モノ魔リスト

モノ魔リスト

必要ではない。だがよく考えてみると、たしかに必要ではないようだが愛すべきモノたち。

帰国後14日間隔離で始める人生RTA【3日目】

 

中国の武漢に端を発し、爆発的な広がり方を見せるコロナウィルスの脅威を受け、ミシガンから帰国してから早3日目。

空港検疫にて無事陰性が確認された後、現在は会社手配のホテルで14日間の隔離生活に突入している。

bran-cpain.hatenablog.jp

海外の対象地域からの帰国者は、いわゆる濃厚接触者と同様の分類に該当する。

つまり帰国後は公共交通機関を使わずにホテルあるいは家まで移動し、その後14日間はそこから外出してはならない、という扱いである。

 

筆者が隔離されているのは会社が手配したホテルで、ここは公式に帰国者の受け入れをされている。通常の営業形態とはやや異なる形式を採用されており、ここそこに消毒液が配備されているなど対策をされているようである。フロントに何とはなしに聞いたところでは、やはり筆者以外にも結構な帰国者諸兄姉がおられるらしい。

 

部屋の掃除などはどうしているのだろうかと思っていたが、これは単純明快だった。帰国者の部屋については掃除用具を貸し出すので、自分自身で掃除をするという事だ。替えのタオル等は専用の回収所に出し、ゴミ出しについても同様。

確かに従業員の事を考えれば、それが現実的かつ最善の解だろう。宿泊当初は独房かと見紛うほどだった手狭な空間も、掃除の面を考えればむしろプラスだ。

 

 

ただ、問題は掃除やゴミ出しだけではない。

14日間の食事をどうするか、である。

 

 

さすがに14日間全く外出せずに断食というわけにもいかないし、結局隔離中も仕事をしているわけで、悲しいかないつも通り腹が減る。これに関しては検疫所からも「食事の買い出しなど最低限の外出は致し方ない」との説明があった。

ただ、最低限の外出と言ってもむやみやたらに出るわけにはいかない。自身の行動履歴(何日の何時頃、何分間ほどどこへ外出、などの覚書で、問い合わせがあった時のために必要。)をつけつつ、手早く済ませる必要がある。当然外出中はSocial Distancingを念頭に行動すべきだろう。日本では1mらしいが、筆者はミシガンで慣らした6フィート (約1.8m) を心がけている。

ここまで見ると、この隔離生活は米国ミシガンにいた際に経験したStay at Home Orderと極めて近い感覚である。あちらでも外出は最低限度にしていたし、掃除やゴミ出しはもちろん自分でやっていたし、Social Distancingは日本よりも厳格だった。更に言うと、あちらには14日間という期限はない。

 

 

ただ1点大きく違うのが、現在滞在しているのはホテルであって自宅ではない事だ。

つまり、自炊機能がほとんどない。

筆者からすると、これが極めて厄介である。

 

 

ホテルはもともとビュッフェスタイルの朝食付きだったようだが、現在はそれを取りやめて市販のパン類を自室へ持っていくスタイルになっている。帰国者はホテルのレストラン等は使えないため朝食はお預けかと思っていた矢先、この対応自体は大変ありがたい。

…ありがたいのだが、少々厄介なのがそのレパートリーである。一部おにぎり等もあるが数は限定的で、残りはこの手の菓子パンの類が大半を占めているのである。

f:id:Raretsu:20200419134132j:plain

若い頃ならまだしも、今はちょっと抵抗がある。

恐らくは予算の問題で苦肉の策なのだろうし、配慮してもらっているんだから四の五の言うなという意見はもっともなのだが、実際問題これを14日間食べ続けるのはあまり気が進まない。若い頃ならばまだしも、年齢を考慮すると尚更である。

となると、ホテルからはインスタントの煎茶だけありがたくいただくことにして、昼食や夕食の買い出しとまとめて買いこんだ方が良さそうだ。一応徒歩圏内に2店舗だけコンビニがある。

 

というわけで1年以上ぶりにコンビニまでやってきたわけだが、これがなかなかどうして買い物が難しい。と言うより健康的な生活をと色々気にし始めると、買い物が全く進まないのである。日本にいた頃もあまりコンビニに行かない性質だったのもあるだろうが、14日間コンビニ食生活というのを些か甘く見すぎていたようだ。コンビニど素人にとってここで正しい買い物をするのは、想定をはるかに超えて困難だ。

 

 

 

先輩駐在員の中に、米国生活1年で16キロ増量された方がいた。聞けば、一度も自炊をされずすべて外食で済ませていたそうだ。しかも年長者から可愛がられるタイプの御仁だったためよくお酒のお誘いがあったそうだが、曰く一度も断らなかったそうだ。

彼の「駐在したのにお金は増えずにお腹だけ増えちゃったよハッハッハ。お腹育てたいんじゃなければ自炊した方がいいと思うよ。」との発言を踏まえ、米国では自炊メインに過ごし、結局帰国時に体重は1キロ減という体型維持ができた筆者ではあるが、この2週間でついに増加傾向へと転じそうだ。

 

 

今思えば彼の先輩駐在員は、米国生活を通じて最近流行の人生RTAに興じていたのではなかろうか。

であれば筆者も同様に元駐在者として、この隔離中はコンビニ食縛りという人生RTAに挑んでみるのも一興と捉えようか。

そう考えれば実に他愛もない。何せ2週間の期限付きだし、彼の所業に比べれば赤子の手をひねるようだろう。

 

 

追記

先ほどゴミを捨てに行った際、他の帰国者諸兄姉のゴミがちらりと見えたが、やはりというか誰もかれもが人生RTAコンビニ食縛り編に興じているようだ。ならば筆者もこの小波に乗るほかあるまい。