モノ魔リスト

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必要ではない。だがよく考えてみると、たしかに必要ではないようだが愛すべきモノたち。

都内からもアクセス可能な穴場ノマドカフェ【Cafe Immortelle】

 

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カフェと一口に言っても色々あるが、筆者は『コーヒーをメインで扱っていて、何となく居心地の良い』スタイルのカフェを好んでいる。また現在の仕事柄、PC(とマネージャーの許し)さえあればリモートワークも可能なため、電源やネット環境が整っているカフェも好む傾向にある。

 

こういったカフェと言うのはよく『ノマドカフェ』あるいは『穴場カフェ』などと呼ばれたりする。そして、その手のカフェというのは様々な有益なサイト様で紹介されているのだが、その情報を頼りに嬉々として行ってみると、猛烈に混んでいてもはや穴場でも何でもない、という事が往々にしてある。

考えてみれば自然な話だが、大手の媒体で紹介されたらその時点で既に『穴場ではなくなる』のだ。

 

 

しかし当ブログは辺境である。

だからこそ穴場カフェを、『真の意味で穴場として紹介可能』だ。これは大手の媒体には決して真似できない、ある種神がかりともいえる所業である。単に影響力が無いということである。

 

ともあれそういう理屈で、

ノマド可能で、都内からもアクセスできる、そして確実に空席がある穴場カフェ

として、今回はこのカフェをこそ垂れ流したい。

 

 

それがここ、『Cafe Immortelle』である。

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店内

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オーナーがアンティーク好きとのことで、内観はややヴィンテージ調の雰囲気でまとめられている。席数は窓際のカウンター席を含め、おおよそ15席程度。

ちなみに元々は理容室になる予定だったところを、オーナーが自ら6カ月かけて改装したそう。よく見れば、テーブルや椅子にもその面影が見られる。

 

メニュー

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2019年12月時点のメニュー。チップはお好みで。

コーヒー及び紅茶、軽食の取り揃えがある。コーヒーは豆はあのPopulace Coffeeから仕入れているそうで、紅茶はオリジナルとの事。どちらも希望すれば、量り売りしてもらうことも可能だ。また、時期によって軽食のスペシャルメニューもあるようだが、これは国際色があって興味深い。

 

 

ノマド情報

先述の通り席数はカウンター席も含め15席程度と多くはないが、筆者の知る限り満席になっているところは見たことがない。壁際にはコンセントが配備されており、必要な場合は店内奥に掲示されているパスワードでWifiにも接続可能できるのに、である。

これは恐らく、立地がそもそもやや郊外である事に加え、通りから見ても非常に目立たないところにあるからだと思われる。

これについて、「最初通り方見た時はここにカフェがあるとは思わなかった。なぜここを選んだのか?」と聞いたところ、

「探さないとわからない、何というか隠れ家っぽい感じを出したかったんだ」

との事だった。

まさしく『穴場となるべくして生まれた穴場』ということだろうか。

 

 

特筆事項

このカフェで何より特筆すべき点は、先も述べた通り『落ち着ける』事である。

この落ち着けるというのは単純にすいているということもそうだが、何よりフィリピン出身のオーナーが驚異的なほどフレンドリーなのである。筆者が知る限り、殆どすべての来訪客と打ち解けているように見える。オーナーはこの年めでたく御年52歳を迎えたそうだが、人の名前を覚えるのが相当得意らしく、一度顧客が入店すると「やあ!〇〇じゃないか!」といった風に客の名前を覚えている様を散見する。筆者にいたっては、アンティーク好きという共通の趣味があったこともあってか、1回目で名前を覚えられ、2回目の来訪で何故か奥さんを紹介されてしまったほどだ。

 

顧客が自分の名前を書き込めるボードなども設置されていたりするのも、いかにもと言った感じである。

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そして驚嘆すべきなのは、それほどにフレンドリーだというのに、それが別に押しつけがましくもなければ過剰でもない絶妙な塩梅である、という事かもしれない。これは他の従業員も同様の傾向である。物臭な筆者ですら定期的に足を運んでしまう理由は、結局のところそこかもしれない。 

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いつも5時を指している店内の時計。フィリピンにおいて5時は飲み始める時間を意味しているためその時間にしている、とはオーナーの言。

 

都内からのアクセス方法

それはそうと、今回は『都内からもアクセス可能』と題していた。

よって、そのアクセスの方法だけ書いて結びとしたい。とりあえず某JR東日本と東海がバチバチだと有名な品川駅からの経路を載せることで、都内からお越しになる諸兄姉に参考になればと祈っている。

 

品川駅からのアクセス

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まずは鉄道で成田空港へ。デルタ航空は第1ターミナルのため、成田空港駅が適当である。

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デルタ航空から直行便が出ており、なんとこれなら12時間足らずで移動可能である。

 

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デトロイト・メトロポリタン・ウェイン・カウンティ空港までたどり着いたら、そこから車で大体1時間前後である。なお、17時以降はラッシュに巻き込まれることが予想されるため、それ以前の出発がお薦めである。

 

以上が都内 (品川) からCafe Immortelleまでのアクセス方法である。その日の午後から移動開始してその日じゅうに到着できる。都内からアクセス可能、と断言しても全く問題は無いだろう。

営業時間は18時までなので、その点だけご留意いただきたい。

cafe-immortelle.business.site

 

【MEGA MALL】あの全米14位のGDPを誇るミシガンはランシングに鎮座せし最大のモール

この記事も5分では読めません。

 

 

こと「全米」と聞くと、脊髄反射のごとく『震撼』とか『泣いた』とか『ナンバーワン』とかのワードを後ろにつけたくなるのは陰険な筆者に限った話であろうが、そんな全米において堂々14番目のGDP(2018年名目GDP)を誇るのが、かのMI、すなわちMichigan(ミシガン)州である。

 

 

このミシガン州、そのGDPもさることながら人口で見ても10番目(2015年)、面積で見たならば11番目、更に州都はあのLansingである。

かような情報を踏まえたならば、このミシガンが全米においても1,2を争うほどに重要な立ち位置にあると断言して然るべきと言うのも、強ち過言かもしれない。

 

 

 

 

そしてかのLansingに聳え立つのが、ひょっとすると泣く子も黙るのではないか噂される程に大きいとされる「MEGA MALL」である。

www.michigan.org

 

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かのLansingの中心地から見て、車でおよそ10分ほどの距離にある。

 

 

 

この手のアンティークモールというのは、何の前置きもなく道の脇に出現するものだと言及したのが記憶に新しい気もするが、それはミシガン最大規模実しやかに噂されるこのMEGA MALLであってもその例に漏れないようだ。

 

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一本道を走っていると、この風情のある看板が突如道の湧きに現れるのである。

 

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敷地が広すぎて収まっていないが、ひとまず最大と噂されるだけあって大きいのは間違いないと言えるだろう。

 

 

 

 

 

ところでこのMEGA MALLであるが、てっきりどこぞのアウトレットモールのようにLargestと銘打っているかと思いきや、実際に看板を眺めてみたならば、その慎み深さに誰もが心打たれてしまう事請け合いである。

 

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そう。

 

『Largest Antique Mall』ではなく、『Most Unique Shopping』なのである。

 

 

明らかに広い敷地を保持しながらも、しかしその物理的な敷地の広さを誇示するでもない。

そして「アンティーク」の名を敢えて外し、自らをその埒外に置いている。

 

 

14番目のGDPを誇るミシガンにおいては、アンティーク戦争ひとつとってもまさに血で血を洗うような、激烈にして苛烈な争いとなる。

それに対し、勇気の一歩後退を演じているこのMEGA MALLは、やはりミシガンにおいても数段次元の違う存在であると言っても過言かもしれない。

 

 

 

 

さてそんなMEGA MALLではあるが、実際にその規模というのはやはり大きい。

 先日個人的な意見を垂れ流したKnights Bridge Antique Mallに比しても、目測で2倍以上の敷地面積を誇っているのではないか、と筆者は愚考する。

 

ナイツブリッジアンティークモールがそうであったように、このメガモールにおいてもブース分けが為されているようだ。

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やはり他のモールと似てそれぞれブースに分けられているようだが、全体の敷地が大きいだけあってかなりの数である。

 

 

このブース分けであるが、どうやらこのメガモールでは 

様々なディーラーが、それぞれが自分のブースに商品を陳列して商売する

という様式のようである。

 

 

 

 

従って、ブースによってかなり商品の傾向が違ってくる。

 

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ブース単位でセールを行っているところも散見される。

 

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アメリカンなバーには必需品でありそうなグッズを揃えているブースもある。

 

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気づけば自ずと背後にある、古書コーナー。

 

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ディーラーによっては結構きちきちに陳列するようで、割合死角が多い。突然別のお客さんが背後に現れたりと、ちょっとしたアトラクション…とまでは言わないが。

 

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奥の方に行くと、ブースの途切れ目がよくわからない場所も出てくる。

 

 

 

加えて、『Antique』と銘打っていないだけあって、別にAntiqueらしい品物でなければ絶対いけないというわけでもないようである。

 

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例えばこちらのディーラーは、『CoolなStuff』なら何でも買い取る余地があると豪語しているようだ。

 

 

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こちらなどは、割合新しい絵に見える。どちらかというと、少女の仄暗い視線の方が気になってしまうが。

 

 

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こちらなどは、明らかにアンティークとは言えない陳列物だろう。しかし普通に取り扱えている以上、お店側として特に問題はないようだ。

 

 

 

なお、店内が広いだけあって一部のブースは空きがあるようである。

 

 

当然それぞれ賃料が発生するようだが、

 

全米で14番目のGDPを誇るミシガンの中心たるランシングにて、アメリカンドリームをこそその手に掌握されたい諸兄姉

 

は是非とも検討してはいかがであろうか。

 

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ディーラーによっては、「うちはここで5年商売を続けている」といった類の張り紙をつけているブースもある。このメガモールで商売を続けるのは、それだけで歴戦の猛者たる証となるのかもしれない。(ブース名のみ編集で削除)

 

 

 

あまりに広いので、全てを紹介することは甲斐性皆無の筆者には到底不可能だが、このメガモールの傾向として以下の点を挙げておきたい。

 

・圧倒的な敷地面積

・アンティーク以外も手広く扱う

・時間を潤沢に使ってユニークな一点ものを探し出したい諸兄姉向け

・逆にこの手の物品をピンポイントで探している諸兄姉からすると、訪問優先度は低め

 

 

 

ちなみに商品ではないが、このメガモールのRestroomにあるハンドドライヤーは一見の価値がある。

MOTTAINAI精神は日本独特であるとの説を小耳に挟みかけたことがあるが、これを見たならばどっこい、米国にもまた同種の精神が根ざしているではないか、と首肯する事請け合いである。その手法こそ異なるかもしれないが、その姿勢に一種の賞賛を禁じ得ないというのが、他でもないこの筆者d

 

 

 

 

 

ちなみにランシングに足を運んだならば、カフェイン補給にこちらも一つ、と試さずにはいられないのがこちらのカフェであると言っては過言だろうか。

 

 

比較的風情のある街並みの中に、突如として1軒だけ真新しく小綺麗なビルが現れたなら、それがそこに現れたという事である。

 

strangemattercoffee.com

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店員に訊くと、「もともと向かいにあった店舗を、2年ほど前にこちらに移転した」とのことである。道理で明らかにFancyなわけである。

 

 

中へ入ると、どこにそんなに隠れていたのだと驚嘆するほどに、いかにもお洒落な若者で溢れ返っているのだから驚きである。

そこだけお洒落偏差値の箍が外れているかのように感じられるほどだ。

 

 

 

 

ちなみに店舗のお洒落さにも驚いたが、そのサイズのお洒落さにも意表を突かれた。

 

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どの家庭にもあるアポログラインダーとパトリモニーで比較するに、このサイズはお洒落だと言わざるを得ない。

 やはり気になるところは一度は試してみるものだ、と愚考せずにはいらない筆者である。

 

 

Raretsu

 

【Black Walnut Bakery Cafe】ミシガンからカナダへ征かれると?ならばロンドンを経由されたし。

 

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ミシガン、それもデトロイト近辺は、立地上カナダにほど近いところに位置している。

ミシガンそれ自体が全米でも14番目のGDPを誇るという特徴があるのだが、カナダに近いというのもなかなかに捨てがたいメリットと言えるだろう。

 

例えば筆者の住まいから考えれば、観光地として名高い彼のナイアガラの滝であったり、あるいはトロントも、およそ5時間も運転すればたどり着ける。

デトロイト近辺にお住いの御仁が、果たして年間何人ナイアガラの滝に挑戦されるのかは皆目見当もつかないが、観光地として高名であるがゆえ、れはもう相当数おられるものと憶測が止まらない。

 

 

 

このブログがナイアガラの滝やトロントと同じように高名なブログであったならば、この流れで

 

『ナイアガラの滝観光!おすすめ見どころ情報!』

『ここだけは外せない!トロント観光のおいしいとこだけ!』

 

といった勢いで観光情報を載せたいところではあるが、悲しいかなこの辺境ブログにはそのような有益な情報は似つかわしくない。

 

あくまで辺境ブログであることを念頭に置き、ピンポイントかつさほど役に立つとは思えない情報を提供する姿勢を貫く必要があることは、もはや検討するまでもなく明白だろう。

 

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本記事における申し訳程度のナイアガラの滝要素である。なおこれ以降、ナイアガラの滝は一切登場しない。

 

 

 

つまり、『ナイアガラの滝あるいはトロントに行った後どうするか』ではなく、『ナイアガラの滝に行く途中はどうするか』あたりのピンポイントで物を考えていく必要がある。

 

 

『行く途中』となると、それはつまるところ車の運転中を意味するだろう。

ミシガンからカナダへ赴く道は平坦かつ、まっすぐな道が続く。ややもすると眠気を催してしまう諸兄姉もおられるのではないかと憶測を立ててやまない。

 

 

 

 

となると、その道中に絶対必要不可欠と言っても過言なのはそう、

 

 

 

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www.blackwalnutbakerycafe.com

 

『いい塩梅の立地』で、『いい塩梅のコーヒー』『それとなく』提供してくれるカフェであるだろう。

 

 

この3条件を満たすカフェがあったならば、それはナイアガラの滝やトロントをすらも凌駕する存在となりえると言ってしまっても過言だろう。

 

 

 

 

 

そして今回、筆者としてはそこにカナダはロンドンに存在する

【Black Walnut Bakery Cafe & Roastery】

をこそ、推したいと考える次第であり、以下にその論拠を詰めていきたい。

 

 

 

 

『いい塩梅の立地』に関する愚考

 

ロンドンと聞くとまず連想されるのは、かつて英国の良心と謳われたあの名門靴メーカーを擁する彼の国の首都であろうが、しかし今回は彼の国ではなく加の国、すなわちカナダに存在するもうひとつのロンドンである。

 

 

さてこのロンドン、デトロイトあたりから見るとおおよそ中間地点に位置している。

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デトロイトから出発したならば凡そ2つのルートが考えられるが、そのどちらにおいても大体中間地点である。

 

 

2時間の運転に対して10分~20分程度の休憩が望ましいとされているそうだが、最初に出発しておよそ2時間、その地とはまさしくロンドンではなかろうか。

 

つまるところこの立地は、先述の条件、『いい塩梅の立地』ということになると筆者は愚考するわけである。

 

 

 

 

『いい塩梅のコーヒー』に関する愚考

 

『いい塩梅のコーヒー』と書くと何やら字面がおかしいようで、それこそへそでコーヒーをドリップせずにはいられない諸兄姉もおられるだろうが、しかしこのいい塩梅を評価するのはなかなかどうして難しい。

 

 

ただ、少なくともこのカフェに関して言えば恐らく『地元の人気店』であろうことは伺い知れる。

 

屋内席がおよそ40席程度あるのに加え、テラス席も同程度あるために合計で大体80席程度収容可能なようだが、昼時前に伺った時点で半分以上は席が埋まっている印象であったためである。カフェタイムともなれば常時満席となってもおかしくはない。

 

また寒いカナダのこと、冬の時期はテラス席など寒くて滞在できたものではないだろうから、冬場の店内は更に混むこと請け合いだろう。

 

筆者同様にコーヒーをテイクアウトしていく御仁も散見され、総じて繁盛しているのではないかと推察する次第である。

 

 

 

コーヒーの品揃えとしては、アメリカーノやラテ、モカといったエスプレッソドリンクをメインに、ドリップコーヒー、コールドブリューやデカフェといった展開もある。

全体として、フェアトレードであることが念頭にあるようだ。

 

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ちなみにマシンはELEKTRA製を使用しているようだ。あまり見かけないようにも思うが実際どうなのかは筆者には全くわからない。

 

基本的には12oz (355ml) あるいは16oz (473ml) の2サイズで揃えている。

小さいサイズだとアメリカーノの2カナダドルちょっと、ラテが4カナダドルちょっとであるから、感覚的にはアメリカーノがおよそ200円前後、ラテが400円未満といったところだろう。

 

 

 肝心の味に関しては、

・全体的にインパクトはさほど強くない。

・酸味はほとんどない。

・どちらかというと優しい味わい。

という感覚であった。

 

もっともこれは曖昧な筆者の曖昧な味覚であるからして、参考以下程度の情報であることは言うに及ばず。

カナダのコーヒーが全体的にこういう傾向なのか、或いはフェアトレードを推している店がそういう傾向にあるのか、といった点も含めて、筆者には全くわからないということを追記しておきたい。

 

 

 ちなみに豆の販売も行っている。 

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いずれもフェアトレードであるようだ。

 少し驚いたのは、1Lb (454g) で19カナダドルという点である。

執筆時で1カナダドル = 80.43円であるからして、100gあたり340円以下の計算になる。

この手のお洒落カフェにしてフェアトレードの品であることを考えると、割安なのではなかろうか。

 

 

 

なおこれは極めて個人的な印象ではあるが、この手のカフェだとエスプレッソ用であっても、かなり浅煎りの豆を使用する店が多いように感じる。

フルーティなコーヒーを目指しているためかもしれないが、どうも昨今のカフェはその傾向が強まっているように思う。

 

浅煎りを否定するわけではないが、猫も杓子も浅煎り至上、というのもいかがなものか考えるがする今日であり、その点でダークローストまで扱っているこの店の存在はありがたいようにも感じる。

 

なおBakeryと銘打つだけあって、朝食のお供のクロワッサンに始まり、スコーンケーキクッキーの類、あるいはサンドイッチ、そしてほうれん草パイ等様々な軽食も取り揃えている。パイ類は頼めば温めなおしてくれるようである。

 

 

やや話がそれたが、どのようなコーヒーが好きか、というのは人によって異なるべきである。

が、ともあれ旅先で飲むコーヒーとして、この全体的に優しい味のコーヒーは何とはなしに『いい塩梅』で、フェアトレードでありながら豆も『いい塩梅』の価格設定なのでは、とここは半ば強引に結論付けたい。

 

 

 

『それとなく』に関する愚考

 

『それとなく』というのはもはや基準でも何でもないが、外観からもわかる通りここは所謂お洒落なカフェとして認知されている事と思う。

 

 

お洒落カフェにはつきもののグッズ類は言わずもがな充実しているし、

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カナダドルの持ち合わせが足りなかったので断念したが、筆者としてはPGとYGの中間色のような色合いのタンブラー(36カナダドル)が気になった。

 

全体的にあるいは茶色で統一されているのも好印象である。

メニューも黒板で表記しているのは、何やらこそばゆくすら感じられる。

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この時代に黒板と言うのがまた好い。

 

『それとなく』も人によって異なる基準になるが、過度に華美でもなく、落ち着きすぎているわけでもなく、はたまた前衛的すぎるわけでもないこの様相というのは、『それとなく』いい感じに提供する場として相応しいではなかろうか。

 

 

 

ともあれ以上の論拠により、このカナダロンドンに君臨する

【Black Walnut Bakery Cafe & Roastery】こそ、

『いい塩梅の立地』で、『いい塩梅のコーヒー』『それとなく』提供してくれるカフェなのではないか、と愚考するに至った次第である。

 

 

 

ちなみに辺境ブログであることを活かして重箱の隅をつついておくならば、コーヒーの提供スピードが気持ちゆっくりめな感はある。

 

それ自体は別にいいのだが、この店の場合はそれなりに人気店でかつテイクアウトの御仁も多いので、コーヒーの提供を待つ人が同時に複数人存在しうる。

そんな中、待つ場所があまり広くはなく、あったとしてもその場所がスタッフの動線に被るので、やや手狭感があるようには感じた。

 

 

もっともそんなことを気にするのは筆者だけと言われれば、それはまさしくその通りかもしれない。

 

 

Raretsu

 

 

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ちなみにカナダへ征かれるのならば、お土産は定番だがアイスワインを一考されてはいかがであろうか。特に品種にこだわりがなければ、歴史を鑑みるにVidalも良いのでは、と愚考する次第である。

 

【Apollo manual hand grinder 後編】小気味よく刻みし歯車と刃の実力はいかなるや?

 

 

先日の記事においては、恐れ多くも千手千眼観自在菩薩の慈悲深さに触れながら、その御手の多さには遠く及ばずとも100を数える選択肢、もとい粒度の調整幅を誇る奢侈なるハンドミル、その名もアポログラインダーについて個人的な意見を垂れ流した。

bran-cpain.hatenablog.jp

 

本記事は僭越ながら、その後編にあたる。

 

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※単純な選択肢の多さが活きた時のイメージ図。

 

 

 

 

前編ではこのアポログラインダーの調整幅が100を超えていると記載したが、実際にはどのように、どのくらい削り倒せるのかこそが肝要であるだろう。たとえば1000ダイヤルあったとして、それが全部粗挽き向けだったとしたら、あまりに実用性に欠けると言えよう。

 

 

 

ときに、アポログラインダーの説明書を確認してみよう。

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何やら古文書のような色合いになっているが、ただのコピー用紙である。図らずも、間接照明の本気を垣間見てしまったようだ。


この古文書風味な紙面を簡単に要約すると、

 

一、分解するべからず。貴様の手には負えぬ。

二、零点調整は時計の方向へと攻めよ、さすれば自ずと判る。

研削のすゝめ

急行:零点より反時計回りに九つ、或いは十の段階。

手仕事:零点より反時計回りに十四から十六の段階。

一つの段階は五つの数えに匹敵す。

我が忠告を聞け:机の隅に置くべからず。畳表への強打は避けられぬ。

 

以上のような内容である。

時計回りに回すと細かく、その逆は粗くなるという事は前編でも述べたとおりだが、説明書ではもっとも細かい設定を基準(零点)と表現しているようだ。

 

 

つまり、エスプレッソ用の場合は基準から45クリックから50クリック程度、ハンドドリップの場合は70クリックから80クリックの間が推奨値という事らしい。ちなみに回した感じだと、零点から反時計回りにおおよそ110回くらいは回るようである。

 

 

 

 

そこで、いくつかの段階に分けて実際に挽いた粉の状態を見比べてみたいと思う。

コーヒー豆は近所のBirmingham Roastで購入したTHE FIREを使用した。

www.birminghamroast.com

 

 

 同店はBirminghamエリアでもかなりお洒落なカフェで、客足の途絶えない人気店でもある。何かの機会でいずれ紹介したいところである。

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”エスプレッソ用にイカした豆はある?”と尋ねたところ、”イカしてるかは知らないけど、これでいいんじゃないの”くらいの勢いで勧められた豆である。米国式の小気味よい接客姿勢とは、やはりこうではなくては。

 

 

 

さて、見比べるとなると比較対象が必要になるわけだが、前回も紹介したデロンギ製KG364Jにその任を全うしていただこうと思う。

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くどいようだが、このKG364Jも家庭用としては極めて素晴らしいバランスを誇っている事は再度述べておきたい。

 

 

 

KG364Jの場合、粒度は13段階だか14段階だかで調整できる。(無改造の場合)

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改造すると粒度と粒度の間を設定できるようになったりするが、もちろん保証等は効かなくなる。

 

 

とりあえず3段階として、最も粗いCoarseの右端中間のMediumとFineの間くらい、そして最も細かいExtra Fineの左端の三か所を取ってみる。

 

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Extra Fineの焦点が明後日の方向にいっているが、かろうじて上の部分で判断できそうなのでそのまま掲載している。

 

見たところ、粗めから細かめまでそれなりの範囲で挽けているように見受けられる。Extra Fineは結構な細かさで、家庭用のポンプ式エスプレッソマシンに使うのであれば十分以上である。

 

再三申し上げているが、やはりKG364Jは家庭用のグラインダーとしては非常にコストパフォーマンスに優れた機体なのである。

 

 

 

 

続いて件のアポログラインダー卿である。

 

ひとまず零点(時計回りにいっぱいまで回した状態)からおよそ110クリック、90クリック、60クリック、30クリック、5クリックの5か所で試みた。

零点の一番細かい設定も試したみたが、あまりに細かすぎるのか粉が一向に出てこず、5クリックにて実施した。

5クリックだけやたらと量が少ないのは、出てくるのに異様なほど時間を要するために割愛しているためである。

 

 

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やはり細かい方は焦点がやや辛いが、例によってそのまま掲載している。カメラの性能もそうだが、筆者の撮影技量はそもそも褒められたものではない。

 

アポロ卿でいうところの110クリックは、KG364JのCoarse設定よりもやや粗めに見える。また5クリックは細かくなりすぎているのか、粉というよりは塊のようになってしまっている。写真だと潰れて非常に見づらいが、触った感触では明らかにKG364JのExtra Fineよりも細かい。

とはいえ5クリックはグラインドに異様なほど時間がかかり、とてもではないが実用的ではない。

 

 

ただし、一般的に極細引きが要求されるエスプレッソ用ですら40クリック前後で事足りるのである。実際に筆者がエスプレッソを落とす際も、45クリック前後で丁度いいと感じている。したがって5クリックレベルの挽きを必要とする場面は、浅学なる筆者からすると思慮の外にあると言っていい。

 

本来ならば粒度分布なども計って然るべきかもしれないが、設備の問題もあるし、何よりあまりにNardな内容になっても気が引けるというものである。

こういう時に限り、あくまで浅学の身であることを良しとしたい。

 

 

 

 

 以上まとめると、

 

粒度の調整幅は110段階程度

最も粗い設定だと、Delongi KG364Jよりもやや粗めに挽くことが可能

細かい設定を攻めれば、Delongi KG364Jよりも更に細かく挽くことが可能(ただし、その必要があるかどうかはやや疑わしい)

 

以上のような内容になるだろうか。

 

たったの3行で済む話を、2000字以上もの文字数を使い冗長さの極致を体現する辺境ブログの存在は全く嘆かわしいものである。

 

 

 

 

 流石はプレミアムなハンドグラインダーというだけあって、そのカバー範囲はKG364Jを上回るものであった。細かさについて言うとやや過剰性能気味な気もするが、価格を考慮すればむしろ過剰なくらいが小気味よいというものかもしれない。

 

 

また前編でも述べているが、無論このアポロ卿は性能も優秀なのであろうが、単純に豆を挽くというだけに留まらず、”使う人間側の感覚面を考えて設計されたツール”という側面も孕んでいるように思う。

 

 

例えばデザインであるが、アポロ卿は他のプレミアムなハンドミルに比べても洗練されたもののように感じる。

 

ボディはフライス盤で削っているというから、切削痕でもあるのかとおもいきやそんなこともなく、またその適度な重さは高級感を演出する。

 

別にベアリングが凄いなどと宣言するつもりは毛頭ない(規格品のベアリングの値段など、本当に微々たるものだ)が、それでも回転部分に2か所配備さている分、挽く際の感触向上には間違いなく一役買っているだろう。

 

 

 

そして何より、この粒度調整用のクリック機構である。いちいち分解せずに調整できるというのは面倒くさくなくて良いし、このクリックの感触自体が妙に小気味よいのである。調整する必要もないのにいじりたくなるような、そういう感覚すらある。

これは喩えるなら、巻き心地の良い手巻き時計をいじる感覚に似ているかもしれない、とは筆者の妄言であるが。

 

 

なかなかどうしてその心地が良いものだから、最終的にこんなものまで作ってしまったのだから、これはもう始末に負えない。

  

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とはいうものの、このアポログラインダーは本体価格だけで$280+送料という事は忘れてはならない。

単純にハンドミルとして見た時には、その価格はもはやプレミアムを通り越してラグジュアリーとすら形容できるかもしれない。

 

そのあたり、やはりこのApollo manual hand grinder”道具+αの感覚”を求めているユーザーにこそしっくりくる製品といえるかもしれない。

 

 

 

 

ちなみに、挽いた豆が出てくる受け皿の形状であるが、現在使用中のポルタフィルターの径にしっくり来ている。

Approved by La Pavoniと箱に書いてあったような気がするが、その辺も考えられているのかもしれないと愚行する筆者であった。

 

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”かっぽり”とはまる様はなかなかどうしてこそばゆい。

 

 

Raretsu

 

【Apollo manual hand grinder 前編】100を数える選択肢と、奢侈に富む風格を備えしプレミアムなハンドグラインダー

 

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それはGoodに留まらず。あるいはGodをも捉えうる。

 

初めて「千手観音」という言葉に出会った時、筆者ははじめ”千本もの御手をお持ちになる観音様がおられるのだ”と解釈した。まさしく文字通りの、言ってしまえば愚にもつかないほどの解釈であったが、しかしその解釈自体には間違いはなく、数は少ないものの実際に千本の御手をお持ちになられる観音様はおられるそうだ。

 

 

しかし多くの千手千眼観自在菩薩は、視覚的にとらえた際の御手の数というのは42本というのが主流だそうである。というのも、一つの御手で25の世界をお救いになられるため、25×40=1000という計算になるそうだ。加えて前で組まれている2本を加えて、42本となるということである。

 

www.youtube.com出典:むにむに 様

 

また、実際にはその掌にそれぞれ目が付いているそうで、これはどのような衆生であれ余さず救いの手を伸ばしなさるという事だそうだ。

論ずるまでもないだろうが、その差し伸べてくださる御手の多さを目の当たりにしたならば、この愚昧なる筆者であろうとも慈悲の深さを感じずにはいられない。

 

 

 

 

さて、そんな慈悲部深き菩薩様には到底かなうまいが、しかし時として単純な選択肢の多さが功を奏す場面というのは散見される。

そう。

ここまで記載してしまったならば答えを言っているも同然ではあるが、本日は『Apollo manual hand grinder』について極めて個人的な意見の垂れ流しを敢行したいと思う。

 

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コーヒーグラインダーの明日を憂うコーヒーグラインダーフリークの諸兄姉には紹介するまでもないだろうが、こちらのアポログラインダーは所謂『大分プレミアムな手挽きグラインダー』である。

 

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非常に質感の良い箱だが、ブルーがベースなのも意外と珍しい気がする。

 

 

 

 

「手挽きグラインダー」というと、脊髄反射的に思い浮かぶのはこのような、昔懐かしいフォルムではなかろうか。

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カリタのクラシックミル。古き良き風貌が実にしっくりとくる。

出典:Amazon

 

この手のノスタルジーなハンドミルだが、意外と購入された経験のある方は多いのではないだろうか。

「知己から土産物として珈琲豆を受領したが、粉砕器具を所持しておらぬ。これ好機とばかりにいくつか見繕ったが、やはり趣こそ肝要だ。」と話す友人もいた通り、この何とも「コーヒーミル」といった風体に一度はそそられるのではないか。いきなり電動のミルを買うという選択肢はやや高くつくきらいもあるし、大体5000円もあれば御釣りをいただけるクラシックなミルは、魅力的に映るのではと推測する。

 

 

 

しかしながら、この手のハンドミルというのは見栄えのポイントが高い一方で、実用性についてはやや辛い傾向がある。個人的に経験談を垂れ流すならば、特に下記の3点がデメリットとしてあげられるように思う。

 

・挽き具合の調整があまり効かない

・一定以上細かく挽けない

・そもそも手で挽くのが面倒

 

1番目と2番目については、ローエンドのハンドミルは構造も造りも大雑把(そこも古き良き、なのだが)なため、ある程度はご愛敬であろう。

3番目については身もふたもない感想だが、実際この面倒くささが勝って押し入れにしまってしまった人は少なくないはず、とこの愚昧なる筆者は憶測を広げる。ちなみにこの手のハンドミルを購入したはいいが、その後1週間かそこいらで匙を投げたのはほかでもない、愚昧なる筆者である。

 

 

そうした後、次に手を出したくなるのは電動式である。電動となると用途や方式、そして価格帯も一気に広くなるが、比較的手を出しやすいのがこの手のグラインダーではなかろうか。

 

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Delongiが誇るKG364Jである。それなりの期間お世話になっているが、機能面・価格面で特に不満はない。

 

性能と価格、扱いやすさも含めてバランスの良い機体で、挽き具合の調整幅もそれなり(14段階)にあり、ついでとばかりにエスプレッソ用の極細挽きにも対応している。そして何より電動なので手間はほぼない。

家庭用として用いるならば、恐らくもって不満は生まれないだろう。

 

 

 

ところが人間とは、かくも業の深き存在である。

こと何かに一度慣れてしまうと、その何かとは異なるベクトルで夢を見たくなるものである。家庭用として見た際、機能的に全く申し分のないKG364Jを持ちつつも、どこか鎌首をもたげる満ち足りぬ感覚とは、先人が遺した言葉通り「趣」への渇望だったのかもしれない。

 

 

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「趣」、つまるところそれは「ハンドミル」への回帰を意味するのではないか。と、この愚昧なる筆者が憶測を立てた先にあった物こそ、件の『Apollo manual hand grinder』なのである。

 

 

 

 さてそんな『Apollo manual hand grinder』であるが、一見すると「ちょっとモダンなハンドミル」といった風貌である。

前述の通り、一般的な粗挽きからエスプレッソ用の極細挽きまでなんでもござれ、という威勢の良さをウリにしている。

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カラーはGrape Champagne Goldを選択している。この手の柔らかな色は、何ともこそばゆく感じられて仕方がない。他にシルバーや黒、赤などもあるようだ。

 

 

 

加えて質感についても一家言あるらしく、回転部分にはベアリングをそれぞれ搭載している。ついでとばかりに、ボディの加工部分はいちいちフライス盤で削っているようである。誇らしげに動画でその様子を投稿しているようだ。

www.youtube.com出典:La Pavoni

 

 

そのボディはどうやらアルミ製だそうで、しかして手にした際の重量感たるやなかなかのものである。

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公称は1030gのようであるが、誤差範囲といったところだろうか。

これら質感と重量が相まみえることで、えも言われぬ高揚感を醸成せずにはいられないのは愚昧なる筆者だけではなかろう、というのは過言かもしれない。

 

 

 

さて、その質感に一抹の恋慕の情すらをも覚えつつも、グラインダーとして求められる性能を冷静に判定する姿勢は崩してはなるまい。

 

まず挽き具合の調整については、よくあるハンドミルであるとハンドルを外してからネジを締めたりするものだが、このアポログラインダーにはそういった分解は不要である。

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分解せずとも調整ができるのは、かなり便利であると評価せざるを得ない。

軸についている目盛り付き歯車のような部品を回すと、小気味よいクリック音と共に調整が可能になっている。時計回りに回せば細かく、反時計回りに回せば粗くなる。

 

 

ちなみに裏面を見ると、回転させた分に応じて刃の位置が変わっている様が観察できる。

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左が最も粗くした設定、右がもっとも細かくした設定である。もっとも、右の状態は細かすぎて挽けたものではないが。



 

そして何より驚くべきは、その調整幅の細かさであろう。

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先ほどの目盛りの拡大。1~10までの刻印がつけられているが、1回転しか回らないということではない。おおよそ2回転+αくらいの可動域のようだ。

 

何故か公式HPでは触れられていないが、一度手に取って回したならば、その小気味よい感覚と共に、実に100段階以上の細かさが選択できるであろうことが伝わってくる。

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この調整幅の広さには、さしものリスも驚きの表情を隠せないと叙述したいが無関係である。

 

正直、調整幅が100段階もあったところで、実際に使うダイヤルは限られてくるのでは、という陰険な筆者の独り言はとりあえず捨て置くべきだろう。何故なら、単純な選択肢の多さが功を奏するという事は往々にして起こりえるからだ。

 

 

よって、後編においてはその選択肢の多さがいかなる範囲に及び、そしてどのように活用できるのかについて、引き続き極めて個人的な意見を垂れ流したい。

 

 

Raretsu