライス店舗から百貨店へ送り返すという事はあり得ないであろうから、こうすれば百貨店とオフプライス店で、同時期に全く同じ商品が並ぶということも起こり得ない。実際に実店舗を見た時も他の色のマフラーは棚に平積みされていたが、Berry Navyだけはひとつもなかった。

 

 

以上、やや偏執的な追い回しからわかったこととして、

・オフプライスストアの商品には、実際に百貨店に並んでいた商品がちゃんとある

・百貨店に並んでいた時より実際に安くなっているものもちゃんとある

と言えるのではなかろうか。

 

 

 

いや。

ここにきて大事な要素を忘れていた。

前回と今回の記事の方法により、疑念1および疑念2を部分的に晴らすことはできた。

が、

『百貨店のオフプライスストアには、オフプライス専売品はひとつもない』

と証明したわけではない。

本当にお得なのかを検証するならば、

専売品はあるのかかないのか、

仮にあるならば、それを避ける方法はあるのか、

というところまで検討して然るべきだろう。

 

この専売品の有無に関しては、前回用いたNordstrom系列に興味深い商品を発見したため、次回それを引っ張り出して愚考を重ねてみたい。