モノ魔リスト

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必要ではない。だがよく考えてみると、たしかに必要ではないようだが愛すべきモノたち。

きっと壊れにくいスーツケース【スーリー Thule Revolve Spinner シリーズ】

 

新年早々に縁起が悪い感もあるが、

スーツケースが壊れた。

 

無神経に石畳の上ガラガラと引いていたためか、持ち手側のキャスターの片方がいかれてしまった。

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今思えば、随分ゴキゲンな色のスーツケースである。

写真ではわかりにくいが、黒い部分が完全に陥没してしまい、自立すらままならない状態である。既に保証期間も過ぎている。個人的にスーツケースは消耗品と割り切っていることだし、買い直しである。

 

折角米国にいるし米国ブランドでも買うかと安直に考え、とりあえず近場で安かったTUMIを購入してみた。

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実際、米国ではこの手のスーツケースは結構安く手に入る。筆者が最初に買った上記のスーツケースは350ドルほどだったが、日本で似たようなモデルを買うと7万円を超えるらしい。仮にセールにかかったとしても、3万円台でTUMIを購入するのは日本だと難しいのではないだろうか。

 

当初はこれで満足していたのだが、冷静に家に帰って押したり引いたり細部を点検してみたりすると、何となく不安になってきてしまった。

別段TUMIのつくりが悪いという事ではない。

ないが、以前使っていて壊れたスーツケースに比べて3倍近くの価格にもかかわらず、

『基本的なつくり自体は特に変化ない』

ということが気になってしまったのである。 

 

 

スーツケースやトランクという類のブツは、

・キャスター

・持ち手

のどちらかが壊れて買い替え、という事が多いように思う。なのでキャスターや持ち手回りはできるだけ頑強であって欲しいと素人目にも思うのだが、ぱっと見ただけだと1万程度のスーツケースにせよ、3万超えのSamsoniteにせよTUMIにせよ、あまり差がないように見えてしまったのである(もちろん実際には素材や構造の違いなどはあるのだろうが、素人目の判断によるものである)

 

ともあれ3万円を超えるようなスーツケースならば、もう少し目に見える形で違いは出せないものだろうか…と思って細々と捜索を続けていたところ、

ついにそれらしいものを発見した。

 

 

Thule Revolve Spinner

正面

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デザインはまさにシンプルといった感じで、カラーは3色、サイズも3通りあるようだ。なお筆者のものは27インチ (68cm) である。

持ち手の高さは2段階で調整可能で、これがこれまで手にしてきたどのスーツケースより、やたらと剛性が高い。その頑丈さの理由は、裏側を見れば伝わってくる。

 

裏面

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他のスーツケースに比べると、やたらと持ち手が太く頑丈なのである。

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流石に中身は中空だろうが、実測で27mm×17.3mm程度の太さがある。これまで使っていたものが20.8mm×13.4mmであったから、断面積で言うと1.7倍近い。最強の持ち手と断言していいかどうかはわからないが、少なくとも相対的にはかなり強そうである。

恐らく設計公差もシビアなようで、殆どガタつきが感じられない。逆にガタつきがなさすぎて、引き出す時にちょっと硬すぎるきらいがあるほどだ。

 

キャスター

もう一つ特筆すべき点、というかややもすると感動してしまった点が、キャスターである。

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斜めに傾けて引く場合、持ち手側の2輪のみに負担がかかる。これを考慮して、持ち手側だけ大径ホイールを採用しているというのだ。つい最近持ち手側のキャスターをバーストしてしまった筆者からすれば、これこそまさしく追い求めていた違いとすらいえよう。

 

その他の特徴

既に筆者は持ち手とキャスターで何やら満足してしまったが、一応他の特徴についても触れておくことにする。

 

ファスナーの噛み合わせ部

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ファスナーのかみ合わせ部だが、樹脂製の板が内側に潜り込んで噛み合う構造になっており、やはり強度が向上している。

 

TSAロック

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正直これは一般的なスーツケースにもついているため、普通と言えば普通である。

 

材質

バージン材のポリカーボネート製だという話で、菱型のような細かいパターンが施されている。恐らく傷が目立たないようにという配慮だろう。

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内側

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内側は同系色のフェルト地の生地が張られている。

 

IDケース (?)

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持ち手側にカード類を収納できる引き出しもついている。IDケースということだが、日本のパスポートはサイズの問題で入らない。もっとも筆者は入れた事自体を忘れてしまうので、恐らくは使わないように思うが。

 

産地

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何故国名を書かないのかは不明だが、とりあえずヨーロッパのどこかで生産されていることがわかる。説明書によればポーランド製らしい。ちなみにスーリー自体はスウェーデンの企業である。

 

Thule (スーリー) について

www.thule.comスーリーという企業そのものについては、カーキャリアで有名な企業だそうだ。筆者は寡聞にして存じ上げなかったため、正確な情報は公式HPに任せることにする。

そしてどうもこのRevolve Spinnerシリーズは、ハード素材のスーツケースとしては同社初の製品群らしく、つい2019年に発表されたものだという。そういう意味では、TUMISamsoniteのような知名度は無い可能性がある。知名度を気にする諸兄姉はやや注意かもしれない。

なお”Thule”の発音だが、"too-lee"という感じで発音するのが正しいそうだ。

 

使用感

最近、冷蔵庫の扉が自重で開くようになってきてしまったため、現在はストッパーとして活躍中である。今のところすこぶる良好な働きぶりだ。

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スーツケースとしての使用感

このサイズは日本帰国時に使うことになるため、使用後にまた何か垂れ流せればとは考えている。

何はともあれスペックだけ見れば、非常に好感の持てるスーツケースであることに異論は (個人的に) 無い。価格は安くはないが実勢価格はTUMIと殆ど同額である。このデザインが受け付けるならば、ひとつの選択肢としては有りではないかと愚考するものである。  

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個人的に最も好印象であったのは、例の鞄と色が割と近しい事であった。