モノ魔リスト

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必要ではない。だがよく考えてみると、たしかに必要ではないようだが愛すべきモノたち。

メガネ・サングラスのライセンスブランドについてもう少し垂れ流したい

 

先日、

サングラス等のアイウェアは、その多くがライセンスブランド

であることについて垂れ流した。

 

そして近年になって新勢力が現れ、その勢力図に影響を及ぼしているという事まで垂れ流した。よって、今回はそれらの新興勢力の2社に着目して垂れ流したい。

 

 

新勢力その1

新たな勢力のうちの片方は、2014年に発足したKering Eyewear(ケリングアイウェアである。

www.kering.com名称が名称なので容易に察しはつくが、これはファッション・宝飾業界における3大グループ(コングロマリットのうちの1つたるKering(ケリング、旧PPR)、その傘下のアイウェア企業である。

このケリングアイウェアの手掛けるライセンスブランドは以下の通り。(2019年12月時点)

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これも名称が名称だけに容易に察しはつくが、現状のライセンス契約15社にしてこの様相である。ケリンググループの中核グッチを筆頭に、バレンシアボッテガヴェネタブシュロンサンローランと、ケリングの主要ブランドが目白押しである。

くどいようだが名称が名称だけに容易に察しが付く通り、このケリングアイウェアはケリング傘下のアイウェア事業の内製化を目的に設立されたわけである。

先日の記事でも触れたが、グッチは2016年までサフィロとライセンス契約していたが、その後このケリングアイウェアに移管された。

これはサフィロ側からすると稼ぎ頭であるグッチ(売り上げにして約15%分)を失った事を意味し、翌年には赤字転落の憂き目にあっている。

wwd.com

 

一方で浅学な筆者としてもやや違和感を感じたのが、一覧の中にリシュモングループのブランドが含まれていること、それもリシュモンの盟主たるカルティエが入っている事である。

リシュモンケリングは互いに競合関係にあたるはずで、アイウェア事業とはいえトップジュエラーとして影響力の大きいカルティエのライセンスを委託するとは何とも怪奇な、と思ったものだが、このあたりも軽く調べたところどうやら事情があるようである。

 

www.kering.com上記の記事によれば、

ケリングアイウェアは、これまでのカルティエのライセンス契約先であるMANUFACTURE CARTIER LUNETTESを統合。そのケリングアイウェアの株式の一部をリシュモンが取得。ここにおいて、ケリングアイウェアリシュモンアイウェア事業に関しパートナーシップ提携を発表した。

という事らしい。

後に続くようにリシュモン傘下のモンブランも、2018年にマルコリンからケリングアイウェアに移管しているところからも、ファッション・宝飾業界における第2位3位の巨大グループが、アイウェア関連において事実上タッグを組んだ形に見える。しかもカルティエの元ライセンス契約先を統合している事もあって、ノウハウは既にそこにあるということである。買った買われたを恒常的に繰り返すこの業界らしいとも思えるが。

ともあれ、今後ケリング・リシュモン双方のブランドが徐々にケリングアイウェアへと移管していく事が予想されるわけで、この成り立ちを知れば、新興勢力と言いつつ強い影響力を持っているのも何となく腑に落ちるように思う。

 

 

新勢力その2

3大グループのうち2位3位がこの動きとあらば、1位も当然何かしらの策を講じているはず…とこれも容易に察しは付くが、新興勢力のもう一方はLVMH擁するTHELIOS(ティリオス)である。設立は2017年。こちらはこちらで、先日の記事から度々登場しているアイウェアメーカーのひとつ、マルコリンとの合弁企業という形でスタートしている。

www.thelios.com

このティリオスであるが、ライセンス契約ブランドは以下の通り。(2019年12月時点)

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設立時期もあってかまだ5ブランドと少ないものの、セリーヌを皮切りにロエベフレッドケンゾーと続き、今秋には高級靴ブランドで知られるベルルッティも名を連ねている。

ティリオスもケリングアイウェア同様、今後も順次傘下のブランドが移管していく事が考えられる。例えばディオールに関しては長らくサフィロとライセンス契約を行っていたが、2020年いっぱいでこれが終了するため、その後ティリオスへ移管される可能性が高い。

 

しかし3大グループがいずれも内製化を目指すとなると、供給の構造がそれなりに変わっていくのではないか、と素人目には思える。

何せ、この3大グループの傘下ブランドの数・規模は単純に大きい。ケリングにせよリシュモンにせよ売り上げ1兆円はゆうに超え、LVMHに至っては殆ど5兆円規模である。しかも3社とも縮小する気配は全くないどころか、つい2週間くらい前にはLVMHが162億ドルでティファニーをお買い上げというニュースすらあったほどだ。

自身も3大グループ匹敵する巨大企業であるルックスオティカはともかくとしても、他のメーカーについては実際どうなのだろうか。グッチに続いてディオールすら失ってしまうサフィロの例を見るに、ひょっとしてラグジュアリーブランドのライセンス生産を多く手掛けていればいるほど気が気ではないのが実情なんではなかろうか。

 

となると各社のライセンスブランドに対し、どのように・どれくらい傘下のブランドが分布しているのかがそこはかとなく気になるところだ。

ということで、次回の記事ではその辺をそれとなく色分けでもして、再び垂れ流してみたい。

 

Raretsu