モノ魔リスト

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必要ではない。だがよく考えてみると、たしかに必要ではないようだが愛すべきモノたち。

米国のデトロイトあたりで住み始めたような時に驚いた気がする4個ぐらいの事

 

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初めて配達スタイルを目の当たりにした時のイメージである。

 

日本で働いていた頃を懐かしむ事は特段にないが、しかし気づけば筆者も日本から米国へ赴任してそれなりに経過した。

 

赴任した当初こそカルチャーショックというか、その手の驚きに包まれた毎日であったように回顧するが、近頃はそれなりに順応しつつあるのだから空恐ろしいものである。

 

しかし初心を忘れずにとはよく言ったもので、ついては優れた先達の方々が好んで使われるような題名フォーマットに倣い、当初の記憶を少しばかり掘り起こしてみようか、と言わんばかりの瞳で垂れ流しを敢行してみたい。

 

 

 

ちなみに優れた先達の方々が好んで使われるような題名フォーマットというのは、

 

○○な私が◇◇なやり方で××した☆の理由

 

といったようなタイプの題名の事を指している。

軽薄な筆者が聞きかじったことによると、メカニズムはよくわからないものの、この手の題名を書くだけでアクセス数に効いたりするらしい。

辺境ブログがアクセス数を気にすることもなかろうが、幸運の壺を買うよりは多少ご利益がありそうなものであるから、適用してみることにした。

 

 

 

ただこの手の題名は、とてもはっきりとした物言いで快刀乱麻を断つが如くである。このスタイルは愚昧たる筆者にはとても似ても似つかぬ。

 フォーマットそれ自体には肖るにせよ、多少の手直しが必要であろう。

 

 

例えば、

 

①米国にいるのは確かだが、実際に居住しているはデトロイトではなく、実は微妙な位置である。

よって、”デトロイト『あたり』とするのが適当である。

 

 

②米国に住んでいるとはいえ、あくまで日本企業からの赴任という形であるから、その期間は限定的である。現地企業の現地採用でバリバリ働いて、住居も構えているという人とどうして比べられようか。

よって、”住み始めた『ような』時”が妥当だろう。

 

 

③実は赴任してからそれなりに期間が過ぎてしまっているから、当時どのくらい驚いたかは正直あまり記憶していない。人間の記憶は意外とあてにならないことは言うに及ばず、わけても筆者の記憶となると言わずもがなである。驚いたと記憶していても、実際には大したことがないかもしれない。

よって、”驚いた『気がする』”が適切だろう。

 

 

④この私が驚いたのは何個の事柄にカテゴライズされる、といったように断言できる事こそ理想であり、あるべき姿である事は理解しているが、記憶力の乏しい筆者の場合は書いている途中に思いついたり忘れたり、という事がままある。書いている途中に戸数が変わるという事は高い確率で予想されるから、ある程度幅を持たせておいた方がいいだろう。

よって、”『4個ぐらい』の事”が穏当だろう。

 

 

 

しかして得られた題名が、

『米国のデトロイトあたりで住み始めたような時に驚いた気がする4個ぐらいの事』

と相成ったわけである。

 

 

 

 

 

 

さて、題名の説明がわずか1000字余りで終わってしまったことにある種の驚嘆を覚えつつ、早速4個ぐらいの内容について移っていきたい。

 

 

 

配達員に優しい配達スタイル

これは日本から移られた方であれば誰しも感じる事であろうし、既に手垢のついたトピックではあろうが、しかしやはりその合理的な配達スタイルに触れずにはいられない。

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全部が全部こうではないが、しかし大半はこうである。

日本では再配達率が問題になっていたりするが、基本的にこの国(少なくとも筆者の身の回りでは)こういったスタイルである。

知識として知ってはいたが、やはり実際に初めて経験した時はやはり驚いたというか、所謂二度見をしてしまった記憶がある。

 

写真のようにドアの前ならばわかりやすいが、たまに階段の途中に落ちていたりもするので、隣人の物か自分の物か本気で分からず、確認する必要がある場合もある。

とはいえこれが使ってみると存外に慣れるもので、今ではこちらの手法の方が好みであったりする。というのも、帰宅して階段を上がる際、あれは届いているかな、まだかな、という心理がちょっと働いてしまったりするのである。

ある種、プレゼントを期待する幼子のような、とそこまで言ってはあまりにメルヘンに過ぎるだろうか。

 

 

ちなみに国際配送のEMSなどを使うと、本人のサインをもらうため、日本と同じような再配達のシステムが設定されている場合もある。やはり日本と同じように電話やWEB等で再配達を依頼する形式である。

再配達において唯一日本と違う点を挙げるなら、再配達を依頼したとしても大体時間通りには来ないという事だろうか。時間指定云々というか、そもそも来ない場合も多い。

 

こと筆者の最寄りのUSPSは大らかで有名だそうで、筆者の数回の経験によれば一度も再配達に来てくれたことがない。

来ないので、最終的には郵便局まで直接受け取りに行く。『再配達を頼んだ』事を窓口で一応伝えても「あらそう?そんなの受け取ってないと思うけど。」と、小気味よい対応が冴えわたる。

 

 

 

アパートの管理人が合鍵でよく出入りしている

アパートの契約をし、入居してからすぐの時に多かった事だが、特にことわりもなく、非常にカジュアルに、管理人が出入り(少なくとも扉を開け閉め)する。

 

例えば何か契約書類を渡す時など、

「郵送した方がいいか?」

と聞くと、

「いや、お前の部屋の中、そうだなドアの脇にでも置いておいてくれ、回収しておく」

というのが何度かあった。実際、仕事に行っている間にはなくなっているのだから、少なくとも合鍵で出入りしているのだろう。

 

書類を回収しにきたついでか、ご親切にもその日のUSPSの荷物が部屋の中に入れられていることもあった。

 

 

 

 

しかし何と言っても一番驚いたのは、トイレが故障した時の事である。

 

故障したとはいっても水洗レバーにつながる部品が一か所折れただけであり、とりあえずその日の朝に応急処置をして、当面は流すことができるようにしておいた。

よって当座流せずに困っているわけでもなし、電話で急かすほどの事でもあるまいと思い、朝の10時頃に管理人へトイレが壊れた旨を写真を添えてメールしておいた。

 

するとほどなくして「メンテナンスに報告しておく」と一言返ってきた。

この様子であれば、その日のうちにでも『○日に交換できる見込みだ』などの連絡がくるか…などと予期していた筆者は、今思えばまだまだ日本の文化に眉間まで浸かっていたのだろう。

 

 

 

何せそのおよそ2時間後、つまり12時頃

 

職場から一旦自宅に戻ると、トイレはすっかり修理されていたのである。

 

筆者が施した雑な応急処置の跡も綺麗さっぱりもなくなっていたので、その部品ごと回収して帰ったのだろう。

しかも『修理完了しました』等の一切の報せもなく、である。

これこそ究極にシームレスな仕事ぶりと言わざるをえまい。

 

ただ筆者に流れる日本の血が騒ぐのが、

管理人が合鍵でドアを開け、立ち会って修理したのか、

或いは修理人に合鍵をポンと渡して修理してきてもらったのか、

という事だが、そのあたりは詮索しないことにする。まあ十中八九、後者と予想するが。

 

 

無論、この例に関しては管理人によると考えられる。

現に同じ州に居を構える人に話を聞けば、『家に入る時は事前に必ず報せがある』というケースをよく耳にする。

地域性もあるのかもしれないが、筆者のところの管理人が妙にアグレッシブなのかもしれない。

 

ただ、『事前許可さえあれば、合鍵で割とカジュアルに出入りする』というのはそれなりに普遍的なようだ。

 

 

 

 

正面一番上の引き出しは開かない(事が多い)

 これは完全に筆者のアパートに限る話かもしれないが、引き出しが3列ある場合、何故か真ん中の一番上はハリボテである場合が多い。

 

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右。開く。

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左。開く。

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真ん中。開かない。

 

 

 

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別の引き出し。右。開く。

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左。開く。

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真ん中。やはり開かない。


これは最初は驚いたような気がするが、そもそもそんなに引き出しを使いきっていないので実害はない。

ただ引き出しにするつもりがないのなら、わざわざ取っ手までつける必要はないのでは、とは未だに思う。

これは何か宗教的な意味があるのか、或いは単に見栄えの問題か、何某かの決まりがあるのか。

多少気になるが、しかしこれ以上深入りして詮索する気は全くない。


ちなみにこういうパターンもある。

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引き出しではないが、収納にならないのならば扉をつけなくても良かった気もする。

この場合はさしずめ、開くが使えないといったパターンか。
恐らくこちらのパターンの方が格は高いのだろう。

何の格が、と問われればその答えは見いだせないが。

 

 

 

さて、当時驚いたことはもっと多岐にわたったように思うが、現在の筆者が回顧できるのは所詮この程度である。

何せ『米国に来て何が一番驚いた?』と訊かれて真っ先に思い浮かぶのが

 

『トイレが2時間でシームレス修復』

 

なのだから、致し方ないという他あるまい。

 

Raretsu